★国語教師(81)
今朝は図書館に行き来週「知能開発」で使う教材探しをしました。まずは新聞各紙です。図書館には読売、朝日、毎日、サンケイ、日経が置いてあります。日経新聞は政治経済が得意でない僕にはハードルが高い新聞で、記事の七割はよく理解できません。(笑)
今朝の読売新聞にたいへん興味深い投稿がありました。
【30代後半、無職の女性。年金生活の母と賃貸アパートで暮らしています。
両親に、30歳までは好きなことをしていいと言われ、高校卒業後、アルバイト生活をしてきました。父が健在で母もパートで働いていた頃は、長い間、無職でした。「働きなさい」と非難されることもなく、甘えた生活をしていました。
小学生の頃、窃盗を繰り返し、その後も親を裏切ってきた私を、両親は見放さず育ててくれ感謝しています。今までのことを謝罪できていない私は親不孝者です。
30歳を過ぎ、正社員で働き始めても、嫌なことがあると逃げ、仕事が続きません。母は、石の上にも三年、継続は力なりと言います。
心配をかけたくないので母に相談できず、相談できる友人や恋人もいません。何事も中途半端で誇れるものがなく、就職活動も不採用続き。どうしていいかわかりません。(東京・Q子)】
「30歳までは好きなことをしていい」→これ、かなり恵まれてますよね。羨ましいです。息子たちには絶対に言えませんよ。我が家は速やかに破産です。(笑)
「小学生の頃、窃盗を繰り返し」→これは万引きのことかな。なぜ万引きと書かずに窃盗と書いたのだろうか。万引き以外の犯罪をやった可能性もありますね。
この女性は母親が死去したら生活保護を受けるかもしれませんね。彼女はどうやったら経済的に自立できるだろうか。
就職活動で不採用になった理由の分析は有効かもしれません。採用担当者は、彼女の転職回数が多いこと、そして転職理由を非常に気にするはずです。
この相談を授業で使うかどうか、非常に迷いますね。生徒たちの役に立つだろうか。経済的自立ができない女性の話。
この女性の両親は自立できない子を保護することに努めた。それが裏目に出た感じですかね。子を思う気持ちは非常によく理解できますけど。
ゆかり先生は幼い頃にお父さんを交通事故で亡くし、お母さんが飲食店の皿洗いのバイトなどをしてゆかり先生を育てました。ゆかり先生はいち早く経済的に自立する必要性を感じ、高校生の頃、一生懸命勉強して茨城大学へ行き、成績優秀者のみが対象の、返済不要の奨学金を貰って卒業したのです。そしてうちの学校の保健室に就職しました。金銭的危機感がゆかり先生を強く押したのでしょう。
Q子さんの場合、辛くなったらいつでも容易に避難できる場所があったために自分の足で歩く力が弱くなってしまったのかもしれません。可愛い子には旅をさせよ、という言葉を思い出しましたよ。
こういった相談を読むといつも思うんです、この人に会ってもっと詳しい話を聞いてみたいな、と。その中から何か改善のためのヒントが生まれるかもしれないのです。Q子さんと実際に面談したら彼女の表情、仕草、話し方などを見て「あなたはこのような傾向があり、面接のとき、不利になるかも」というようなアドバイスが可能になるのです。
文章による相談というのは「見逃せない、大事な情報」が多々抜けているような気がします。自分のおかれている現況を100%、洗いざらい客観的に文章で説明するのはなかなか難しいと思いました。夏目漱石や村上春樹なら、それを完璧にやると思いますが。