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#71 フルーツ宅配便(2018)-デリヘル界に光を当てた名作

HP紹介文

東京で勤めていた会社が倒産し、社宅も追い出され、仕方なく地方都市の故郷へ戻ってきた主人公・咲田真一(濱田岳)。昔よく通っていたラーメン屋で、強面で謎の多い男・ミスジと再会。ミスジは咲田に自分の仕事を手伝うように勧め…流されるままに引き受けてしまう咲田だが、その仕事とはミスジがオーナーを務めるデリヘル「フルーツ宅配便」の雇われ店長だった。
ひょんなことからデリヘルの店長になってしまった咲田の運命は!?
デリヘルに集まる女性たちの人生とは…

私的には『原作<実写』

深夜枠とはいえ、デリヘルに光を当てるなんて力業、テレ東でないと無理でしょうね。Uターンで故郷に戻りデリヘルの運転手を務める主人公、様々なバックグラウンドを持つデリヘル嬢、デリヘルにハマる多様な客(反社込み)が複雑に絡み合う、切なさが溢れかえった名作です。

原作を超えるキャスティングの妙①

純粋無垢な運転手・咲田に濱田岳、デリヘル大好き親友・小田に前野朋哉、不幸な人生を歩んできた幼馴染のデリヘル嬢・本橋えみに仲里依紗、(原作ではムキムキの)フルーツ宅配便オーナーに松尾スズキ、おにぎり大好き&怪力運転手・マサカネくんに荒川良々。いずれも原作のキャラの魅力を超えていました。特に、本橋えみに寄り添い、ブラック店から救い出そうとする咲田のひたむきな姿に心を打たれました。

原作を超えるキャスティングの妙②

様々な人生を背負いつつ、自分のため、家族のために必死に働くデリヘル嬢の役者さんも個性的でした。登場場面は限定されていますが、みかんさん(徳永えり)、いちごさん(山下リオ)、レモンさん(北原里英)、ユズさん(内山理名)、モモさん(成海璃子)、サクランボさん(筧美和子)、ブルーベリーさん(中村ゆり)、カボスさん(松本若菜)等、すご過ぎませんか?個人的には、ドラッグ依存を止められず、娘を母親に託して出頭するブルーベリーさん(第8話)が泣けました。

最終回は一転、シリアスかつ爽快な展開

反社のボス(田中哲司)に拉致された本橋えみ(仲里依紗)を救い出すくだりで、絶体絶命追い込まれた咲田(濱田岳)を救うために大暴れする怪力マサカネくん(荒川良々)の活躍にスカッとしました。ラストは、東京時代の上司からの誘いを断った咲田がいつものようにデリヘリ嬢を乗せてホテルまで車を走らせるシーンで終わります。余韻と感動が入り混じったすばらしい幕引きでした。


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