ルールが無いと音楽じゃない?
最近読んでた本にこんな言葉が出てきた。
【音楽とは人間によって組織づけられた音響である】
「なるほどな」と思う所もあれば「どうなんだ?」とも思うので自分なりに解釈をまとめてみようと思う。
※以降、組織づける=ルールと書いていきます。
音楽のルールとは
音楽と組織づける為に必要なこの3要素。このうちの一つだけでも飯が食えるほど楽しめればそれも音楽だとも言えるが、今回はあくまで「曲」という形で考える。
これに関しては概ね同意してるが、個人的に面白いと思うのが僕たちは無意識にルールを付加しているということ。
アレンジ祭を運営していると色々な人の解釈が垣間見える。
僕はそれが面白くてこのイベントを毎年行っているが改めて思うところは書き切れないぐらいある。
そういう意味ではルールの無い音楽はほぼ実在しないと思う。
「ほぼ」と言ったのはルールを設けないといけない理由もあるから。
その理由とは
これらを音楽に混ぜた時、必ず苦手だと感じる人が現れるからだ。
逆に楽しめる人は一定のルールに飽きたり過度な変化を望む人だと思う。
ルールの重要性
前項ではほぼ全ての音楽にルールは存在するという解釈で話した。
なぜそこまでルールは必要なのかというと、法則は予測と期待を促せるから。
期待通りの展開はやり過ぎると飽きるが、基本的には期待通り展開することは安心、安定を生む。これはクリエイター目線で言えば受け入れられやすくなると言える。
だからもし「自分の作った作品をたくさんの人に受け入れてほしい」と思うのであれば、ルールを守るというのは一つの手段になる。
ただ注意しなきゃいけないのが「本人しか解釈が読み取れない内容」はどれだけ拘っても伝わり辛い。映像や文字の情報も含めてやっと読み取れるケースもあるけど、わからない=ネガティブに写りやすいので、ある程度解釈を和らげるのも技術の一つだと言える。
あえて外す=サプライズ
世の中の作品は裏切り方が巧みに練られている。
特にJ-POPはコード感の裏切り方については他のジャンルより顕著で、「裏切りの演出が無いと物足りない」まであるw
ここではJ-POPの真似をしようと言うわけではないけれど、大事なのは適度な裏切りは良い刺激感を生むのは間違いないということ。
漫画やドラマと一緒で、一番作品に引っ張られるのは先が読めない可能性を感じる時や結末が気になる展開の時。
同じ表現というカテゴリなら音楽も同じ事が言える。
ルールのない音楽とは
じゃあルールの無い音楽はそもそも何なんだっていう話。
これが中々難しくて、例えば「今までにない料理を作ろう」と考えてパッと思い浮かぶのは頑張ってもダークマターぐらいだろう。そして食べたくなるかというと微妙なところだ。
ただそれでもルールをあえて守らない形を追求することは価値がある。
が、基本的には不味い形になる。
「価値がある!」と言っておきながら「不味い!」で即答するのは酷い話だが、実際ルール=安定感を生むという事実から考えると、不安定を突っ走ることになるのは明らかで。
「それでも何か違う形が欲しい!何かあるんじゃないか!」と追求する。
その姿勢は「アーティスト」だなと思う。
ミュージシャンや作家などを指すアーティストとは別の形として、これは作品の表現力を広げるという目的で作る人の事を指してます。
実際作品を作る側の人間はメジャーな感覚とアートな感覚の両方を持ち合わせている。そのどちらの傾向が強いかで考え方も大きく変わってくる。
最後に
本題に戻ると、「ルールが無いと音楽じゃないのか?」と言うと個人的にはイエスかなと。「リズムだけでも楽しめるから音楽だ!」って言うのもイエス。必ずしも全部が全部ではないし、そんな簡単に言い表せられるほど人間単純でも無いのでw
ただ改めて思うとすれば、自分が楽しんで作れる形、仕組み、ルールは作品制作で時々振り返るべき大事な要素だと言える。その上で商業なのか個人なのか趣味なのかで形を変えれば良い。
なんかなーと。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?