コロナと結核
この1−2ヶ月で、コロナ感染は身近になりました。
どんなに予防に気をつけていてもかかる時はかかるようであり、それだけ感染しやすいウイルスであることは確かなのでしょう。
気になるのは、普段からお世話が必要な家族がいる人がかかった場合。
例えば母子家庭でお母さんが感染、発症した場合などです。
お母さんの方が入院せざるを得ない場合、小さい(乳児など)のこどもはどこで保育されるのか、、まだ会えていないのですが親になった身としては心配です。。
調べたところ自治体によっては様々な助成や宿泊施設の提供があるようですね。
さて、タイトルにあげたコロナと結核。
結核とは、結核菌という小さな細菌の感染症で、日本では意外と高齢者を中心に感染者が多いことが知られています。
主に肺に炎症を起こし、免疫の低下した方や以前かかったことのある高齢者を中心に感染が広がります。
昔から結核にかかると人は社会から隔離され、多くは街から離れた場所にある療養所に入り年単位の治療が行われました。
治療といっても結核に対する薬ができるまでは「転地療養」といって、きれいな空気を吸って日光を浴びることが治療、という時代が長く続いていたのです。
幸いにして結核は治癒しても、長い間社会から隔離された患者さんに戻る場所がなく、仕事もなく一生を療養所で過ごした方もいるそうです。
療養所では動物を飼育したり、俳句を詠んだり絵を描いたり、様々なことをして過ごしていました。
私が結核の歴史に多少詳しいのは、実は私の勤務先はもともと結核の療養所だからです。
元患者さん達が残した作品は今も病院内に飾られています。
都心から少し離れた場所にある私の勤務先の周辺は都内とは思えないほど緑が多く、空気もきれいで療養に適した環境です。
周囲の医療機関、施設も結核やハンセン病の療養をルーツとしたところが多いのです。
結核にもハンセン病にも、社会から隔離された患者さん達の悲しい歴史があります。
確かに感染症は人から人に移りえますが、それは感染力がある時の話。
患者さんから感染する可能性がなくなった時、速やかに隔離をやめ、社会に復帰できる温かさのある社会であってほしいです。
結核やハンセン病の差別という悲しい歴史をコロナでも繰り返さないよう、私たち一人ひとりの心が試されていると思います。