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プライベートブランドとしてのポジショニング①

前回の記事で、DRAMLADプライベートブランドの定義付けの第一歩としてセグメンテーションのプロセスについて書きました。

今回は、マーケットでの立ち位置をどのように決めていったのか、ポジショニングのプロセスについて書きます。

で、何がしたいの?

ポジショニングは、マーケットでの自社商品の位置付けや競合他社との比較など、様々なアプローチに基づいて決めていくので、複数の視点が必要になってきますが、DRAMLADでは次の3つからポジショニングを決めていきました。

① 価格帯と顧客層で自社商品をポジショニング
② 既存商品と競合比較でポジショニング
③ ブランドとして認知されるべきポジショニング

昨今、多種多彩なラベルのプライベートボトルが数多くリリースされている中で、自社のポジションを明確にすることは、競合との差別化の意味も重要ですが、何よりもウイスキー・プライベートブランドというビジネスを継続させていく強い意志を持つために最も重要なことです。

そして意志を持つだけではなく、それをマーケットに伝え続けていく意識を持ち続けなければ、そもそもこのビジネスを継続することは到底無理だと考えています。

「で、何がしたいの?」
という単純な問いを自問しながら、それを他者に尋ねられたときに答えられるブランドであるか。尋ねられるまでもなく認知されるブランドになれるか。これらを念頭にポジショニングを進めました。

価格帯と顧客層で自社商品をポジショニング

DRAMLADでは、自社商品を3種類のレンジでセグメントしました。

簡潔にポイントだけを書くと、このようになります。

● エントリーモデル
熟成10年以下程度の手に取りやすい価格帯。
短熟であるが故に今のウイスキーの個性が分かりやすい。

●メインモデル
10年以上〜18年・20年程度の熟成。
12,000円〜20,000円程度と予測。
自社の顔となり、幅広い蒸溜所やヴィンテージをリリースしていく。

● ハイエンドモデル
長熟で納得できる良質なカスクが見つかり次第。
20,000円以上、アベレージ25,000円〜30,000円付近の予想だが、高価格帯というより高付加価値な商品であること。
トップクラス蒸溜所であれば20年以下も視野に。

この3種類のレンジを、価格帯と顧客層を軸にして配置してみると下の図のようになります。

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※ 前回の記事で、エントリーモデルを例に挙げて「エントリーモデルは、エントリーユーザーやライトユーザー向けだけの商品ではない」と書きましたが、それはポジショニング以降に決めていったブランドコンセプトの話です。ここでは価格帯と顧客層の単純な2軸でのポジショニングについて書いています。

3種類のレンジを配置してみると、DRAMLADの商品群のメインとなるであろうポジションが見えてきます。

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これを文章にするとこうなります。

メインモデルがコアとなり、ある程度ボトラーズの知識と経験を持っている層がメインのターゲットとなるボトルをリリースしていく。価格帯は10,000円〜20,000円程度のラインと想定。競合商品よりやや低い価格帯のため、プライベートブランドとしての購買ハードルは低めだが、それ故に、より高品質であることが強く求められるだろう。

こうして、価格帯と顧客層で自社商品をポジショニングしました。これは、あくまでも自社商品の3種類のレンジを主観にして、想定される価格帯と顧客層から設定したものです。

次回は、既存商品と競合比較でポジショニングについて書いていきます。

ウイスキー片手に読んでいただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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