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【コラム】かりん 薬用植物園に行ってきました
武田薬品工業株式会社京都薬用植物園を見学しました
武田薬品工業株式会社京都薬用植物園を
見学する機会に恵まれました。
日中医薬研究会関西支部の野外研修でした。
一般公開はしておらず、
申し込み後、抽選の上、
参加できる貴重な研修会です。
引き当ててくださった先生、
ありがとうございます。
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雨が降るかもと、折りたたみ傘を
携帯していましたが、
使うこともなく、
暑くもなく寒くもなく、
お天気にも恵まれました。
解説が詳しくて、とても勉強になりました。
ちぎったり、噛んだり、香りをかいだりできる
植物もあって、楽しくて、
参加できて、ホントに良かったです。
連れてきてくださって、
ありがとうございました。
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ですが、
過去の私に、未来の誰かに教えてあげたい、
写真を撮るなら、充分な充電を、
携帯電話の電池の減りに気を付けてと。
入り口すぐのかりんの木を
何枚も撮っていたのに、
終わりの方のトリカブトの花や塊根などを
写真に収めることができなかったのでした。
薬膳コラムを書いています
毎月1日、15日に
名古屋・大阪 薬膳資格取得 一般社団法人 紡ぐしあわせ薬膳協会 (yakuzen.or.jp)
ホームページに、
薬膳コラムを書いています。
普段は薬局薬剤師として働き、
国際中医薬膳師、国際中医師、
紡ぐしあわせ薬膳協会の認定講師となり、
2017年2月よりコラムが掲載されています。
以下は、2022年10月1日付、
薬膳コラム「かりん」より
【コラム】かりん
かりんの実をいただいたことがあります。
りんごほどの大きさで、
黄色く、少しいびつな楕円形、
表面はつやつやしていて、
例えようのない甘い香りがしました。
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かりんは、食性は平、食味は酸渋、
帰経は肺脾、
咳を鎮める、
水分代謝の失調によって生じた痰を取り除く、
潤すことで乾燥状態を改善する、
身体に必要な水分である津液を
生み出す作用により、
から咳や痰が出る時、
津液不足の時に適していて、
疲労回復にも寄与します。
かりんは生食すると青酸中毒を起こすので、
アルコール漬けや
ジャム、シロップなどにします。
私は種を外さずにいちょう切りしたかりんを、
肺を潤して咳を止める作用のある蜂蜜に
漬けました。
かりんの成分が溶け出たシロップを
甜杏仁で作った杏仁豆腐にかけたり、
のどの調子がよくない時に、
お湯で薄めて飲んだりしていました。
また、経絡を温め、寒邪を散らし、
血の巡りをよくするという焼酎で作った
かりん酒を
寒い夜に飲むと、身体が温まりました。
明時代、李時珍が著した本草綱目に、
かりんは榠樝(めいさ)という名で酒を解し
(酒毒を取り除く、二日酔いを解消する)、
痰を去ると書かれています。
また、榠樝の気は辛香であって、
これを衣箱中に入れて置けば、
蠹(と/きくいむし、衣類や書物を食うしみ)、
蟲(ちゅう/むし)を殺すという記述も
ありました。
かりんの香りが好きで、
車のなかや部屋に
置いておきたいけど、
楽しめる時期は短くて、
かりんののど飴があるのだから、
かりんの芳香剤もあったらいいのにと
思うほどです。
一つ一つ榠樝(かりん)は癒すもののかたち 川崎展宏