オランダ在住フルリモート部長が教える!リモートオフィス×リモートマネジメントで「生産性」を加速させるコツ
カテゴリー:FEZの生産性TIPS
株式会社フェズ クリエイティブ・ディレクター/広報部長 堤 藤成
はじめに:リモートで、オフィスの働き方を再現できるか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で揺れる日本と世界。今もまだ解決策が見えない中「アフターコロナ」という言葉よりも「With コロナ」という言葉が似合うようになってきた。つまり、人々はコロナとしばらくの間、一緒に生きていく必要に迫られているのである。そんな中、多くの企業において一時的な措置としてのリモートワークではなく、今後恒常的にリモートワーク中心に働くことが迫られつつある。
そこで今回、コロナ以前から1年弱の間、日本のリテイルテック・スタートアップのフェズで、マレーシアやオランダなど海外からフルリモートで働いてきた筆者の知見を紹介していく。具体的には「リモートオフィス」×「リモートマネジメント」で生産性を加速させるられるということについて詳しく説明していきたい。
近くの散歩道@アムステルダム郊外
私自身はコロナ以前の昨年からフルリモートで働いてきたため、エンジニアやデザイナー、部員や経営陣など、多くの社内メンバーと共に、リモートワーク環境構築を目指して様々な試行錯誤を行なってきた。
そもそも「リモートワークを導入したが、どうしても生産性が落ちてしまう」という声をよく聞く。その場合、大抵、コミュニケーションがとりづらい、孤独を感じる、会議やグループワークがしにくいなどの理由が多いだろう。
では、そもそもリアルなオフィスにある設備や機能とは何だろうか。
改めて考えてみよう。
まずは会議室だ。用途に合わせた多くの会議スペースが用意されており、社員が集まれるセミナールーム、グループワークなどもできる交流スペースもある。
続いて執務室がある。オープンデスクやファミレス席など、働く仲間の笑い声や気配を感じながら働ける場所がある。また仕事にこもれる集中スペースや、ほっと一息つける食堂や休憩室も用意されている。また外出中や休暇中のメンバーの状況がわかる退勤ボードも、仕事の様子を感じられる重要な要素だ。
さらには社内掲示板や個人ロッカーなど、個人に根ざした機能もある。社員へのちょっとしたお知らせや、部活のコミュニティの参加のお誘いなどが貼られた社内掲示板から、社員同士の円滑なコミュニケーションは生まれてくるからだ。また日報を書いて周りの人に読んでもらったり、本棚で誰かが買ってきた本や雑誌を読んでインプットすることもできる。個人デスクの上においた企画書などに意見をもらったりもできる。このように、リアルなオフィスは、たくさんの良い機能を持っていることがわかる。
では、この環境を「リモートオフィス」として再現することができれば、実はリモートワークの環境は格段に良くなるのではないだろうか。
そこでまず前半は「リモートオフィス」を構築するための3つのポイントについて紹介したい。
*なおリモートワークにおいてどのツールを使うのが最適かについては、各自の職場環境により様々な答えがあると思うので、今回はあくまでも私の個人的な意見として捉えていただければと思う。
【リモート会議 with Google Hangout /リモート飲み会 with Zoom】
Google Hangoutを「会議室」として使う
フェズの場合は、普段のオフィシャルな会議はGoogleハングアウトを活用し、カジュアルなリモート飲み会では、Zoomという風に機能で使い分けている。まずはGoogle Hangoutから説明していこう。こちらはGoogleのアプリであるからこそ、Googleアカウントさえあれば、アクセス権を調整することでセキュリティを確保しつつGoogleドキュメントの編集などが可能だ。さらに社内で公開されたGoogleカレンダーから直接参加者との打ち合わせのスケジュール登録すると、そのまま会議室のURLが発行されるため、大変スムーズに活用することできる。
Zoomを「飲み会の会場」として使う
