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秀逸な しらす

昔から「しらす」が好きだ。子どもの頃は「あんな小さくても大人の魚なんだ!海の中を一生懸命に泳いでいるんだ」と感心していた。いつ頃だったか?「しらすは いわしの こども」と知った。知っても変わらず、好きだ。

釜揚げしらすを大根おろしの上にのせ、少しだけ醤油をかける。しらすの旨味と大根の辛味を上手に醤油があわせこみ、実に絶品。醤油のかわりにポン酢でも良し。なんだか「はいからな味」になるのは・・・単に「ポン酢」の「ポン」がカタカナ表記だから?関係ないな。

最近は市販の「もずく酢」を器にだして、そこに釜揚げしらすをのせる。酸味と旨味がコラボする事に加え、なぜだか「栄養満点」の気分。いずれにしても、しらすが好きだ。

過去、一番美味しかったしらす。それはあの時に食べた しらす。

小学校高学年の頃、家庭科の授業で「調理実習」というものがあった。4人でグループを組み、それぞれが担当した材料を持ち寄り、調理して昼食にする。その日のメニューは「味噌汁・ごはん・おかず」。おかずは「料理する必要がないもの」と指示。シンプルで基本的な日本食の勉強だ。

米は「4人が各々の分量を持参」。そのほかに、私は「味噌汁の味噌、4人分」。もうひとりは「味噌汁の具の豆腐4人分」・・・といった感じで割り当てられた。

A君の担当は「おかずにする 釜揚げしらす」。やった!私の好物だ。

ご飯が炊けた。味噌汁完成。さて、おかずの しらす を・・・・A君が もじもじしている。

「しらす 25グラム って言ってたから・・・・」

25グラム・・・は、ひとりぶん。本来ならA君は、4人分、つまり100グラム持参するはずで・・・・

25グラムを4人で分けた。ひとり、何匹だったのか?記憶にないが。A君の切ないオーラが漂っていたし、誰も彼を責めなかった。ただ・・・おかずは、ひとり、しらす 何匹だったのか?

ゆっくり食べた。じっくり噛んだ。たまらなく 美味しかった。あんなに秀逸なしらすは その後 出合ってない。

ありがとう Aくん

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