1匹のアライさんがフェネックを拾う話
「今日も疲れたのだ……ツライさんなのだ……」
「大丈夫なのだ?いっぱいぎゅーっとしてあげるのだ!」
「ぎゅーっとするのだ!よく頑張ったのだ!」
感情を吐露すると、それを肯定してもらえる、それがこのアライさん界隈という存在なのだ。ここには『現実に疲れた元人間』が、沢山流れ着いていて、一種の国のようになっているのだ。
そんなアライさん界隈には、色んなアライさんがいるのだ。パートナーがいなくなってしまったアライさんや、自分の中にある感情が抑えられないアライさん、家のないアラ