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主義マット視点の戦略について Scythe(サイズ、大鎌戦役)の攻略法  ボードゲーム記事②


本稿はScythe(サイズ、大鎌戦役)における攻略法、特に主義マットごとの視点を主体とした分析、運用戦略について記述する。

立ち回り主体での攻略法については前回の記事を参照ください。
また前回同様あくまで一個人の経験に基づく推測も含まれおりますこと
ご留意願います。(コメント等頂けると幸いです。)

流れとしては
各マットの特徴を分析 → 特徴に適した戦略 → その戦略に適した国
の順で主義マットと国の最適な組み合わせを模索していく。

本稿の流れ
①各主義マットの特徴を分析
 A.開始時の優先度と初期ボーナス
 B.上段アクションと下段アクションの組み合わせとコスト
②各マットの特徴に適した戦略とは
③各戦略に適した国との組み合わせについて
④総評


また対象とするマットは初期セットの5種類とする。

・産業主義(工業)※
・工学主義(エンジニアリング)
・愛国主義 ※
・機械主義
・農業主義

※愛国主義とクリミア国、産業(工業)主義とロズヴィエト国の組み合わせは公式より非推奨とされており、本稿でもその組み合わせは使用しない前提で記述しております。
他の組み合わせは20ターン前後の勝利を目安としているが、上記の組み合わせは13~14ターンで勝利する動きが可能であるため。

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①各主義マットの特徴を分析

    A.開始時の優先度と初期ボーナス

はじめに開始時の優先度と初期ボーナスを比較してみよう。

産業主義 : 開始優先度1 民心2 金4
工学主義 : 開始優先度2 民心2 金5
愛国主義 : 開始優先度3 民心2 金6
機械主義 : 開始優先度4 民心3 金6
農業主義 : 開始優先度5 民心4 金7

目的カードは主義に依らず2枚ずつ

上記に並べた通り、開始優先度が低くくなる(1が高く、5が低い)につれて、初期ボーナスが多く貰える構成となっている。

しかし、ルール上プレイの順番は開始優先度が1番高いプレイヤーから順に時計回りであるため、2番目のプレイヤーが農業主義(開始優先度5)であることもありえる。

そうなると、「開始順の不利をボーナスを増やすことでバランスを取る」ということは機能しないことのほうが多いのではないかと思う。(無論開発もそんなことは承知しているだろうが)

つまりは、手番のバランスは別に初期ボーナスでのみ取られているわけではないと考える。

また、開始優先度1と5の初期ボーナスの差は「民心2 金3」であり、
ゲームの勝敗に決定的に影響するわけでもないので、後ほど総合的に勘案する。

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    B.上段アクションと下段アクションの組み合わせとコスト

「前置き」

各マットの組み合わせを見ていく前に、そもそもどういったマットが
理想なのかを考えたい。ある程度資金と資源がそろった状態ではどのマットも循環が可能となり、平衡状態になると仮定して、今回は序盤の循環を如何に効率よく行えるかを基準に考えたい。

(余談だが、中盤または終盤以降に強いマットとは?と考えてみたが、最低限必要な下段を終えており、星または戦力(改良後増強)を効率よく稼ぐという観点ではどのマットも差がないため)

序盤の上段アクション選択としては戦闘が発生しないことから必然的に
「増強」の優先度は高くなく、優先して行いたいアクションとは言えない。

反面、各下段アクションを行うための「生産」は優先度が高くなる。
「移動」は最適な生産のために一定回数は必要であり、また「交易」も不足資源を補うため同様に必要である。
よって序盤における上段アクションの優先度は以下のようにする。

上段アクション:生産>移動、交易>>増強

次に下段アクションについてだが、序盤よりアドバンテージを稼ぐ「徴兵」と必要資源を生産、労働者の移動を効率化するための1体目の「配備」を最優先として、次に「改良」、「建設」の順とする。
(建設の優先度が低い理由は前回の記事を参照して頂きたい。)

下段アクション:配備、徴兵>改良>建設
以上より理想は優先度の高い上段アクションと下段アクションを同手番で行うことのできる組み合わせが多いマットである。

では各マットの上下段の組み合わせとコストを並べてみよう。


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産業主義(工業)

「コスト」、「下段アクションで得られる金」
改良:コスト3、金3
配備:コスト3、金2
建設:コスト3、金1
徴兵:コスト4、金0
「組み合わせ」
上:増強 下:改良 組み合わせ:△
上段が増強であること、改良のコストが3であるため、初期地形に油田がない場合、序盤の改良がしづらく、全体的にコスト負荷が高くなってしまう。反面油田持ちは序盤に必要数が行いやすくコストバランスを落ち着けやすい。

上:生産 下:配備 組み合わせ:〇
序盤に多用する生産と必須である配備の組み合わせ。配備のコストが3と少なめであり、金も得れるため。最も優良な組み合わせのひとつ。

上:移動 下:建設 組み合わせ:×
序盤から建設を多くする戦略は強くないため、序盤移動後の手番が無駄になりやすい組み合わせ。コスト3であるため、1つまたは2つ程度であれば使えるが、固執すると移動が無駄になる。

上:交易 下:徴兵 組み合わせ:〇
交易により、そのまま徴兵アクションを行う際のコストを入手できるが、序盤に徴兵を連続で行うと金が得られず循環不良になりやすい組み合わせ。

総評:全体的にコストのバランスに優れ、中盤以降はどの戦略も好循環が起こしやすい。主義マットである。


工学主義(エンジニアリング)

