DRAMLAD & Co.

ウイスキー・プライベートブランドDRAMLAD & Co.の代表が、自社ウイスキーブランド立ち上げまでのプロセスや自社ウイスキーに関する話、輸入者の立場から見たスコッチウイスキー市場の雑感などを書いています。www.dramlad.co.jp/

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ウイスキー・プライベートブランドDRAMLAD & Co.の代表が、自社ウイスキーブランド立ち上げまでのプロセスや自社ウイスキーに関する話、輸入者の立場から見たスコッチウイスキー市場の雑感などを書いています。www.dramlad.co.jp/

最近の記事

新しいサプライヤーと、そのメリット・デメリット

前回の記事「ボトラーズの少しだけ深い話」で、ボトラーズの様々な流通経路について書きました。 いずれの流通経路にしても、消費者にお届けする販売価格に繋がる話です。原酒高騰化の昨今、品質と適正価格のバランスを維持することは、従来以上に大きな課題となっています。 そんな中で、ここ数年で新しい流通が見られるようになりました。それはブローカーやボトラーズとインポーターとの間に、二次販社とも言える新しいサプライヤーが現れたことです。 この記事では、新しいサプライヤーがどのような業態

    • ボトラーズの少しだけ深い話

      ご存知の通り、スコットランドには多数のボトラーズが存在しています。この記事では、実際に見てきたボトラーズの様々な業態について触れ、ボトラーズの商品やプライベートボトルの保管方法と流通経路について書いていきます。 一般的に日本で広く知られているボトラーズの業態は、概ね以下の通りです。 ① 各蒸溜所から原酒を買い付け、 ② 自社の熟成庫で貯蔵・熟成させ、 ③ 自社の瓶詰施設でボトリングして、 ④ 自社のオリジナルラベルを貼って販売する業者 特に、②と③がボトラーズの大前提で

      • サンプルとボトルの味が違う?その推測の1つを簡単に説明します

        私達DRAMLADのテイスティングチームによって選び出されたサンプルが、スコットランドでボトリングされて日本に輸送され、ようやく手元に届いた時、期待と安心、そして少し緊張感が入り混じりながら、必ず1本開栓して状態の確認をしています。 ボトルが届いたら必ず確認していること確認しているのは、主にサンプルとの差異です。 サンプリングをした際の、テイスティングチーム全員の評価のデータを見ながら、大きな差異が無いかどうかを確認しています。 実は、サンプルと実際のボトルの香味が異な

        • スコッチウイスキーのラベル規定ー【後半】規定遵守と新しい価値の創造

          前回の記事で、スコッチウイスキーのラベルについてプライベートラベルを作る際の規定「Scotch Whisky Association - The Scotch Whisky Regulations」を簡潔に紹介しました。 この記事では、この規定が何のためにあるのか、日本でも守らなければいけないのか、これまでのNG事例は何か、規定を遵守しながら新しい価値は創造できるか、といった内容について書いていきます。 ラベル規定は何のためにあるのかスコッチウイスキーのブランド保護と消費

          スコッチウイスキーのラベル規定ー【前半】概略と解説

          もし、皆さんがオリジナルのラベルでウイスキーをリリースする機会があったら、どのようなラベルを作りますか? アーティスティックなラベル、スタイリッシュなラベル、トラディッショナルなラベル、和風なラベル、今までに無い新しいラベル…。 形状は長方形なのか、楕円形なのか、セパレートなのか、部分的にくり抜きするのか…。 自分が思い描く理想のラベル。 想像するだけでも楽しいですね。 スコッチウイスキーには厳格なラベル規定があるスコッチウイスキーの場合、スコットランドでラベルを貼る際

          スコッチウイスキーのラベル規定ー【前半】概略と解説

          ウイスキーの自社輸入で注意していること

          DRAMLADは、リリースしている全てのウイスキーを自社輸入しています。 この記事では、ウイスキー輸入の流れを簡単に触れながら、特に注意を払っている点を書いていきます。 現地取引先との交渉まずは、スコットランドの取引先にカスクサンプルの依頼をします。全てはここからです。 DRAMLADで依頼する場合、どういう蒸溜所で、どのようなスペックが良いか、なぜそれが欲しいのか、具体的な資料を作成して依頼しています。 例えば、欲しい蒸溜所をリストアップしたら、それぞれヴィンテージ

          ウイスキーの自社輸入で注意していること

          ウイスキーについてトラディッショナルであること

          DRAMLADは、ウイスキーについてトラディッショナル(伝統的)であることを重要視しています。 ホームページで私達のヴィジョンとして掲げている"Discover New, from Tradition"の説明の中で、ウイスキーの歴史と伝統への解釈を書いていますので、ご一読いただければ幸いです。 その上で、なぜウイスキーについてトラディッショナルであることを重要視しているのか、補足的な説明を書いていきます。 革新の蓄積が伝統となる"Discover New, from T

