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いまだに理解できていない人多数「消費税」

小難しい説明は専門家に任せるとして、できるだけ簡素に説明します。1989年に直間比率の是正が論点となり、導入施行されたのが消費税法。これ、多くの人が勘違いしていたり、誤認していたりしています。

【消費税を知ろう】

①消費者である私たちが支払っているのではなく、納税義務があるのは事業者や企業側

②消費税は全額、社会保障に使われているのではなく一部、のこりは大企業と富裕層の減税分に充当されている

③中小企業にとって、税の滞納の内、6割が消費税。赤字でも納税しないといけない。

④消費税は日本国の財源に占める割合がおよそ3分の1。総税収は大した変動はないがその内訳が大きく変化した。

⑤消費税今は10%だが、自公政権続投では19%まであがる!?

(順にみていきましょう)

まずは【民間側の視点】でおさらい

私たちがレジで買い物時に支払った消費税分は、A販売店がその商品を仕入れた値段分の消費税額を差し引いて納税します。A販売店に商品を収めたB流通業者も同様にC生産者からの仕入れ経費を引いた消費税額を納税します。(=①)要するに、売価から経費を引いた差額の10%が消費税に相当します。これは取引時に毎回発生するので、総売り上げが黒字赤字は関係ないんです。つまりは商品が売れなくても、仕入れ時に税が発生してるのです。

大企業の下請けなどは、取引の優位性を相手側に取られているので、大企業負担分の税額を価格に上乗せできないこともあるでしょう。一方大企業には、外注や派遣労働者などの人件費まで消費税額から差し引けたり、輸出払い戻し税等優遇面もあり、実質負担は大きくないのです。ゆえに、消費税というのは中小企業にとっては、首が締まるほどの死活問題なのです。(=③)

では【政府側からの視点】だとどうなるか?

企業の法人税は累進課税ではなく単一税(H30年度で23.2%)となってます。高額所得者の名目上の最高税率は50%なのですが、金融等の配当所得者は約20%なのです。日本には、配当所得に対する超優遇税制があります。配当所得は、どんなに収入があっても所得税、住民税合わせて一律約20%でいいことになっているのです。そこで、その減った税収分を政府はどうしているのか?答えは簡単。消費税収約21兆円で穴埋めしているのです。(=②)逆に言えば、金持ちの減税分を老若男女関係なく、庶民が負担しているってことです。そして国の総税収約60兆円は、消費税導入後も大して変動してません。(=④)[下図参照]

政府つまり政権与党である自民党を支えてるのは、経団連や資本家たちです。彼らは組織票と献金を駆使して飼い犬(自民党議員)を議会多数派に仕上げたら、法改正も意のままだということです。経団連(米倉弘昌会長)は2012年に「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める」と題する提言を発表しました。提言は、消費税率を2025年に19%まで引き上げる一方、社会保障給付の自然増を毎年2000億円抑制すること、法人実効税率を現行38.01%を25年には25%まで引き下げることを求めています。(=⑤)

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【消費税について考えよう】

社会保障費は保険料という名で徴収され、投資などに運用されてますよね。例えば、2020年度の公的年金の積立金運用益は、37兆7986億円と過去最高の黒字だそうです。なのに負担が年々増えて行ってますよね?

2020年9月に、報酬月額が63万5,000円以上の人の厚生年金は、負担増になりました。雇用保険では積み立てていた約1.5兆円の資金を使い切り、失業給付の積立金も、567前の約4.5兆円から、本年度末には約4000億円に減る見込みだそうです。後期高齢者医療負担も1割から2割になりました。

そろそろ気づきませんか?搾取され続ける人生だなと。税金は国民の義務だから、確かに避けて通れません。でもその税金って何なの?と疑問に思わないですか?政治を行うための収入源?いえいえ違いますよ。

税金とは性質上、抑制効果を発揮します。たばこ税ならたばこを、ガソリン税ならガソリンを、といった具合に消費行動を冷ます効果を持つのです。

庶民からすれば、消費税は消費者が実質的に支払わないといけないですよね。端的に言えば、消費に対する罰金です。個人の消費と企業の投資(=需要)が抑制される税制というのは、景気に大きく作用します。その代表格が消費税であり、25年以上続くデフレを助長させていると言えます。その証拠に、日本のGDP(国内総生産=国民や企業など全員の所得の合計)の成長率は、ずっと横ばいまたはマイナスです。まったく経済成長できてません。名目GDPではC国に抜かれて3位です。平均月収でもお隣K国に抜かれてます。信じられないかもですが、国民が全体的に貧乏になっているのです。

