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#3 わたしの一番最悪なともだち(2023)-2023年の一番推しドラマ
月~木、10:45~11:00、24週~32週続く、NHK帯ドラの一作品です。このほかにも、「卒業タイムリミット」や「あなたのブツが、ここに」などの名作がありましたが、このドラマも負けず劣らず、印象に残る秀作でした。
自分に自信を持てず、幼馴染のMIHARU(高石あかり)へのコンプレックスが強く、就職活動に行き詰ったときに、エントリーシートに幼馴染のエピソードを記載したところ、とんとん拍子に人生が好転したことで逆に罪悪感に苛まれることになった主人公HOTARU(蒔田彩珠)の葛藤を地味に描いたドラマです。
このドラマの良さは3点あります。まず、何といっても、蒔田彩珠さんの演技力の高さです。地味で暗く、変わることへの不安に押しつぶされそうな人格や、徐々に変わっていく心理が見事に体現されていました。
また、幼馴染の高石あかりさんの底抜けに明るい演技(前半~中盤)や、主人公へのコンプレックスや何かと支配的な兄に縛られる窮屈さなど、ドラマの終盤で見せたギャップ感が見事でした。
最後に、ふたりをつなぐクリーニング店主の市川実日子さんの演技も珠玉でした。要所要所で登場し、クリーニング屋の一室でふたりのこだわりを解きほぐすシーンに癒されました。特に、31話のセリフ(私はずっとここにいるから)からは『居場所』が示唆されており、強く刺さりました。
このドラマに事件性は一切なく、誰もが持ちうる葛藤が描かれているだけでした。派手さがなく、あまり評判にはなっていませんが、「若いころに見たかったなぁ」と思わせる、郷愁の漂うドラマでした。最終回、エンディングテーマ(HOTARU&MIHARU)とともに流れたシーン(遊園地でふたりが楽しんでいる場面)も印象的でした。