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自転車を活用した観光の促進に関する研究

 2023年、12期生の石原恵里菜、辻楓、辻田健人、藤岡令帆の4人は、京都市における観光客の一極集中による混雑を緩和するため、自転車を活用した観光を促進し、それに伴う無人での自転車貸出しを行うシェアサイクルの利用を促進することを主な目的とする「京都自転車観光のススメ――SDGsにつながる新たな『3K』へ」という論文をまとめました。

フィールドワーク
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論文要旨

 本研究は、京都市における観光客の一極集中による混雑の緩和と、それに伴う無人での自転車貸出しを行うシェアサイクルの利用促進、および交通安全の強化を主な目的とする。
 世界的に有名な観光都市である京都市では、観光客が市バスに乗車する比率が高く、これが市民の足を奪っているという現状が問題となっている。このオーバーツーリズムによる問題に対処するために、自転車を活用した観光を促進させることが考えられる。さまざまな手段を使って観光を楽しんでもらうことで、京都市が抱える観光の問題を緩和する一助となるだろう。
 以前にも自転車観光が京都で取り上げられたが、その普及は限定的だった。その要因として、当時はスマートフォンやGPSが身近な存在ではなかったことが考えられる。しかし、現在では日本国内におけるスマートフォンの普及率が96.3%に達し、訪日外国人観光客もほとんどスマートフォンを持参している。通信やインフラの整備が大幅に整った現在の京都で、改めて自転車を活用した観光の促進が可能となった。
 私たちは観光、環境、健康の「3K」を軸に掲げ、これらの側面から自転車観光が持続可能な社会を実現するSDGsの目標に貢献できると考えている。「環境」の面では、自転車は公共交通機関から発生する二酸化炭素を出さないため、自転車観光は環境への負荷を軽減し、持続可能な観光の実現につながる。「健康」の面では、観光客が自転車を使って観光地を巡ることは公共交通機関を利用するよりもエネルギーを消費し、自然な形で運動ができ、健康増進につながる。
 これに加えて、音声ガイド付きヘルメットの導入により、「安心・安全」な観光体験を提供し、ヘルメット着用率を向上させる効果がある。このように、自転車観光を通じてより多くの観光客に京都の魅力を知ってもらいたい。

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