#159 六秒間の奇跡(2024)-こじらせ花火師・高橋一生を深掘りしたS2
TVer 紹介文
こじらせまくりな花火師の憂鬱を描く “ファンタジーホームコメディドラマ”が再び! コロナ禍も落ち着き、ようやく花火大会が行われ、星太郎もひかりもあわただしい日々を送っていた昨年の夏ですが、それ以降、ある理由から、航から5代目を継いだはずの星太郎は自堕落に過ごして自室に引きこもり。望月煙火店は、開店休業状態に。星太郎をよそに、ひかりは他店を手伝い、花火職人としての技術をより磨いていましたが、そんな最中、2人の前に久しぶりに航が現れて…。星太郎と航の口げんかがきっかけとなって、望月煙火店は廃業の危機に!?ピンチに直面する望月煙火店に、突然、謎の女性・野口ふみかが訪れます。彼女は星太郎に弟子入り志願をするばかりか、なんと、唐突にプロポーズをして?やがて、独身花火師×美女2人、再び現れた父の幽霊とひとつ屋根の下で暮らすことに!? はたして?
脚本・橋部敦子✖主演・高橋一生
と言えば、「僕らは奇跡でできている」。コミュ症の主人公を柔らかい光で包み込む作風が特徴的。S1では、花火師稼業と向き合えないコミュ症の星太郎(高橋一生)、霊魂となって現れた父親(橋爪功)、霊魂と話せる居候の事務職員・水森ひかり(本田翼)の絡み、そして、離婚のために幼い星太郎(高橋一生)と生き別れた母親(原田美枝子)との再会が軸でした。みなさん個性的でしたが、とりわけ、思ったことをすべて口にして星太郎をたじろがせる水森さんの存在感が際立っており、本田翼さんの個性とシンクロしていました。私にとって水森さんは事実上の主人公でした。
宮本茉由加入で星太郎の個性を深堀り(S2)
S2では、ライバル花火店の娘・の野口ふみか(宮本茉由)の弟子入り&居候が契機となって、星太郎が花火師へのこだわりを自覚する過程が丁寧に描かれます。食卓を霊魂込みの4人で囲み、霊魂が見えない野口さんに水森さんが霊魂の考えを伝達し、4人で花火について語り合うシーンが実に自然でした。優勝を狙った花火大会では、寝返った野口さんに優勝を奪われたうえ、3位に転落しますが、極秘にしていた花火のレシピをネットに公開する星太郎の姿に「グローバル化」の意義を痛感させられました。実に今風です。
名物シーン
と言えば、次回予告の前の縁側シーン。霊魂となったお父さんが番組に寄せられた質問にアドリブ(?)で答えるシーン。背景は、お父さんを無視するかのようにダラダラする星太郎、水森さん、野口さん。柔らかさを突出させた名物シーンでした。
続編はあるか!?
今振り返ると、ストーリよりも空気感に癒されていたように思います。改めてタイトルを見返すと、「2番目の憂鬱」とあるので、これはひょっとして3番目もあるか!?と期待を抱いています。
楽曲はS1の勝利
どちらともケツメイシですが、S1の「夜空を翔ける」がこのドラマの世界観に合っていたように思います。S2の最終回では前半部で、久々にフルで流れましたが、S3以降も「夜空を翔ける」で突き通して欲しいところです。