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名目gdp

【日本経済の現状を理解しよう】

”消費税”とは話がそれますが、少し現状を踏まえてほしい。

日本人の所得は減っている。つまり貧乏になっている。これは実質賃金が下がり続けていることから見ても明らかです。

実質賃金2

世界と比べてみても、日本は明らかに低すぎます。

実質賃金

平均所得の中央値は、 25年前から100万円以上下がってます。

所得の中央値

高度成長やバブルを経験した年配方たちは、”経済大国ニッポン” と過去の栄光にいまだに囚われているのかもしれません。が、いまの現役世代は、”日本経済がどん底に向かっている最中にいる”と言っても過言ではないのです。時価総額ランキング1つ見ても、それがはっきり見えてきます。

時価総額ランキング

世界の時価総額ランキング上位50社の国別会社数
    1989年  2019年  2021年
日本   32社   1社    1社(トヨタのみ)
米国   15社   30社    35社
英国   3社    2社    0社
フランス 0社    1社    2社
中国   0社    10社    4社
スイス  0社    3社    2社
ベルギー 0社    1社    0社

ITビジネスの隆盛が世界の潮流だとしても、日本産業が衰退する原因の説明にはなりません。究極の話、企業の存続は売れるかどうか、なのです。海外進出の理由を見ても分かるように、売れない つまりは需要のない国(=今の日本です)で企業が活動を続けるわけはないし、取られる税金の問題なんかは二の次なんです。売れないとき、企業経営としてコスト削減するのは当然の論理なんですが、そのせいで余計に経済が冷え込む悪循環を生んでいます。

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【国防を経済から見ると】

日本企業(国内産業)を守るという事は、日本経済を守ること、日本の雇用を守ること、日本の国防を強化することにつながるのです。それができるのは誰ですか?

個人や民間ですか?

いいえ無理です。それこそ国つまり政府の役目であり出番なのです。経済政策の持つ重要性に理解力を持ってほしいと思います。

ぜひ皆さんには、新自由主義グローバリズムに染まりすぎないでいただきたい。好景気における資本主義なら必然的現象と言えますが、企業間の弱肉強食による競争、というよりは、政治権力をも有する資本家による企業淘汰が加速すれば、彼らの思い通りに独占形態を誘発できてしまうのです。その弊害は、語らずともご理解できるものと思います。しかも、その侵略はすでに日本で始まっています。(どうしても知りたい方は、モンサント社(=ラウンドアップや遺伝子組み換え食物)やファイザー社(=抗がん剤やころワク)などを調べるとよいでしょう。)これは、庶民生活にも当然影響が出ているものです。さらに言えば、個人情報を含むあなたの資産・財産が狙われている、ってことです。規制緩和とか構造改革とか、聞こえはいいですが、実際に自公政権がやってきたのは、TPPなどにみられる日本の産業・経済の崩壊だったのではないでしょうか?

さて原点に戻りましょう。消費税の中身とその影響を知れば、問題点は見えてきたはずです。

消費税が日本経済衰退の足かせの一つとなっている、と考えるのは不自然でしょうか?

消費行動を弱らせる税金があるせいで、消費が冷え込む→企業のもうけも減る→もうけが減れば、コスト削減する→コスト削減で賃金も下がる→賃金下がれば消費するおカネも減る。この負のループ(デフレスパイラル)が繰り返されるのです。それが今の日本なんです。

昔の日本人は金持ちで、海外で美術品や不動産などを買いあさっていたわけですが、今は逆に日本が海外から買われてる状況ですよね。北海道では静岡県の面積と同等の土地が中国資本に買われてるそうです。水源地や、自衛隊の基地近くだったり、観光地だったり、空き家となった建物や大学等の教育機関など、北海道に限らず、全国的にそれは拡大しています。

北海道

国防の観点からして、重大な問題と感じませんか?法整備の不備が原因なのは一理あるでしょう。でも日本人が貧乏になったことも大きく起因しているのではないでしょうか?おカネさえあれば、外国の観光客であっても日本の不動産が買えてしまうんです。もちろん投機目的の売買によるものもありますが、土地や企業を買い占めて、移住してくれば日本の乗っ取りも容易ですよね。固定資産税等の滞納が問題になっている自治体もあるらしく、日本において何の恩恵も果たせてないのが現状です。

早急に対策すべきだと思います。突き詰めていくと、国の失策が原因だと気づきませんか?

じゃあ、毎日の生活で使ってるおカネ。これって一体なんなのでしょうか?貨幣観の間違いからくる大きな誤解があるんですが、これはまた次の機会に。

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