一方、カジュアルな飲み会の運用に関しては、一度に全員の顔が見えたり、ブレイクアウトルームで数人ずつ話し込んだりできるため、Zoomを活用している。(*ちなみにフェズでは、GREE等よりももっと早い段階から「リモート飲み会の経費申請」をOKとする制度を運用している)みんなの顔を見ながら「乾杯!」を行うという社内リレーションを高める「飲みニケーション」の場としても機能させることができる。こうして各自が自分の家でビールとおつまみを用意することで、Zoomをパーティ会場に変えられる。またバーチャル背景機能があるため、生活感を出したくない人にも配慮できるし、この背景を自分なりにカスタマイズして、宇宙にいる感じや南国の楽園にいるようなカジュアルな印象をつくることもできる。また美白機能など女性にとって嬉しい機能もある。さらに、チャット機能やホワイトボード機能などもあり、一つのツールの中で話題になった音楽のリンクを共有したり、ホワイトボードにワイワイ楽しく落書きしながら語るということもできるのだ。またブレイクアウトルーム機能というのも大人数が参加する会社の飲み会だからこそ、効果を発揮する。具体的には、一つのリモート飲み会中に、小部屋をいくつかつくり、ランダムにメンバーを分ける。3−5人など飲み会でひとつのテーブルをかこむように会話ができる。また5ー10分後には全体に戻って、次のメンバーと会話するなども可能だ。またテーブルごとのメンバーはランダムにするだけでなくメンバーを移動させることも可能なので、あまりメンバーが被らないようにするなどの配慮も可能だ。また乾杯の挨拶や飲み会の締めなどはまた全体で一つのルームにさっと戻れるのも良い。このように飲みニケーションまで、円滑に進めやすくするツールがZoomなのだ。
*写真はホワイトボード&バーチャル壁紙機能を使っている様子
(南国のバーチャル風景の中で、真面目な表情が似合わない筆者)
ただしGoogleHangoutやZoomを入れただけでは、まだリモートオフィスには物足りない。なぜならアウトプット自体は会議室で出せるが、その途中のプロセスが完全にブラックボックス化してしまうためだ。その結果、上司は部下の行動に不安を感じてしまうし、部下の側も作業に詰まってしまっても、なかなか聞く機会がなく、非生産的な時間が流れてしまう場合がある。
【リモート執務室 with Discord】
そこで続いて紹介するのは、Discordというツールだ。これはもともとはゲーム実況などのツールとして発展しているものであるが、これは実はオフィスにおける「オープンデスク」から「退勤ボード」としての使い方までできるとても役に立つツールだ。
テラス席に集まるメンバーや離席して打ち合わせ中のメンバーを可視化できる
Discordを「オープンデスク」として使う
リモートワークでは、どうしても一日中家で仕事しているため、孤独な気分になってくる。そこで Discord上で、会社やチームメンバーと集まるメインのチャンネルをつくると、そこでお互いの音声をつなぎっぱなしにすることで、誰かのタイピング音やちょっとした雑談をしながら働くことができるようになる。
またオープンデスクは、タイピング音など環境音だけの環境だと少し間が持たないときに、BGMを流して音楽を聴きながら仕事ができる部屋を作ることができる。
子どもの声が騒がしいなど、自分の生活音を聞かせるのに抵抗感があれば、自分のマイクはミュートにしておき、相手の音だけ聴ける状態にしておくのも良い。そうすれば、メンバー同士の雑談に耳を傾けつつ、自分に話しかけられた時だけマイクをオンにして話せば良い。
ちなみにフェズの場合、BGMを聴きながら仕事や雑談ができる「テラス席」、基本的なオフィスと同様にBGMなしで雑談OKの「デスク席」をメインにチャンネルを用意している。
Discordを「ファミレス席(簡易な音声会議室)」として使う
多くのメンバーが集まるオープンデスクで仕事していると「ちょっといい?」と話しかけて、1対1や少人数で話したくなることもあると思う。その際はさっとチャンネルを会議室に移動しよう。その際に、Meeting Roomの名前を会社やチームにゆかりがある名前にすると、愛着が湧いて良い。ちなみにフェズの場合は「元気」「未来」「FACT」「性善説」「逆算」という価値基準や行動指針に基づいた会議室や事業部ごとの部屋を用意している。
こうした場所があることで、サッと15秒から5分以内で終わる進捗確認などであれば、さっとチャネルを移動するだけで良いので圧倒的な時間短縮になる。また一方で、1時間くらいチームメンバーと同じチャンネルにこもって、音声で会話しつつ、一緒にGoogleスライドなどを共同編集していくという使い方もある。これは耳と口で情報をやりとりしながら、視覚で一緒にアウトプットできるため、大変効率が捗る。
また特定の用途に特化した使い道もある。例えばフェズでは、社長である「伊丹の部屋」をDiscord上に再現し、社長に気軽に話をしにいける空間をバーチャル上に作っていたりする。
Discordを「集中スペース」として使う