          ウイスキーについてトラディッショナルであること

          社名とロゴを決めていった話

          DRAMLADという社名は造語で「1杯のウイスキー」を指す"A dram of whisky"の"Dram"と、スコットランドで男性が「古い親友、気の置けない親友」に対して使う"Lad"を組み合わせました。ほぼ直訳すると「ウイスキー好きな男」です。 DRAMLADは合同会社ですので、本来であれば英語表記は"DRAMLAD LLC"とするところではありますが、前述のようにDRAMLADそのものが人を指すので"& Co."としました。 社名とロゴに込めた想いほぼ直訳の「ウイス

          社名とロゴを決めていった話

          チームであるということ

          私達DRAMLADがリリースするウイスキーは、全てテイスティングチームによって選ばれています。このチームが選ぶカスクこそがDRAMLADの心臓であり、テイスティングチームこそが最も重要な責務を担っています。 また、テイスティングチームが高品質なカスク選定を行えるための海外折衝や、適切な時期にリリースするための輸入実務、実際にリリースしていく際のプロモーションのサポートなど、下支えの役割となるメンバーもまた重要な責務を担っています。 今回の記事では、なぜDRAMLADがチー

          チームであるということ

          プライベートブランドとしてのポジショニング③

          前回、前々回に続いて、DRAMLAD立ち上げの際に定義したポジショニングの記事です。今回は「ブランドとして認知されるべきポジショニング」について書いています。 一連の記事は下記のリンクからご覧ください。 「ブランドとして認知されるべきポジショニング」と言っても、例えば、高級志向なのか庶民的なのか、知性的なのか遊び心溢れるのか、業界や扱う商品によってマッピングのバリエーションが違ってきますので、なかなか事例を参考にするのが難しいところですね。 海外ボトラーズの事例ー3つの

          プライベートブランドとしてのポジショニング③

          プライベートブランドとしてのポジショニング②

          前回の「価格帯と顧客層で自社商品をポジショニング」の続きです。 今回の記事では、「既存商品と競合比較でポジショニング」していったプロセスについて書いています。前回の記事は下のリンクからご覧ください。 既存商品と競合比較でポジショニングDRAMLADがリリースしていくウイスキーはシングルモルト・スコッチウイスキーがメインです。 ですので、シングルモルトに限ってウイスキーの特性を大きくオフィシャルとボトラーズに分け、それぞれが一般的に普及されている普遍性の高い定番商品なのか、

          プライベートブランドとしてのポジショニング②

          プライベートブランドとしてのポジショニング①

          前回の記事で、DRAMLADプライベートブランドの定義付けの第一歩としてセグメンテーションのプロセスについて書きました。 今回は、マーケットでの立ち位置をどのように決めていったのか、ポジショニングのプロセスについて書きます。 で、何がしたいの?ポジショニングは、マーケットでの自社商品の位置付けや競合他社との比較など、様々なアプローチに基づいて決めていくので、複数の視点が必要になってきますが、DRAMLADでは次の3つからポジショニングを決めていきました。 ① 価格帯と顧

          プライベートブランドとしてのポジショニング①

          プライベートブランドとしてのセグメンテーション

          ウイスキー・プライベートブランド・カンパニーとして、DRAMLADがブランドとしての「価値」を示し、共感や信頼を得るために存在理由を明確に示す必要がある上で、DRAMLAD事業構想の段階でブランディングとマーケティングの調査・分析を行い、ブランドとしての定義付けをしました。 そのプロセスにおいて、最初に取り掛かったのがセグメンテーションとポジショニングです。 ブランディングの第一歩としてはセオリー通りではありますが、今回は実際に行ったセグメンテーションについて書いています

          プライベートブランドとしてのセグメンテーション

          そもそもウイスキー・プライベートブランドとは何か?

          DRAMLAD(ドラムラッド)は、ウイスキー・プライベートブランド・カンパニーです。"ウイスキー・プライベートブランド"・・・この、分かるような分からないような、何やら馴染みのない言葉を何故DRAMLADが称しているのかを書いていきます。 ※DRAMLADの商品はシングルモルト・スコッチウイスキーですので、全てスコットランドをベースに書いています。 DRAMLADはボトラーズなのか厳密な定義付けをするならば、DRAMLADはボトラーズではありません。非常にざっくりと書きま

          そもそもウイスキー・プライベートブランドとは何か?

          【自己紹介】DRAMLAD & Co. - ウイスキー・プライベートブランド・カンパニー

          DRAMLAD & Co.(ドラムラッド)です。 私達は、プロフェッショナル・チームが真摯に選び出す良質なウイスキーをご提供していくウイスキー・プライベートブランド・カンパニーです。 DRAMLADのチームは、ウイスキーの輸入・流通・マーケティング実務の経験者と、海外在住で現地スコットランドのウイスキー業界経験者、ウイスキーに精通しているバーテンダー達、酒類業界関係者によって構成されています。 チームの略歴については、こちらをご覧ください。 私達は、ウイスキーの歴史と

          【自己紹介】DRAMLAD & Co. - ウイスキー・プライベートブランド・カンパニー