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どいつもこいつも by 網焼亭田楽

 え〜、本日もバカバカしいお笑いにお付き合いいただきたいと存じます。

 最近は、何でもかんでもAI頼みでございます。
 子どもたちにとって楽しかった夏休みも終わりを告げようとしておりますが、昔はこの時期になると溜まってしまった宿題に頭を悩ませるお子さんも、いや、むしろそんなお子さんをお持ちになられている親御さんも多かったのではないでしょうか。
 そんな中でも、夏休みの嫌いな宿題ナンバー1と言えば、読書感想文でございます。
 読者自体が嫌いだというお子様もいれば、読書は好きだけど感想文を書くのは苦手なんてお子様も多いようでございます。
 何がいけないかと言えば、学校が指定する課題図書なんですね。これがまず、興味の湧かない本が多い(笑)
 どうせなら、スラムダンクやらワンピースやら、なんならとなりのトトロなんかの映画感想文であれば、もう少しお子様のやる気も出そうな気がするのですが。
 まあ、それはさておき、最近の優れものであるAI、あっ、わかりますよねAI、これさえあれば「あなた、いらない」を略してAIと言います。はい、嘘です(笑)
 正しくは、artificial intelligenceの略でございます。
 大丈夫ですか、そこの奥様。話について来ていますか。
 まあ、簡単に言えば人工知能と呼ばれるもので、詳しく言えば、計算という概念とコンピュータという道具を用いて知能を研究するという計算機科学の一分野でございます。
 ねっ、ほとんどの方ついて来れなくなっています(笑)
 とにもかくにもこのAIというのがかなりの優れものでございまして、驚くべきことに読書感想文なんかも作り上げてしまうというから驚きです。

 夏休みも終わり、学校が始まる初日の教室でごさいます。
「皆んな、夏休みの宿題はやって来たか」
「はーい」
「ちゃんと、読書感想文も書いて来たか」
「もちろんでーす」
「では、集めるぞー」

 担任の先生が、皆んなの読書感想文をちらちら見ながら集めております。集め終わったところで、先生は呆れた声でこう言いました。
「お前たち、自分の頭をもっと使わなきゃダメだ。どいつもこいつも、まったく同じ感想じゃないか」
「じゃあ、先生の模範感想文を見せてください」
「それは……」
「先生も書いてくるって言ってたじゃないですか。見せてくださいよ。さては、やって来なかったんでしょ」
「そんなわけないだろう。ちゃんとここに持って来ている」
「じゃ、見せてくださいよ」
「いや、その必要はない。皆んなの感想文と一言一句同じだから」

 お後がよろしいようで。

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