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母のフラワーアレンジメントが仏壇花に移ろう10日間

母は花たちを最後の最後までとても大切にする。
ダリアを中心とした秋を楽しませてくれた華やかなフラワーアレンジメントが始まりだった。

豪華だった初日


その花たちも日に日に少しづつ萎れていく。ある子はしなだれ、ある子は茶色くなっていく。それでも中にはまだまだ元気な子も沢山いる。

数日経って、萎れ始めた花たち


ただポンポン捨てて、残ったのを生け直すのではなく、母は一本一本の様子を観察し、「ここ切っちゃおうか」と茶色くなった葉や、花びらを丁寧に取り除いていく。母の視力がかなり落ちているので、そこは私の目もお手伝い。

大丈夫そうな花は氷水を入れたボールに浸して茎を水切りし、花別にコップに分けていく。

水切りして、分けられていく花たち

今回、母はお仏壇用にこの花たちを生け直すことにした。
「仏様に残り物みたいで悪いんだけど」と笑いながら。

お仏壇用の花瓶は小さいから沢山の花を入れることができない。
一番元気そうなカーネーションから生け、そこから少しづつ足しては引き、引いては足しを繰り返す。私が「その角度に入れるの?」と思っても、最後はそれが見事に調和していく。母の中では完成形のイメージができているのだろう。

「しだも元気だわ」と言って、大きなしだの葉を2本加えた。どう考えてもお仏壇からはみ出すが、そんなことお構いなしに、まるで孔雀の様な仏壇花が完成した。

案の定、お仏壇には収まりきらず、仏様の前に置くことに(笑)

「たまにはこういうのも良いわね」と母は満足げにずっと仏壇の前で花を眺めていた。小さな仏壇と小さな花瓶を無視した母の大胆な発想は本当にステキだ。

孔雀化した花たち


数日後、母はさらにアレンジを加え、今度はお仏壇に収まる仏壇花に変身を遂げた。

シックに生まれ変わった花たち


要介護2の母だが、毎朝一緒に過ごす時間を通して、母の中にある好奇心、創造力に火がつく。そして何より笑顔になる。そして私自身は、今まで知らなかった母のこだわり、優しさ、大袈裟に言えば生き様に出会うことができている。


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