2021年 冬の和歌(自選)
○ 時系列順。詠んだのが冬の時期ではない、いわゆる題詠の歌も含みます。
[時雨] 2021.09.27
有明の月もおぼろの夜時雨にやをらもみづる衣笠の山
[寄雨後朝恋] 2021.10.25
片敷の袂つゆけき朝かな 時雨の音に有明の鐘
[時雨]2021.11.08
木の葉散る愛宕の峰の夜時雨に秋の名残のさを鹿の声
[舞鶴の紅葉] 2021.11.14
やよ時雨いつとも言はで降りにけん鶴舞ふ里はもみぢしにけり
[寒い] 2021.11.29
わが宿に衣片敷き今宵もやかたくもたへん夜半のこがらし
[晩秋夕雨] 2021.11.30
わが心つきせぬ秋の色なればものぞわびしき夕時雨かな
[木枯らし] 2021.12.01
夜時雨の音ともまがふこがらしにふりゆくわが身を思ふころかな
[時雨告冬] 2021.12.03
あかなくにふり果ててける秋の色にうちしぐるるはもみぢなりけり
[寄雨恋] 2021.12.06
もみぢせぬ常盤の山の色見ればかひなかるべき小夜時雨かな
[時雨] 2021.12.12
わが宿の軒のもみぢ葉散り果ててなほ降りはへる夜時雨の雨
[夕暮れ] 2021.12.12
夕暮れはものぞかなしき 憂かりけるわが身も年もふりぬと思へば
[冬の柳] 2021.12.15
夕暮れの風にそよげる枯れ柳は遠き春べを待たんとすらん
[冬月] 2021.12.19
須磨の浦の波立つ音はしづかにて空も明かしの冬の夜の月
[歳暮] 2021.12.22
わかれゆく年を惜しむは常ながらかつは逢ひ見む年ぞゆかしき
[時雨] 2021.12.23
ながめするわが身ひとりの奥山にこと問ひ来るは時雨なりけり
夜時雨の露はかひなく降り果ててひとり深山の有明の空
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