#27 古見さんは、コミュ症です。(2021)-コミュ症がいるから学校はおもしろいのだ!
原作の漫画・アニメに比べ、ドラマの知名度ははあまり高くありませんが、ややもすると自己嫌悪に陥りがなコミュ症の「優しさ」に光を当て、多様で不器用な高校生が「つながり」を深めるプロセスをコミカルに描き、「学校は友だちをつくるところ」というメッセージが伝わる温かいドラマでした。
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誰もが振り向くほど美しい女子高校生・古見さんは、実は人と話すことがほとんど出来ない悩みを抱え続けている。高校生活スタートの初日、古見さんは、平凡で小心者の男子同級生・只野くんと急接近。二人は、ある途方もない目標に向かって、ぎこちなくも健気な一歩を踏み出すのであった。
振り切れたキャスティング
このドラマでは、様々な年代の役者さんが学生服を着て、全力でコミュ症の高校生を演じられます。私はストーリーそっちのけで、役者さんの振り切れた演技にのめり込んでしまいました。以下、中心人物を紹介します。
挙動不審の主人公・只野仁人(増田貴久)
池田エライザ感を完全に消した美少女・古見硝子(池田エライザ)
情緒不安定の山姥ギャル・万場木留美子(吉川愛)
小心者で不登校の金髪ヤンキー・片居誠(溝端淳平)
謎のスカート男子・長名なじみ(ゆうたろう)
ぶっとんだナルシスト転校生・成瀬詩守斗(城田優)
中盤で片居が退場し、成瀬が登場しますが、ドラマのテーマは首尾一貫して「ともだちづくり」でした。コミュニケーションが捗らない時に限って現れる「長名なじみ」の助言で、みんなの関係性がほぐれていきます。なじみの風貌は、第1話から一貫してスカート男子なのですが、「なぜスカートなのか?」が一切触れられないまま、自然に展開していくところが、このドラマの良さなのだと思います。みんなで花火を楽しむシーンには泣けました。