★桃太郎伝説
俺は桃太郎と命名されたヤクザなんだがあるとき羊や馬、たぬき、鶏などを引き連れて鬼ヶ島に上陸した。羊に「親分、鬼ヶ島の財宝を略奪しましょう」と熱心に誘われたからだ。
鬼ヶ島にはたくさんの鬼がいた。それらをすべて虐殺だ。鬼はあちこちから盗んできた大量の金品を倉庫に保管していた。それをすべて略奪したのである。なお、倉庫のドアのパスワードは1102(いいおに)であった。実に単純だ。
俺は鬼ヶ島を桃ヶ島と改名し、帝王として君臨した。全国から美女を連れてきて性交三昧である。奴隷を用いて桃のジュースを生産して全国で販売し、巨利を得た。
そしたらあるとき、桃次郎という勇者現れ、俺の島を奪おうとした。俺たちはかなり劣勢だったが辛うじて彼らを撃退した。
次は桃三郎が攻めてきた。これまた苦戦したがやっと撃退した。次は桃四郎。全くキリがない。
俺は意を決して核ミサイルのスイッチを押し、島を木端微塵にした。結局、島が、というより財宝があるから争いが起こるのだ。富は大事だが過剰な富の蓄積が争いの原因になると悟った。価値あるものを持っているから泥棒が来るのである。
俺は現在ホームレスになり東京都から生活保護の給付を得て赤羽の公園でひっそりと暮らしている。俺はやっと戦争から解放された。