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七夕の国 10分で説明する試み

主人公の「南丸洋二」は超能力を持っていた。念力を唱えると小さな穴があく。何の役にも立たないが確かに超能力。ナン丸はこの超能力が何なのか知りたかった。自分の先祖、ルーツが東北の小さな村にある事が分かり村に向かった。
 
 その村で聞き込みをしたらこの超能力は村出身のごく一部の人間に遺伝し現在では数人しかいない事が分かった。

 村には神官と呼ばれる超能力がいた。元民俗学者の「丸神正美」。彼は南丸より何倍も大きな穴を空ける能力を持っていた。

 この村では毎年祭りが行われている。その祭りではある儀式が行われる。数本の松明を灯し、神官が7つの石を能力で消し去る儀式。

 この村の多くの村人は2種類の特徴を持っている。1つは前述した超能力。それは「手が届く者」と呼ばれた。もう1つは恐ろしい悪夢を見る特徴。「窓を開いた者」と呼ばれている。
「窓を開いた者」はそれをとても恐れていた。
村人は祭りを行うと、この恐怖から少し解放される。そのため、この祭りを1000年の間必ず行い、外部からの支配や都市開発などを全力で阻止してきた。

 超能力を持つ者がもう1人いた。神官よりさらに強力な能力を持つ者。「丸神頼之」
彼はこの祭りと儀式を破壊したいと考えていた。

 「丸神正美」は、この村の祭りを研究していた。その結論がついに出た。
 この村には1000年程前にある者が降り立った。きっと宇宙から。目的は新しい居住地の探索なのか交配実験なのか分からない。ある者は1年に1度現れすぐに去っていく。ある者が来た時に、偶然か能力か分からないが豊作になった。村人はある者が来るのを心待ちにし儀式を行うようになった。ある者は村人がいつまでも忠誠を誓うよう「手が届く者」と「窓を開いた者」を伝えた。初めはある者を心待ちにしていた村人だったが次第に恐怖心による儀式となっていた。
 ナン丸は村の外で産まれ育っているので、「そんな伝統に縛られる事はない」と村人に訴えるが村人は耳を傾けなかった。

 「丸神頼之」は、古来から続くこの恐怖から村人を解放したいと考えていた。そのために手段を選ばなかった。あらゆる物を消し去り、人を殺める事も辞さなかった。村人は悪夢への恐怖がありながらも伝統を壊す事を恐れ丸神頼之の行動を止めようとした。丸神頼之は村人を強制的に解放するため儀式を行う山を巨大な能力を使い自分諸共消し去った。

 その年の祭りは1000年の歴史で初めて中断した。
 頼之の行動は村人の恐怖の束縛を緩める事ができた。

 しかし、村人はその後消し去られた山を再び作り直し、その後も祭りは行われ続けた。


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