マズローの欲求5段階説といえば、あのピラミッド図ですが、あれに違和感を持っている人も多いのではないでしょうか。なぜって、5段階といっても、時系列的には被っているわけですから⋯ そうです。段階説をピラミッド図でイメージするのは間違いで、実際、彼の著作には一度も登場していません。Wikiによれば、なんと彼のスポークスマンが自著の為に作成したとのこと。 で、正しい図は何かといえば、昔は教科書にも載っていたこの図です。一体いつのまにピラミッド図に変わってしまったのでしょう。 こ
十万部を突破した千葉雅也の『現代思想入門』は書評どおりの面白さ。しかも帯の「人生が変わる哲学」はホントでした。 はじめに(千葉雅也) 今なぜ現代思想か。時代が、何でもクリーンに「きちんとする」、ある意味窮屈で面白みのない、単純化の方向へと向かっているから。なら、常識的な二項対立のマイナス側に逆張りし、人間の雑多なあり方を肯定してみよう。 ただし、みんなバラバラ(何でもあり)でいいと言っているのではない。逆に、徹底的に既成の秩序を疑うからこそ、ラディカルに「共」の可
哲学を学ぶとは、どういうことか。哲学者の國分功一郎さんの答えは明解です。 「哲学を学ぶとは、概念を体得することであり、概念によるモノの考え方を身につけること」 「たとえば、空手で形を身につけたと言えるのは、何も考えなくても自ずとその形に沿って身体が働く、そういう状態になった時のことです。概念についても同じことが言えます。その概念が自ずと考えを導き、口から自然にその概念が出てくる・・・・・・そういう状態になってはじめて、概念を理解したと言えるのです。」(河出書房新社刊『哲子
突然ですが、インターネットが未だ成しえていないもの、それはニッポンが一つになるような、大規模なネットイベントだと思います。 インターネットが日本で普及しはじめた20世紀末、今のようなSNSの時代を予想した人はいたでしょうか。直接民主制のごとく、全国民が1つのテーマで議論することもできる、全く新しい双方向メディアの登場と期待した人も多かったのではないでしょうか。 ところが現実には、インターネットは社会を1つにすることはなく、多様化する消費者ニーズをとらえ、ロングテールを顕在