★宇宙旅行
今日は午後からいつものロケットに乗って月へ。3年前、月に出店したラーメン屋の視察だ。立ち上げ当初は毎週行っていたが、最近は店の一切を店長に任せているため、年に数回、訪問する感じ。
月までの料金は片道一万円である。10年前は1,500万円ぐらいだった。宇宙旅行はずいぶん安くなりましたな。
毎週毎週、ロケットに乗ってあちこちの星に出張している。商売は主に飲食店だが、火星では足つぼマッサージの店などもやっている。
金星では、「イマイチ」というカレー屋を多店舗展開している。味はイマイチだが、200円なので誰も文句を言わない。
来週から月で居酒屋をオープンする。地球がよく見える場所に格安物件があったのですぐに契約した。
人類は安いコストで宇宙空間を移動できる技術を開発したことにより、以前と比べ、飛躍的に移動空間が伸びた。
地球以外の星に住む人々が増え、地球の人口が5年間で半減した。いま、月の人口は20億人くらいかなあ。地球に戻らず、ずっと月に留まる人々も増えたようである。
宇宙空間を、部分的にではあるが支配できるようになって、人類の閉塞感と言えばいいのか、先行き不安、という意識がずいぶんと払拭された。無限の自由を手に入れた、というような錯覚、あるいは幻想。
幸せという感覚、感情を味わうためには、錯覚とか幻想、あるいは小さな希望の物語が有効なのかもしれない。