2024 コックスプレート
はじめに
2024/10/26 オーストラリアにあるムーニーバレー競馬場で開催予定のコックスプレートの予想記事になります。キャッチフレーズは「伝説が生まれるレース」。伝説って?
基本情報及びコースなど
①コースの特徴
芝2040mの1周コース。元は農場であった土地を競馬場として改修した経緯があり、かなり人為的な手が加えられているコース(の割にコースレイアウトが…)。
ストラスエア(Strath Ayr)という芝生専門の会社の天然芝を採用しており、砂利と排水管の排水層、砂で構成された下層、独自のリフレックス・メッシュ・エレメント(網状繊維)を使用して強化された、草根の部分となる上層という3層構造を採用することで、耐久性、排水能力、芝の成長力に優れたコースとなっている。
欧州等の深い芝と違って、構造からも日本のコースに近い硬い芝になりやすく、日本馬でも好走しやすいコースとなっている。
②コースレイアウト
楕円形というよりも長方形の角を落としたような形をしており、4辺をタイトなコーナーでつないだイメージのコース。しかも、長辺ではなく短辺の方にゴールポストがあり、最終コーナーから決勝線までの直線はわずか約170mしかない。
レースは左回りで行われ、コースは1周1805m。中山競馬場(内回り=1667.1m)より長いコースとなるが、距離の関係上、ゲートから最初のコーナーまで約200mほどしかなく、外枠が不利。微妙にカーブするなど直線と呼べるような区間はあまりなく、すぐに次のコーナーを迎えるため殊更に外枠は不利だが、傾斜角7.5度のバンク付きでコーナリングには配慮されている。
高低差は5mあり、1コーナーから2コーナーまでは下り坂、3コーナーから4コーナーまでは上り坂となっており、直線の少ないコースであることも相まって後方からの差しが決まりづらい。
③コースの現況
10月25日(金曜)9時00分時点では週中に雨が降っていたこともあり
"稍重"となっている。しかし金曜、土曜と晴れの予想になっているため、排水性の高さからも影響はわずかか。
④過去傾向
某サイトから拝借。重不良の2020~2022を除外。
傾向は掴みづらいが4連覇しているウィンクス、ヒュミドールを筆頭に本コース巧者は入着しやすい印象。
隊列が長くなりやすくなることも相まって、多頭数の場合は一般的な傾向よりもよりペースが早くなり、後方に展開が向きやすい。逆に小頭数の場合は構成にもよるがコースレイアウト通りに逃げ先行勢が有利なケースが多くみられる。
気を付けたいのは斤量が軽いからといって入着しやすいわけではないということ。特に3歳馬の扱いには注意したく、3歳の牡セン馬は49.5kg、牝馬は47.5kg と破格の軽さになっているが、8月にシーズンが開幕するオーストラリア競馬において、この時期におけるG1の3歳馬というのは、大阪杯に3歳馬が出走するようなものである。そのため、能力差や気性で差が付きがちで、ボロ負けしているケースがしばしば見られるので注意すること。
某サイト②から拝借。
4連覇しているウィンクスがいるため参考にしづらいが比較的ノーザンダンサー系が優位。サドラー×デインヒルの構成も多いが、3~4コーナーにかけての上り坂の影響もあってかデインヒル多めのパワー偏重型の方が優勢な印象。また硬めな馬場であることからマキャヴェリアン、ゴーンウエストなどミスプロ系や、サンデー系のスピードのある構成も好走している。
⑤予想
◎6.プライドオブジェニ
○1.ミスターブライトサイド
▲2.プログノーシス
☆5.ドックランズ、9.エヴァポレイト
小頭数で過去傾向から逃げ先行勢有利、と考えるが本年は大逃げにて成績を残してきたプライドオブジェニが出走するため、大逃げを踏まえた印とした。
6.プライドオブジェニは父がマキャベリアン系。前走キングチャールズ三世Sでは直線競馬かつ中段からの動きとなったので負けているが度外視気味でも良いか。本馬の注目すべき点は2走前のジョンFフィーハンSや、5走前のクイーンエリザベスSで、大逃げを敢行してリードを取って勝利を収めている。本コース形態で大逃げを打つ場合、前半の下り坂でリードを取り、 後半の上り坂で徐々に消費していくも届かないケースが想定されるので、有利に運べると見て◎とした。
1.ミスターブライトサイドは父がゴーンウエスト系。堅実に好位差しを決めてくるタイプで、コース適性が高いながらもこの面々の中では実力上位の成績を収めている。今回は最内のドックランズが控えることが見込まれ、すんなりと内の好位に入れることが見込まれるため○とした。
2.プログノーシスは父サンデー系。もはや言わずもがなの実力馬。馬場への適性の高さ、実力を踏まえると、リスグラシューが好走したことを考えれば中心視もできる存在だが、リスグラシューのように自在性があるわけではなく後方からという注文が付くため本コース形態には合わないタイプだと考える。しかし、前述の大逃げの存在により、各馬ロングスパート気味な勝負が展開されることが見込まれるため、その点では後方待機勢ながらも有利と見て▲とした。
☆5.ドックランズは2.プログノーシス同様の理由。展開次第では3着までは可能性があると見る。9.エヴァポレイトは前走での捲りが強かった。前2頭でワンツーとした中で、コーナーを外から捲って3着に持ってきた長く使える脚は侮れないと見る。
7.ヴィアシスティーナは実力の高さから人気も理解できるが、調教中の落馬に付随して、コースを3周(6000m)走った事件を踏まえると流石に買いづらい。陣営がスクラッチしない判断の場合は紐までではありかと思う。
8.ブロードサイディングも前走こそ負けたが5連勝していたなど実力の高い3歳馬。一方で後方からになることや、前走ではエヴァポレイトの捲りに乗せてもらって4着と思ったよりも奮っていない印象。血統的にも距離延長は好ましくないように見受けられるので入れても紐までか。
買い目
本線
◎-○▲☆、○-◎ 馬単4点
◎-○☆-○▲☆+(7,8) 三連複6(~12)点
抑え
9-1,5 ワイド2点
⑥終わりに
プライドオブジェニの大逃げが想定されるためかなり見ごたえのあるレースになると思われる。ムーニーヴァレー競馬場は本年中に改修されることが決定しており、最終直線が170mから320mになったり、コースが広くなったりとこれまでと全く異なるコースになると見られている。直線が170mしかないイカれたコースでのレースはこれが最後になると思うので、ぜひ目に焼き付けよう。
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