渡辺明の凄さ

渡辺明九段が王位戦の挑戦者に決まりました。

渡辺九段といえば、世間的には「藤井にいつも負けてる人」という印象かもしれませんが、実は藤井聡太が台頭する前は将棋界の第一人者でした。

渡辺九段の紹介と共にその凄さをお伝えできればと思います。


1.中学生棋士にして通算31期タイトル獲得

渡辺は加藤一二三、谷川、羽生に次いで史上4人目の中学生棋士です。(5人目は藤井聡太)
20歳で最高位とされる竜王を取る早熟の天才にして、通算31期タイトル獲得は谷川を超え史上4位の成績です。

また、竜王を取って以降、2023年に名人を奪われるまで、約20年間タイトル保持者でした。

これも羽生九段の約30年間タイトル保持には及びませんが、20年間も第一人者でいたという輝かしい記録です。

2.藤井以外の年下にタイトル戦で負けていない

一般的に棋士のピーク年齢は25歳と言われています。
年齢を重ねるにつれ、若手棋士に負けることが多いですが、渡辺は30代になってもタイトル戦で藤井以外には負けていません。
最近だと豊島、永瀬、斎藤慎太郎などにタイトル戦で勝っていました。(藤井には4つ全て取られましたが)

3.世間への発信力

通常、タイトルホルダーとなると発言は自ずと控えめになるものですが、彼は昔から臆せずに発言しています。
時にそれが騒動を生むこともありますが、大人しい棋士が多い将棋界において出色の存在です。

また、奥さんの伊奈めぐみが書く『将棋の渡辺くん』を通じて彼を知った方も多いのではないでしょうか?
旦那のことを忌憚のない目で描いているので、将棋を知らない方でもお勧めです。

・さいごに

本人も言っている通り、羽生と藤井の間の世代というのが、彼にとっては悲劇でした。
また、羽生世代のように同世代の棋士とタイトル争いをすることはなく、孤高の存在でした。

40になり、最近は衰えを感じさせる発言もありましたが、今回は見事にタイトル挑戦です。
藤井に分が悪いですが、1年ぶりのタイトル戦ということで頑張ってほしいです。


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