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チボリの水 @15

大熊には叔母の家があり、小さい頃から休みのたびに遊びに行ってた大好きな場所だ。浦上で岩崎バスを降りて、小学生の僕は三つ上の姉と一緒に大熊まで20分~30分くらいの道のりを歩いて叔母の家に行っていた。

大熊はもうだいぶ前に区画整備されて、あの頃の面影はぜんぜん残っていない。でもやっぱり僕は大熊が大好きだ。その大熊の旧道に入る手前にチボリの水がある。

古来より涸れることなく水が涌き出ている。その水は清んで冷たくそして輝いている。それを飲むと長寿になり子宝に恵まれるという。人々はその水を壺に入れてありがたく頂いていた。だから「チボリの水」

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背後の大きなガジュマルの枝が、まるでそこを守るように覆い被さっている。そう、ここは古来より聖地なのだ。

手に掬い、そしてその水をひと口飲んでみた。普通の水だった・・笑(よい子はまねしないでね。生水なので沸騰させてから飲みましょう) でもかすかに甘い味がした。大昔はもっと甘かったんだろうね。

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