#49 トクサツガガガ(2019)-特撮ヲタクに生きる希望を!
NHK紹介文
商社勤めのOL・仲村叶(かの)は特撮をこよなく愛する隠れオタク。母はもちろん、職場の同僚たちにも特撮オタクであることは一切秘密だ。そんな仲村は日々の生活の中でさまざまなピンチに陥る。すると、突然、仲村の脳内が特撮モードに切り替わり、彼女にしか見えない特撮ヒーローが現れ、次々にピンチを切り抜けていく。日常生活で直面する「あるある!」な壁に葛藤しつつも前向きに奮闘する仲村の姿を描くコメディードラマ。
ちょっと違うんだよなぁ
上の紹介文に違和感あり。合っているのは1行目の「特撮をこよなく愛する隠れオタク」くらいかな?確かにピンチは次々と訪れますが、コメディドラマというよりも、自己肯定感の弱いオタク3人衆が寄り添いながら、好きなものを好きと言えるようになるプロセスが描かれたドラマだと思います。
ひとつめの「ガ」、小芝風花
「女の子らしくあるべき」という毒親(松下由樹)の偏愛から抜け出すべく必死にもがく主人公・仲村叶(小芝風花)に好感が持てました。小芝風花さんの魅力は、内面を抑え込んだ役柄やぶっ飛んだ役柄のような、極端なふり幅にあると思います。
ふたつめの「ガ」、倉科カナ
高性能カメラを駆使して特撮ショーで写真を撮りまくる34歳オタク女子・吉田久美(倉科カナ)も魅力的でした。ひょんなのことから主人公・叶とコンタクトを持ち、ショーのたびに叶の同士として力強くふるまいつつ、オタクのコンプレックスから抜け出そうとするコミカルな姿が印象的でした。
みっつめの「ガ」、木南晴夏
不愛想でコミュ症のアイドルオタク・北代優子(木南晴夏)もいい味を出していました。2023「セクシー田中さん」でもその演技力には折り紙付きですが、単純に名バイプレーヤーというフレーズで片づけてしまうには惜しいくらい、「多様性」「マイノリティ」「変人」を演じさせたらNo. 1ですね。
年齢・性差を問わず「好きなもの」を主張できる爽快さ
このドラマの良さはココに尽きます。漫画、アニメ、特撮、高校野球、地下アイドルのように、年齢や性差によっては「偏見」を持たれがちなジャンル好きの人に市民権を与えたという点で、このドラマの功績は大きいと思います。なにかと打ちひしがれがちな主人公・叶に特撮の奥深さを伝える師匠・ダミアン(寺田心)の存在感も大きかったですね。