また働いていると、考える作業や振り返り、意思決定などの場合は、音声を遮断したくなる時もある。そんな時は集中スペースにこもろう。ここでは、私語厳禁であり、誰も話しかけてこない。ただし外の音から遮断する場合「わざわざDiscord使わなくて良いのでは?」と思う人もいるかもしれない。しかし誰かが集中スペースで働いているということが可視化されること自体が大切なのだ。このチャンネルにいるとわかることでメンバーにとっても、働く姿がブラックボックスにならず、今は電話しても通じない時間なのだとわかることで、共に働くメンバーにとってもストレスにならない。
Discordを「食堂・休憩室」として使う
また仕事以外でもランチの時間やおやつの時間など、ちょっと仕事の手を止めて雑談したい時もある。そんな時は食堂や休憩室に移ろう。ちなみにフェズの場合、12-13時の「FEZ食堂」、15時から15分間限定の「おやつTIME」というチャンネルを用意している。その時間に空いてる人でなんとなく集まりみんなで気兼ねなく雑談する時間があることで、ちょうど良い気分転換になるだろう。
Discordを「退勤ボード」として使う
もちろん仕事中、常にPCの前にいるわけではない。そこで離席中や他のツールを使っている時間帯を「一時離席:10分程度」「MTG中!」「外出中!」「休憩中!」というチャンネルに自分のアイコンを移動させよう。これで、他のメンバーにとっても相手がどんな状態なのかが可視化されるため、余計なストレスもかからない。
このように、音声をメインに、ラジオ感覚で「執務室」的なゆるいつながりを可視化できるのがこのDiscordの良さだ。これでGoogle Hangout、Zoom、Discordによりある程度、職場の外側の雰囲気は見える化できてきた。
【社内掲示板 with Slack+様々なAppとの連携】
さらにこのリモート環境でコミュニケーションを活発化させるために、もっとそれぞれが何が好きで、何に価値観を持っているかなど、内面を知ったり、様々な交流・雑談が生まれるきっかけが作れるとベストだ。
ここで「社内掲示板」的な機能を担うのがSlackだ。これもまた定番アプリだが、拡張性の高さを活かし、Google関連アプリ(Googleカレンダー、Google Drive)やRSS、Trelloなどと同期させることで、大きく生産性を向上させることができる。
Slackを「社内掲示板」として使う
Slackは、各部ごとのお知らせ、ちょっとした部活のアクティビティの招待など、社内掲示板として大きく力を発揮する。Slackの場合、誰かの投稿に対して、気軽にスタンプで反応できるため、コミュニケーションのハードルが低い。またスタンプはバリエーションも多く、気軽に新しいスタンプを作れたりするため、社長の顔のスタンプやよく使うキーワードのスタンプを使うだけでコミュニケーションが暖かくなる。またフェズの場合は、ちょっとした技術的質問や社内手続きについて気軽に相談できる「教えてFEZ友チャンネル」、新規受注や誰かの誕生日などを祝える「めでたいチャンネル」、凹んだ時や愚痴を聞いて欲しい時に励ましてもらえる「落ち込んだよチャンネル」があり、活発なやりとりが行われている。
「めでたいチャンネル」で日々のめでたい話題が飛びかう様子
Slackを「プロジェクト管理ボード」として使う
また真面目にプロジェクトの進捗確認にも使いやすい。何がどこまで進んでいるかなど、それぞれの部署やプロジェクトごとにチャンネルを用意することで、個別にサッと進捗管理することができる。GoogleドキュメントやGoogleスライドなどのリンクもすぐに共有できるため、話が早い。また投稿ごとにスレッド化して、やりとりを記載できるため、メールのように流れてしまうことがない。
Slackを「日報」として使う
また各自が自分の「シェアチャンネル」を開設することで、自分が気になったニュースや記事、日々の気づきなど、気軽に発信する日報や日記のような使い方も楽しい。例えば、プライベートでどのお店のハンバーガーが良かったかを語るメンバーがいたりなど、メンバー同士がお互いに中の良いメンバーのチャンネルに登録することで、また違った一面を知ることにつながり、チームのエンゲージメントを高める効果もある。
Slackを情報を集める「本棚」として使う
RSSと同期することで、自分と関連する業界のビジネスニュースなどを登録しておくことで、Slackのそのチャンネル上に自動的に記事などが集約されていく。わざわざ毎回記事を読みにいく手間も減らせるし、仕事が煮詰まった際の気分転換にもなる。継続的なインプットは企画力や提案力を高める効果もある。
Slackを「個人デスク」として使う