「コスト」、「下段アクションで得られる金」
改良:コスト3、金2
配備:コスト4、金0
建設:コスト3、金3
徴兵:コスト3、金1
「組み合わせ」
上:生産 下:改良 組み合わせ:×
序盤に多用する生産に対して必要数はしておきたい改良との組み合わせ。国によっては序盤から改良を必要数回すことができるがコスト3であり、改良終了後またはしない国にとっては不要な下段となりやすい。

上:交易 下:配備 組み合わせ:〇
理想の組み合わせのひとつではあるが、序盤に配備を連続すると資金不良に陥るため。中盤以降に量産する戦略に適している。

上:増強 下:建設 組み合わせ:△
序盤はともに不要になりやすいアクションだが、中盤以降は増強と建設ボーナス、金狙いである程度有用な組み合わせ。

上:移動 下:徴兵 組み合わせ:△ 比較的良い組み合わせだが、序盤徴兵を続けて行いたい場合は移動が無駄となる。

特徴:序盤は効率よく回すに技量が必要なピーキーな主義マットであり、より明確な戦略を意識した運用が必要。


愛国主義

「コスト」、「下段アクションで得られる金」
改良:コスト2、金1
配備:コスト4、金3
建設:コスト4、金0
徴兵:コスト3、金2
「組み合わせ」
上:移動 下:改良 組み合わせ:〇
一定数行う移動と必要に応じて行う改良との組み合わせ。
序盤には低コストで改良でき、中盤以降も移動の頻度が増えた際に上段の改良(移動3体目と増強)を目的にできるため有効活用しやすい。

上:増強 下:配備 組み合わせ:△
序盤は配備のために不要な増強をしなくてはならないが、後半に配備を多く行う国の場合は比較的良い組み合わせ、ただ配備のコストが高く、交易とも噛み合っていないため、鉄の産出がない国では序盤に苦労する。

上:交易 下:建設 組み合わせ:×
序盤に一定数必要となりやすい交易に対して、コスト4と高く金0の建設という組み合わせ。序盤の交易後の下段が無駄になりやすく、中盤以降行う建設と中盤以降に不要な交易と噛み合っておらず、メリットも少ない。

上:移動 下:徴兵 組み合わせ:△
比較的良い組み合わせだが、序盤徴兵を続けて行いたい場合は移動が不要となる。

特徴:いずれの戦略でも、ところどころ噛み合わない場面が多く、特定の国以外には効率の良い運用が難しい主義マット


機械主義

「コスト」、「下段アクションで得られる金」
改良:コスト3、金0
配備:コスト3、金2
建設:コスト3、金2
徴兵:コスト4、金2
「組み合わせ」
上:交易 下:改良 組み合わせ:×
一定数行う交易と必要数行いたい改良との組み合わせ。
交易と改良の頻度は相応だが、交易を多用する国は下段が無駄になりやすく、改良コストも3であり、金も0のため、初期に生産地があっても多用はしにくい。

上:増強 下:配備 組み合わせ:△
序盤は配備のために不要な増強をしなくてはならないが、後半に配備を多く行う国の場合は比較的良い組み合わせ

上:移動 下:建設 組み合わせ:×
序盤から建設を多くする戦略は強くないため、序盤移動後の手番が無駄になりやすい組み合わせ。コスト3であるため、1つまたは2つ程度であれば使えるが、固執すると移動が無駄になる。(産業主義と同様)

上:生産 下:徴兵 組み合わせ:△
序盤徴兵を続けて行う場合は理想的だが、コストが高いため、生産性が上がるまでは中々好循環を生み出しにくい組み合わせ。また農地がない国には中盤以降まで徴兵がしにくいという面もある。

特徴:改良以外のすべての下段が2金という通りの強みがいまいち見当たらない器用貧乏な主義マット

農業主義

「コスト」、「下段アクションで得られる金」
改良:コスト2、金1
配備:コスト4、金0
建設:コスト4、金2
徴兵:コスト3、金3
「組み合わせ」
上:移動 下:改良 組み合わせ:〇
一定数行う移動と必要数行いたい改良との組み合わせ。
序盤には低コストで改良でき、中盤以降も移動の頻度が増えた際に上段の改良(移動3体目と増強)を目的にできるため有効活用しやすい。
(愛国主義と同じ)

上:交易 下:配備 組み合わせ:〇
理想の組み合わせのひとつではあるが、序盤に配備を連続すると資金不良に陥るため。中盤以降に量産する戦略に適している。
(工学主義と同じ)

上:生産 下:建設 組み合わせ:△
序盤から多用する生産と建設との組み合わせ、序盤は生産後の手番が無駄になりやすい組み合わせではあるが、農民プレイ(改良しつつ建設と徴兵を優先)に寄せた場合は効果を発揮する。

上:増強 下:徴兵 組み合わせ:△
序盤は不要な増強と序盤から行いたい徴兵とのミスマッチだが、中盤以降に配備を行う戦略には効果を発揮する組み合わせ。

特徴:優先度が低いこともあってか、バランスが良く好循環が期待できる。

余談:ここまで書くと、主義マット単体に優劣がありそうだが、実際回してみるとほとんど差はない(筆者の体感だが)ただ、国と主義マットが噛み合ってないな~と思うことは稀にある。

いずれにしろ、主義マットと国はランダムに配る方式でやっているので、この組み合わせが強いとか論じることに然程意味ないな感はある。

そして主義マットに応じて戦略を変えるということもほとんどない気がするし意味はあんのかな?感も否めない。
戦略って結局使用国によるところが大きい気がするし。。。
(ザクセンで農民プレイはしないだろうし。。)


そして考えるのをやめた。


続きは声があれば書きます。

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