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母の本棚に眠る夏目漱石全集にちょっと手をつけてみたら...

母は夏目漱石全集を持っている。
いつ買ったのか分からないが、
本棚に静かに眠っている。

母いわく、
「全部読むつもりだったのよ〜。
まさか自分が死ぬ間際になるまで読んでないなんて、まったく〜。
今は十分時間あるのにね。
順番に読もうなんて思うから結局読まないのよね。」と苦笑。


「吾輩は猫である」と2ページ目にしおり


「吾輩は猫である」を本棚から出してみた。
明治38年(1905年)発行で、
上・中・下に分かれている。
なんと!!上巻にしおりが挟まっていた。
しかも2ページ目かよ〜(笑)
どうやら一度読もうと試みてはいた。。。

一冊一冊表紙が異なり、かっこいい


母が突然「吾輩は猫である」下巻の冒頭を読み始めた。

〜猫の下巻を活字に植えてみたら、ページが足りないから、もう少し書き足してくれと言う。書物は猫を持って伸縮自在と心得ているらしい。いくら猫でも一旦かめへ落ちて往生した以上、そう安っぽく復活できるわけのものではない。ページが足らんからと言うて、おいそれとかめから這い上がるようでは猫の沽券にも関わることだから、これだけはごめん被ることに致した。〜

ここまで読んで母は、
「変なこと言う人がいるのねえ…」とちゃんと中身を楽しんでいる。


次は「こころ」、そして母のこだわり


今度は大正3年(1914年)発行の「こころ」を出したところ、
「ああ、これ読みたい!!」と一言。

「こころ」に見入る母

そして母には本を開く時のこだわりがあった。
「新しい本を開けるときは、まず真ん中を開けてね。次にその又真ん中。
そして、その又また真ん中の真ん中を開けていくの、本が崩れないためね。」

なるほど〜。

扱いが丁寧
    本を大切にしようって思う

袋綴じになっている本もある。
「新本だから切りながら読むのが面倒くさいけど、それが嬉しいのよ」と。

絶筆となった「明暗」(大正6年,1917年発行)を出してくると、
「あんた、こんな長いの読める?
ママはもう間に合わないわよ、too lateだわ。」と笑う。

「でもさ、よくぞこんな全集買ったと思わない?」と、
自分を褒めたりもする。


一緒に読む計画


せっかくだから母と一緒に何か読もうと思う。
「四篇」(明治43年,1910年発行)と言うの読みやすそうだ。

「文鳥」「夢十夜」「永日小品」「満韓ところどころ」の4篇だ。
しかもルビがふってあるから私にも読めそうだ。(笑)

まずは「永日小品」から始めてみよう。
1話3−4ページのエッセイなので、
母に手伝ってもらいながら私が朗読予定!!

色合いも優しく、ほのぼのする


明日からの楽しみができた。
母との素敵時間がまた一つ増えそう❤️

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