Googleカレンダーと同期することで、Slackにその日のスケジュールが通知されるようになる。またGoogle HangoutやZoomとも同期できるため、Slack+Googleカレンダー+Google Hangout(Zoom)の相互連携で、Slack上へのGoogleカレンダーの通知から直接HangoutやZoomを立ち上げることもきる。
Slackを「個人ロッカー」として使う
Google Driveと同期することで、他のメンバーがGoogleドキュメントやGoogleスライドなどの資料を更新した際に、その情報なども通知してもらうこともできる。そのためタイムラグを減らして、仕事を進めることができる。
掛け算のリモートオフィスで生産性を加速する
こうしてみると、改めてそれぞれのツールの特徴をみると、それぞれの特徴が違うからこそ、全体でリモートオフィスの環境が構築できることがわかる。
【各ツールの特徴】
情報量多い(聴覚・視覚) 同期 (会議室):Google Hangout +Zoom
情報量少ない(聴覚) 同期 (執務室):Discord
情報量多い (視覚) 非同期 (掲示板):Slack(+Google App等)
情報量少ない(視覚) 非同期 (郵便物):メール*参考
また比較対象として出した、メールだけでやりとりすることの困難さがわかるだろう。そして多くのリモートワークの場合、どれか一つのツールを入れただけでは機能しにくいことも改めて理解できるはずだ。なぜなら、会議室(Google Hangout+Zoom)だけを使っていても、アウトプットまでの個人作業が完全にブラックボックス化してしまう。また掲示板(Slack)だけ導入しても、テキストコミュニケーションだと細かいニュアンスが伝わらず、余計に手間がかかったりもする。またDiscord(執務室)だけがあっても、やはり聴覚情報だけでは不安が残る。
やはり、会議室・執務室・掲示板が揃ってこそのオフィスなのだ。このように、視覚や聴覚をベースにしたツールを連携することで、その仕事のモードや内容によって、適切な情報量に保ち、生産性を加速させることができる。このようにリモートワークの環境構築として、一つずつのツールは掛け算で機能を発揮する感覚がわかるだろう。
そして、もちろんリモートオフィス環境を導入しただけでは、実はリモートワーク環境の構築においては、まだ半分でしかない。それは上司もマネジメントのスタイルを変更したり、部下の側もアクションをチューニングしていく必要があると考える。
失敗から学んだ『リモートマネジメント』のコツ
後半は、私自身一年弱のリモートマネジメントを通じて、自分が失敗から学んできたポイントについて語っていこう。私自身、まだまだ完璧にできているわけではないが、今回初めてリモートでのマネジメントに取り組む皆様にとっても今後陥りがちなポイントだと思うので、あえて恥を忍んで共有したい。
1:メンバーシップ型からジョブ型のマネジメントに意識を切り替えること。そのジョブの背景である戦略までを深く共有しておくことも忘れずに。
誰が何時間働いたかではなく、どんなアクションや成果につながったかでマネジメントする意識が大事だ。ジョブ型のマネジメントを行う際、そもそもの戦略がきちんと共有されていないと、お願いしたタスクがうまく進まない時、部下はどう動いて良いかわからなくなるということが起こる。
今は部下と時間をかけて毎週のオンライン定例や、不定期で長時間の合宿を開き、長時間意見を出しあい資料を固める時間をつくるなど、アクションの前の前段のプロセスを一緒に共有している。そうすることで、互いに戦略に対してどうアクションすべきかを意見することができるようになってきた。明確に前提としての戦略さえ共有できれば、ある程度途中のプロセスは分業で進められ案件は回るようになってくる。
2:体と心のケアを、何よりも意識すること。1on1など悩みや課題をシェアできる環境をつくる。
リモートワークでは普段のリアルでの仕事よりも、アウトプットへのプレッシャーは強くなる傾向にある。私自身もリモートワークを始めた当初は、結果を出そうと無理してオンオフなく長時間働き、結果、体調を崩してしまうことがあった。リモートに切り替えた当初は、慣れるまでは一時的に生産性が落ちてしまう場面や音声からテキストコミュニケーションが増え、作業量が増加することもあった。実はリモートに切り替えたこの機会に、効果につながらない仕事やプロセスを削る判断も必要だ。
また同じように部下の側からしても、ちょっとした相談がしずらくなる分、不安が強くなったり、どれだけの負荷がかかっているかわからない点があることにも注意したい。この部分は、出来るだけ日頃の会話や、1on1などで状況を共有することを心がけるべきだ。
