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#60 僕らは奇跡でできている(2018)ー前半はほのぼの、後半はボロ泣き

HP紹介文

動物行動学を教える大学講師・相河一輝は、生き物のことや自分が気になることについて考え始めると没頭してしまい、時に人を困らせ苛立たせる“変わり者”。しかし、常識や固定観念に捉われない一輝の言動は、周囲の人々の価値観を大きく揺さぶり、好きなことに夢中になっていた頃の純真無垢な気持ちを思い出させてくれる。ついつい自分を他人と比べてしまうすべての人に贈る、コミカル・ハートフルドラマ!

そうなのかな?

ドラマの核心を突く紹介文は少ないなぁと実感。私見では、このドラマの主人公・相河一輝(高橋一生)は、ADHDまたは自閉スペクトラム症。いったん集中し始めたら周りが見えなくなり、誰に対しても本音トークで臨むため人付き合いが苦手だが、真正直で純粋な性格に癒された人々が優しさを取り戻し、さらに、彼を温かく受け入れていく優しいドラマですね。

前半はハートフル

一輝を大学講師として受け入れる(小林薫)、生みの母親であることを隠し家政婦に徹する女性(戸田恵子)、一輝の良さを誰よりも知る祖父(田中泯)、一輝のことが妬ましく、つい対立してしまう研究員(要潤)、無心にアリの研究を続けるだけの研究員(児島一哉)など、優しいキャラが多い中、最も目を引いたのは、偏った価値観を一輝にひっくり返されて、人間味を取り戻していく歯科医・育美(榮倉奈々)ですね。森林の中の架け橋を通って別世界に渡っていくリスをふたりで見つめるシーンが前半の山場です。

後半の山場は第7話

人と同じことができなくて、母親(松本若菜)から叱責される虹一(川口和空)をかばう一輝(高橋一生)の言葉に涙が止まりませでした。苦しかった幼少期の思い出を語りつつ、母親に「虹一くんの凄い100のこと」を説明するのですが、「朝起きれる」とか「歯磨きできる」とか、誰にでもできるふつうのことばかりに焦点を当てるのです。子供のころ、当たり前のことができなかった一輝ならではの発想ですね。育美にも「凄い100のこと」を説明する場面があり、涙をこらえながら聞き入る育美の笑顔が印象的でした。

一輝と虹一

そう考えるとHP紹介文は正解

このドラマの魅力は、ついつい自分を他人と比べてしまう人の価値観を変えてしまう一輝の個性であり、この難役をこなした高橋一生さんは天才だと思います。「天国と地獄」で綾瀬はるかさんと入れ替わった演技をはるかに凌ぐ演技に惹かれました。ぜひ、第7話だけでも見てください。

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