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#99 軍師官兵衛(2014)-真田丸と並び2000年代を代表する戦国大河
NHK紹介文
戦国時代の三英傑に重用されながらも、あり余る才能のため警戒され、秀吉には「次の天下を狙う男」と恐れられた希代の天才軍師・黒田官兵衛。群雄割拠の戦国を生き抜き“生き残りの達人”とたたえられた官兵衛の鮮烈な生涯と乱世の終焉を描いた。
司馬遼太郎ミックス!?
ドラマの原作は脚本家・前川洋一さんによる「軍師官兵衛」ですが、実際のストーリーは、秀吉没までは「播磨灘物語」を、秀吉没後は「関が原」を参照しているようなイメージがあります。よって、前半部では播磨エリアでの自立から有岡城での苦闘までが、後半では九州から国家統一を目指す破竹の勢いが生き生きと描かれています。
黒田ファミリー
黒田官兵衛役に岡田准一を充てたのはヒットですが、そのほかのキャスティングも見事でした。特に、官兵衛若かりし頃の黒田家当主(柴田恭兵)、正室(戸田菜穂)、官兵衛の正室・光(中谷美紀)、父・官兵衛とぶつかり合う息子・黒田長政(松坂桃李)など、官兵衛ファミリーは最高でした。照福院(中谷美紀)の語りによるラストシーンも印象的でした。
敵役のキャスティングもキレッキレ
青年・官兵衛を苦しめた敵役と言えば、まずは小寺政職(片岡鶴太郎)でしょう。欲と権力にまみれ、黒田家を罠に陥れ、最後は落ちぶれる嫌味で赤鼻の城主は最高のヒールでした。毛利勢に裏切られ、志方城で自害に追い込まれた光(てる)の兄・櫛橋左京進(金子ノブアキ)も凄みがありました。前半部の立役者は何といっても、有岡城城主・荒木村重(田中哲司)でしょうね。天下統一に目がくらみ、信長(江口洋介)に抗いつつ、盟友・官兵衛を幽閉するも、最後は秀吉(竹中直人)から追放の憂き目に遭う薄幸ぶりが際立っていました。
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キャスティングは難しい(1)
軍師官兵衛を支える3人衆のキャスティングには少し違和感を覚えました。老後も童顔のままの軍師・栗山善助(濱田岳)、老後もイケメンのままの槍の達人・母里太兵衛(速水もこみち)、最初から最後までほとんどセリフのない井上九郎右衛門(高橋一生)が残念でした。「高橋一生にもっとしゃべらせろ!」と感じていたのは私だけなのでしょうか?
キャスティングは難しい(2)
淀君と秀頼の組み合わせは難しいですね。以下、この10年の大河ドラマの組み合わせです。
・江(2011) 宮沢りえ&仲野太賀
・軍師官兵衛(2014) 二階堂ふみ&葉山奨之
・真田丸(2016) 竹内結子&中川大志
淀君なら宮沢りえさん、茶々姫なら二階堂ふみさん、秀頼の母親なら竹内結子さん推しです。理想通りにはいかないものです。残念。