来年の自分に贈りたい言葉は何ですか?#ZaPASSアドベントクエスチョン
Q「来年の自分に贈りたい言葉は何ですか?」
これが今回、ZaPASSのアドベントカレンダーで、
コーチである小寺さんから自分が受け取った質問でした。
この質問。あなただったら、どう答えますか?
私に最初に浮かんだ答えは、これでした。
「よくぞ、その葛藤を乗り越えたね。おめでとう。」
この「葛藤」という言葉は、
実は今年、自分が一番向き合った言葉なのでした。
葛藤という気持ちを一緒に体感してもらうために、
この記事を読んでいるあなたに、こんなクイズを出したいと思います。
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【葛藤クイズ】
Q:一つのリンゴがあります。兄と弟は「どちらも丸ごと1つ必要だ」と言っています。さて、あなたならどうしますか?
*答えは後半で
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このクイズの答えの考え方として、
例えば、
A:年功序列で年上の兄に、りんごをあげる
B:年下の弟のために、兄に我慢してもらう
というAかBかを選ぶという考え方もあるでしょう。
もしくは、
C:とりあえずフェアにしようと、半分ずつに分ける
という妥協案もあるでしょう。
でもこのABCのどの案を通じても、
「丸ごと1つ必要だ」という両者の主張を満たすことはできず、
どちらも幸せはかなえられないかもしれません。
このようにクイズにして単純化してみましたが、
人は葛藤した状況で日々悩む生き物です。
そして悩んでいる間は、とても苦しいものです。
葛藤と聞くと、人はネガティブな印象を受けるかと思います。
だから「心の葛藤をなくしたい」という言葉が出てくるのです。
でもあらためて自分が葛藤する時を思い出してみてほしいのです。
「夢に挑戦したい」でも「失敗したら恥ずかしい」
「クライアントの価値に貢献したい」、だけど「部下のことも尊重したい」
「新たな仕事に取り組みたい」、だけど「経験がないから不安だ」
これらの相反する欲求と向き合うとき、
そんな困難を乗り越えて一歩踏み出そうとする時に、
心の内側に生じてくる感情だと捉えることができます。
つまり、まずは葛藤している状態に気づいた時、
その葛藤をありのままに受け入れてみましょう。
その上で困難を乗り越えようと、
自分の頭が、無意識がそれを乗り越える解決策を出そうと
探しているプロセスなのだと気づくこと。
そのことに気付けると、世界は変わります。
実際に、多くの葛藤を乗り越えた先にこそ、
夢を叶えるゴールは見えてくるのです。
私自身も、そんな葛藤の大切に気づいたのが今年でした。
例えば私は、2年前ZaPASSのコーチ養成講座で学び、
道場で仲間と切磋琢磨して、プロコーチになるべく道を探求していました。
しかし、ペアコーチングや内省を通じて、
自分の本当の気持ちに向き合いました。
「自分はコーチングを学んでいるが、コーチになりたいわけじゃないかもしれない。これまで仕事にしてきたコピーライティングのスキルとコーチングのスキルを掛け合わせることで、相手に気づきを与え、叶えるきっかけをつくれる著者になりたいんだ」
という、本当の自分の気持ちに気づきました。
そして、コーチングを共に学ぶ仲間に向けて、
「本を書く道に進むため、道場を辞めます」
とSlackで宣言し、新たな道に挑みはじめました。
こうして「わざわざ夢を公言すること」は、「叶わなかった時に恥ずかしい」という葛藤が同時に生まれることを意味します。
そして「出版社に自分から企画書を送る」という新たな行動は、
「それがボツになった時に落ち込む」という葛藤もセットで生まれます。
そして「本を出す」ということが決まったとしても、
今度は「ちゃんと書き上げ切れるのか不安」という葛藤が生まれます。
そして「なんとか書き上げた」としても、
今度は「本を世に出して酷評されるリスク」という葛藤も新たに生まれます。
このように新しいチャレンジをしている限り、次々と葛藤は生まれます。
しかしこうした葛藤の連続を乗り越え続けたことで、今年、
ずっと昔からかなえたかった「本を出版する」というゴール(夢)を
叶えることができました。
『ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則(ぱる出版)』
(ほんとZaPASSとの出会い、コーチングのスキル、そして皆様の支えのおかげです。改めて感謝します)
だからこそ、始まりの葛藤は、避けるのではなく、
むしろ歓迎すべきチャンスだと捉えてほしいのです。
人は無意識的には、できるだけ楽に、リスクなく、
できれば葛藤せずに何かを得たいと思うもの。
だけど、その葛藤にあえて向き合い、
その葛藤を乗り越える選択肢を見つけた先にしか、
ゴールは見えてこないのです。
コーチングの「GROWモデル」でいえば、
叶えたいゴールと現実のギャップに気づき、
それでも叶えたいから選択肢を探している状態が葛藤だとも言えます。
たくさんのオプションである選択肢を検討して心を整理するなかで、
X軸とY軸の2次元の世界に、ある時ふっとZ軸を見つける瞬間があります。
それさえ見つかれば、自分のワクワクする意思に従って、
ゴールへと突き進むことができるのです。
ここでクイズの答えをZ軸的に考えていきましょう。
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葛藤クイズ
Q:一つのリンゴがあります。兄と弟は「どちらも丸ごと1つ必要だ」と言います。さて、あなたならどうしますか?
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例えば、この問題、どちらかのみが勝つ、妥協するというXとYの2次元で考えていると答えは出ません。
ではそんな時にまずコーチングなら、まず何をするでしょうか?
それは「問うこと」です。
私ならまずはいきなり解決策を考える前に、
兄弟それぞれに
「なぜリンゴが丸ごと1つ必要なのですか?」と問うでしょう。
兄は「フレッシュで栄養満点のリンゴジュースを病気の母に飲ませたいから、丸ごと1つのリンゴの実が必要なのだ」と答えるかもしれません。
弟は「リンゴの皮を使ったアートを使って、病気の母を元気付けたいから、丸ごと1つのリンゴの皮が必要なのだ」と答えるかもしれません。
それならば、兄には皮を剥いたリンゴの実まるごとを、弟にはリンゴの皮まるごとをあげればいいだけです。
もちろん、こんな都合の良い答えを出してくれないかもしれません。
例えば兄弟の回答がどちらも「リンゴジュースを作って、病気の母に飲ませたい」だったら、一緒にリンゴジュースを作ればいい。
もしリンゴジュースを作りたいという行動が一緒でも、兄は母を元気づけたくて、弟は恋人にいいところを見せたい、という話かもしれない。
だったら、母を喜ばせる方法も、恋人にいいところを見せる方も、別にリンゴジュースじゃない方法はいくらでもあることに気づきます。協力してどちらの本当の夢も応援できる道が浮かんでくるはずです。
まずは「問うこと」そして、その主張の裏にある「願い」にフォーカスし、第3の答えを探求すること。
そう考えれば、もしかしたら「病気の母を喜ばすためだった」という共通の願いに気づければ、別の行動という選択肢が浮かんでくるかもしれません。また例え「互いに全然別の願い」だったとしても、その願いを満たすための手段は一つではありません。すぐには見つからなくても、葛藤の先にずっと答えを探し続ければきっとどちらも満たす第三の案に辿り着くこともできるはずです。
だから葛藤は、歓迎しましょう。
そして葛藤を乗り越えるZ軸を探し続けましょう。
むしろ葛藤してない状態とは、
これまでと同じ道を惰性のまま、
進んでいる状態かもしれません。
または思考停止して妥協の道を選んでいるだけかもしれません。
だから、この大切な「問い」の贈り物を、
最後にまた皆さんと一緒に味わいたいと思います。
Q「来年の自分に贈りたい言葉は何ですか?」
これからも困難に挑戦し夢を目指す続ける限り、葛藤は生まれ続けます。
ですがまた1年後、自分を振り返った時、
A「よくぞ、その葛藤を乗り越えたね。おめでとう。」
と自信を持って答えられる自分でいたいなと思います。
メリークリスマス。そして良いお年を。
2022年12月25日 堤 藤成
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