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静止した時間は、より一層透明だ。


太陽が西から東へ、回るようになった事を
一体気づいている人はどれくらいいるのだろう?



明日に進めない感覚に、違和感を覚えたら
空をよく観察してみるといい。

悲しいのは、

友達と喧嘩したからじゃなくて
コロナが恐いからでもなくて


太陽系から95555788光年離れた銀河の
b wkian3衛星が消失したからだ
と分かる。


まるで蟻が、観察している僕らを全く気にかけないのと同じように、
僕らも、見えない銀河のことなんてお構い無しだ。


ある星は、ガラスの破片が時速200キロで吹き荒れていて

またある星は、硫酸の雨が降り続けている。

星は死んで圧縮されて中性子星になるか
崩壊してブラックホールになる。

宇宙は銀河のあぶくを吐き出して
自分が産まれたビックな衝撃の、
酔いを冷ましている最中。


どうか、正気に戻らないで欲しい。



あぶくの銀河系の住民がここで、
君のみてる夢の全貌を見ようと、
感覚を研ぎ澄ませているのだから。

太陽にお熱の植物たちが
夜になると、興味なさげに下を向く。

僕らは、太陽を直視できないかわりに
夜の星を眺める。
熱心に。

今までは、東から夜がきた。
でも今は
西から夜がくる。

勤勉に進む「時」が、一瞬立ち止まったのを
僕は見逃さなかった。

「時」は
自分がどっちに流れるべきか、
考えているようだ。

時の流れが止まった事で
時の歪みが隠していた遠くの物事に
ピントが合った。

僕は
悲しみの原因を知ることが出来た。

僕が意識を向けると、この星から
95555788光年離れた銀河の
b wkian3衛星が
嬉しそうに瞬いた。


見えなかったものに気づくのは
時が立ち止まった時かもしれない。


立ち止まった「時」は、
消えてしまったかのように透明だった。


2021年1月4日 ppp

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