【コラム】もち米
昨年起きた令和の米騒動は
記憶に新しいかと思います。
スーパーの店頭から米が消え、
新米が出てからも
販売個数の制限や価格高騰などがみられました。
そんななか、我が家では、もち米を購入して、
時々、おこわを炊いていました。
炊飯器で炊く、
旬の栗を入れたおこわ、中華ちまき風おこわ、
朝ドラでヒロインの恋人が召し上がっていたという
新潟の郷土料理である醤油おこわなど、
うるち米の代替と言ってしまうのは
失礼な美味しさ、もちもち感を堪能し、
おなかが満たされ、食の楽しみが増えました。
もち米は古くは稲(とう)と呼ばれ、
粘るもので、醸(かも)して酒になり、
粢(しとぎ/もち)になり、
蒸して糕(こう/ケーキのような菓子)になり、
熬(い)って(煮詰めて)餳(あめ)になり、
炒って食べることもできると重宝されました。
もち米の粘り気のもとは
アミロペクチンというでんぷんです。
うるち米ともち米を比較すると、
うるち米ともち米はともに食味は甘、
食性はうるち米が温めも冷やしもしない平性、
もち米は身体を温める温性です。
なので、
もち米は寒い季節に取り入れるといいです。
そして、両方に、中焦(=脾胃)を補い、
消化機能を促進させる(補中)、
人体の活動エネルギーである気を補い、
力をつける(益気)、
消化吸収をつかさどる
脾の機能を正常にする(健脾)、
下痢症状を改善する(止瀉)作用があります。
さらに、もち米は固渋といって、
汗が出過ぎるとき、陰液の不足により
陽気が際立って寝汗が出るときに効果的です。
逆に、風邪のひきはじめで、
発汗させて
邪気を体表から追いはらいたいときには
不適と思われます。
腹持ちがいいのは長所であり、
消化しにくいという短所を
併せもつことになります。
痰湿といって、
身体の中に余分な水分がたまっている方は
常食を控えましょう。
毎月1日、15日に
名古屋・大阪 薬膳資格取得 一般社団法人 紡ぐしあわせ薬膳協会 (yakuzen.or.jp)
ホームページに、
薬膳コラムを書いています。
普段は薬局薬剤師として働き、
国際中医薬膳師、国際中医師、
紡ぐしあわせ薬膳協会の認定講師となり、
2017年2月よりコラムが掲載されています。
【薬膳コラム】もち米は、
2025年1月15日に更新されました。