守るべきものなんて無かったことに気づく
私の半生は、守ることで成り立っていたように思う。
私は母が大好きで大切だった。
だから早く大人になって強くなって、苦労してきた母を守ってあげたかった。
本当は犬や猫に愛情を感じていたけど、子供の私には守ることができないと、それが申し訳なくて、近くに行かず、遠くで見つめるしかなかった。
私は宝物を大切にしまって、それを時々眺めることが幸せだった。
コレクションは沢山あった。
ハンカチ、おもちゃのお金、ミニチュアの食品や食器、メモ帳や折り紙、それらの宝物を特に使うわけでもなく、ただ見つめるのが好きな子供だったのである。
でも何故か失うことが起きる、例えば仲良しの友達に盗まれてしまったり、弟にめちゃくちゃにされてしまったり。
それが許せなかった、だから益々隠すようになり、それを守ろうと必死になる。
この世界は敵だらけ、私は誰にも心を許さず、自分だけで自分の宝物を守るしかない!と思い込んだ。
初恋の人が現れて、大切な守りたい存在が母ではなくなった、母は恋愛を毛嫌いしていたからだ。
母も敵になった、私は恋心を絶対に母から守ると決めて、鍵のかかる日記帳にその気持ちを綴るようになった。
失恋して、社会人として自立しようと頑張った。
でも何故か私だけ、職場に順応できない、違和感ばかりが募っていく、それが限界になり、不動産会社に転職した。
そこで会った上司だった元夫と結婚する流れになった。
このことで、私は守るべきものが倍増していくことになる。
先ず自分のお金が危ない!信用できない元夫から守る必要があった。
そして元夫は婚姻届を提出しておらず、私はその時点で独身だった、この事実が両親に知れたら、大変なことになる!と思い込んだ為、その秘密を守ることになったのである。
秘密がバレそうで ヒヤヒヤするような出来事が連発して、私の心は休まることがなかった。
そして私が完全に依存していた大親友と絶交することになり、私は子供を産み育てる決意をする。
一番苦手な育児を選んだ私、あんな小さな赤ちゃんを、私が守れるとは思えず、ずっと責任感で押し潰されそうになりながら、苦しい日々を過ごした。
それからも、守るべきものがどんどん増え続けた。
不思議なことに、守ろうと思えば思うほど、どうしても守れない現実がやって来る。
特にお金は、全く私の正義感に反して、あっという間に理不尽に消えていく。
どうして!?こんなに大切に守っているのに!なんで守れず消えていくんだ!と理解に苦しんだ。
その頃は、どっぷりと現実に浸りきり、この世界が自分の思い込みの鏡の世界だなんて、思いつきもしなかった。
今 私はやっとこの鏡の世界のカラクリに気づき始めた。
守るべきだと思うと、守れない現実が創られるのだ。
守る必要なんて無かった、それは私の思い込みが創った幻想だった。
敵も味方も存在しない。
無駄もない。
全てがそこにあるだけだった。
お金は守るべきものではない。
守るという感覚が芽生えると、減ることに抵抗が生まれ、できるだけ使わずに残そうとしてしまう。
私が気づく必要があったのは、この真実だったのだ。
私はお金は守るべきものと、物心ついた時から思い込んでいた。
今の私はやっと目が覚めた気分だ。
お金をツールとして使いこなし、この世界を思いきり楽しめばいいだけだったと、確信できた。
守るべきお金を たっぷり使うことを自分に禁じ、常に我慢してお金を残す方に全力を注いできた。
その挙げ句に元夫に無駄使いされて、お金を失うことに繋がった。
元夫が許せなかった、あんなに我慢して残したお金を、簡単に使い果たしてしまうからだ。
根深く残っていたお金に対する思い込みが、やっと明らかになった気がする。
守らなくていい、感謝してそこにあるもの全てを受け取ればいい。
そして我慢しないで、愛のエネルギーであるお金をこの世界に循環させれば、みんなが潤い 幸せになっていくのだ。
この世界に弱い 可哀想な 守るべき存在なんて無かった。
この気づきは私にとって重要で大きな変化をもたらすに違いない。
茅子俊さんは、私が惹かれたかつての男性とは大きく違っている。
私は以前 男性に頼って生きることが、女性としての幸せだと思い込んでいた。
私の魂は真実を知っていたのだ。
守ったり守られたりしないで、ただ無償の愛を与え続ければいいだけなのだと。
茅子俊さんを想う私は、彼に依存はしていないことを自覚している。
彼に対して、自然と愛しさが溢れてくる、それがとても心地いい。
ここまで読んでくださって感謝します。
幸せをありがとうございます✴️