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赤ちゃんが日記 66

重いよぉ~重いよぉ~誰か助けて。
父が僕に、重いリュックを背負わせたよぉ。1才の誕生日だから、って。なんで おめでたい日に 僕はこんな目にあわなきゃいけないんだ。リュックの中身は・・・一升の米だって。

1.8キロの米!
ひどい、10キロの僕に1.8キロの重さって・・・あんまりだ。ハイハイもできない。ヨロヨロする。
えーん、おじいちゃんも、おばあちゃんも、母も笑ってるぅ。

「一生 食べ物に困らないように」って?
「一生 健やかに過ごせるように」って?
そういう事なんだね?

わかったよ、わかったよ。みんなの気持ちはありがたいからさ、早く、このリュック、おろしてくれー
膝がいたい、腰がいたい、肩が痛いよー

次は「選び取り」とな?なにそれ?
そこに並んでいるのは・・・ハサミ?電卓?辞書?ボール?お札?・・・これをどうすればいいの?わかんないよ。

「電卓をとったら 商売人になる」
「辞書をとったら、学者になる」
「お札をとったら、お金持ちになる」
え?そうなの?ほんと?

まあいいや、全部投げちゃえ!転がしちゃえ!噛みついちゃえ!
だめ?だめなの?

あー僕の誕生日なのに、なんて酷な日なんだ。
でも、みんな、とっても嬉しそうだから、まあいいか。

これで 僕も 1才さ。
「赤ちゃん」じゃないよ。「1才」だよ。

だから「赤ちゃんが日記」を書くのもおしまい。
こんどは「1才が日記」を書くんだ。

                つづく

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