★野球愛好者(8)
桑田投手はPL学園→巨人→大リーグ、という経歴ですね。たいへん高評価の投手です。清原とはPL時代からの同級生で、清原のプライベートが乱れていたときは友人として直球で忠告をしたと聞いています。しかし清原はそんな桑田が疎ましく、徐々に二人は疎遠になります。清原が逮捕されたとき桑田はかなり複雑な気持ちだったと思いますね。
桑田は非常にストイックな性質で真面目に練習し、自分の投球術をひたすら磨きました。引退後、大学院に入学し、さらに野球を研究しました。
彼の言葉で印象的なのは「キャッチボールと打撃はポイントが同じ」、です。ボールをキャッチするときちゃんとグローブの中心で捕る練習をすれば打撃のときヒットを打てるようになる、と。要は球をよく見て芯を捕らえろ、ということなんでしょうね。
野球界の体罰、暴力の問題、野球選手の喫煙の問題についても彼は厳しい批判をしています。長らく桑田を見てきましたが、彼は修行僧みたいなものです。もしかしたら清原から見ると煙たい存在だったのではないか。
桑田が監督になれないのは、人心掌握の技量が足りないからではないでしょうか。清濁併せのむという言葉がありますけど桑田の場合は濁を拒否する感覚が強すぎるような感じがします。若い頃、あれこれトラブルに巻き込まれ、悪いイメージが出来てしまった、という不幸もあります。
投げてよし、打ってよし。彼は野手としても成功した選手じゃないですか。守備も非常に上手い、長打力がある。甲子園で彼がピッチャーフライを処理してトリプルプレーをやったとき、世の人々は桑田の守備力が尋常ではないことを改めて感じたのではないでしょうか。投前の小フライに飛び込んで捕球し、すぐさま二塁に送球してアウト、二塁から一塁に送球され、一塁ランナーもアウト。実に見事なトリプルプレイでしたね。
僕は彼の本を読み、この人は野球に対してずっと真摯に向き合ってきた人なんだな、と思いました。とにかく真面目な人です。彼はある意味、完璧過ぎるんですよね。一部の選手は息苦しさを感じるのではないか。一方の清原はいろいろ壊れています。(笑)
桑田が指導者としてどこまで成長できるのか、僕はたいへん興味深く見ています。