リモートで働くというと「部下がサボってしまうのでは?」と心配する声をよく聞くが、社内の雰囲気や真面目な日本人の国民性を考えると「むしろ部下が長時間、働きすぎることを心配すべき」だと断言したい。こうした体調面と心のケアは、リモート時代には特にマネジメントが気を付けるべきポイントだと思う。またリモートではマネジメントする側もストレスを抱えやすいため、上司の側から見えている課題感や悩みについてもフラットに共有しあうという意識も重要だと思う。
3:過度な効率性を重視しすぎない。効率性を追求しすぎて前提の共有が疎かになると、逆に生産性が落ちてしまう。
職場で働く場合、周りの雑音や作業を中断される場面が多いため、「言いたいことを端的に」というコミュニケーションが求められる。一方、リモートワークではお互いにつながっていない時間も長いため、あまりに効率性を上げる意識が強すぎると、資料やテキストだけでやりとりが終わってしまいがちだ。ある程度スムーズに仕事が回っている場合はそれでも良いのだが、少しプロジェクトが難航したり、込み入ってきた場合、その資料の修正に込められた背景などがきちんと共有されず、結果としてチグハグな進行で仕事を進めてしまうということが起こりうる。
つまり目先の「効率性」を意識しすぎて、結果として「生産性」を落としてしまうとこともあるということだ。実際に私たちのチームでもこうした失敗を経験した。だからこそ、Slackでのテキストコミュニケーションだけでなく、音声でその背景まで会話する時間をつくったり、リモート飲み会などで普段の会話のハードルを下げるといった、コミュニケーションが大切だと言える。
最後に:これからリモートワークに取り組まれる皆様へ
いかがだっただろうか。今回「リモートオフィス」と「リモートマネジメント」で「生産性」を加速させる方法を紹介してきた。
振り返ると、これまでの一年弱の間、海外からフルリモートで働く中でどうすれば良いかをずっと考え続けてきた。振り返ると、自分がフルリモートで海外からメンバーをマネジメントすることになった際、まずは部内のコミュニケーションはSlackに統一することに決めた。全てのやりとりをメールで対応するには限界があると感じたからだ。
Slackを入れて、ひとまずリモートでも業務は回り始めたが、今度は効率性を追い過ぎて、少しメンバーや経営陣と自分との間で細かいニュアンスが食い違うということを経験した。こうしてアウトプットだけのコミュニケーションでは限界があることも実感した。そしてオンライン会議の後にPCを閉じたあと、しんと静まり返る自宅で、気持ちが折れかけた経験もある。
その後、今回のコロナショックでフルリモートに切り替える社員も出始め、以前の私のように、社内コミュニケーションが減ったことで、孤独感を感じるメンバーも出てきた。
そこで私自身プライベートで友人たちとの「リモート飲み会」で使っていたZoomを活用した「リモート飲み会」の導入などで改善を行った。また音声で常時繋がれるDiscordの導入などにおいては、フットワーク軽く新しいツールのテストトライに前向きに取り組んでくれた、フェズのデザイナーやエンジニアたちの存在が大きい。彼らと共に一緒に、新しいツールを気軽に試して、このようなリモートオフィスが構築できたことは本当にありがたいことだ。
またフェズではもともとバックオフィスの紙の撤廃や、東京と島根オフィスを繋いで業務を行うなど、リモートワークをおこなう上で結果的にプラスになるポイントも多かった。もちろん、それは迅速かつ積極的にリモートワークに理解を示した経営陣や、迅速に制度などを整えた経営管理部などバックオフィスの貢献も大きいと思う。そして最近は営業や採用活動など事業部ごとのリモートワークによっても様々な成功事例がで初めている。またこうした事例については、今後のFEZ NOTE(広報チームや他のフェズメンバーが寄稿するnote)などでも順次紹介していきたい。
そして今回、リモートワークがメジャーではなかった昨年から初めてのフルリモート社員として受け入れてくれた経営陣や社内メンバーにも心からお礼を言いたい。
これを読んでいる読者の皆様も置かれた状況は様々だと思う。しかし昨年よりも、今回のコロナショックによって、リモートワーク導入のハードルは明らかに下がっているはずだ。会社を変革に導くために、自分のチームや部単位など、まずはできることから行動を起こして欲しい。今回の未曾有の混乱となったコロナというピンチではあるが、リモートワークをベースに新しい働き方は新しい可能性を切り開いていくチャンスでもあると信じている。今回の記事が、あなたの環境で「リモートワーク」導入を進めていくための一助となれば幸いだ。
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