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2024 BCまとめ


はじめに

 この記事は筆者がBCで買う馬券について理由を言語化し、不要な購入を避けることを目的にした私用記事となります。

基本情報及びコースなど

デルマー競馬場コース図

⓪BCについて

 アメリカにて全14走ものG1を2日間で開催する競馬の祭典。元々は1970年代後半から始まっていた競馬人気の下降を食い止める目的で創設されている。今でこそサウジやドバイの賞金額が目立つが、本祭典についてもそれぞれのG1に多額の賞金が設定されていることが特徴で、2011年より出走条件の緩和や登録料の減少に伴い、より多くの地域から出走馬を集めることに成功、文字通り祭典と化している。
 最大の特徴は、開催地がアメリカ全土を対象とした持ち回り制であること。これはBCを真似て日本のJBCでも同様で、ワールドカップのように開催地が毎回異なるのである。当然開催地が異なればコースの特徴も異なるため、他レースと比較すると過去のデータをアテにしづらい(同開催地なら採用しやすいがサンプル数が減少する)。
 そのため、過去このレースを勝ったから~といった理由で人気している馬を安易に買うのは危険な傾向にある。購入時には気を付けていきたい。
 BCでのデルマー開催は参入が遅かったこともあり、2017、2021に続いて3回目になる。ちなみに2025もデルマー開催となることが決定している。

①コース形態

 距離については、外側にダートコース(1609m)、内側に芝コース(1408m)が配置されている。全長距離1609mのコースはアメリカの競馬場としては一般的な距離である。日本で言うと京都競馬場のダートコース(1607.6m)が最も近しいか。芝コースは極端に小さいコースであり、JRAのどの競馬場よりも小さく、地方の盛岡競馬場(1周1400m、直線300m)が最も近い。
 コーナーについては20Rと緩く形成されており、後述の最終直線の短さに直結している。一応コーナーに5%、直線にも2.5%のバンク角が付与されているため、捲りは十分狙える範囲である。
 最終直線の長さについては、前述の通りコーナーが緩く形成されているため、最終コーナーからゴールまではダート:280m、芝:249mとかなり短い。札幌競馬場の最終直線距離が264.3mであることを考えると位置取り、器用さが問われるコースになるか。
 高低差については2~3m程度。日本比較でもゆるめな構成となっている。

②芝/砂質

 芝はバミューダグラスを採用。ドバイの記事でも記載したが、洋芝の一種に該当するものの、札幌や函館で使用されるものとは少し異なっており、札幌や函館で使用されるのは低温気候に適した寒冷地型の芝であるのに対し、本芝は暖地型の芝であるため、札幌/函館同様の括りで考えるべきではない。
 また、デルマー競馬は7~9月、11月開催となり、夏開催から芝修復を行う期間があるため、良い馬場状態で迎えることが多い。
 ダートは砂の他に比率は大きくないがシルト(泥)や粘土を含んでおり、ドバイのメイダン競馬場のダート質に近しいものがある。日本の競馬場では砂100%でありパワーを求められるが、シルトや粘土を含むことで脚元が硬くなり、よりスピードを求められる馬場となる。

③気候

 本競馬場は地域の関係上、通年雨量が少なく乾燥気味の気候である。2024/11/1時点ではどちらも良馬場であり、雨の予報も無いため、当日も良馬場で迎えられると考えて良い。

7R:ブリーダーズカップターフ(芝2400m)

コース図

特徴

 コースを約2周する芝2400m競走。6つもコーナーが存在するためパッと見は前が断然有利に思えるが、意外と差しが届く。差しを届かせるパターンとしては2つで、
 ・道中インで経済コースを通り、最終直線で差しに行く
 ・3コーナーに差し掛かるタイミングで捲り、4コーナーでは外側に位置しておく
 器用な立ち回り or 3コーナーからの持続的な脚を求められるコースであるといえる。ペースが遅くとも差し切られることもあり、逃げ馬が多くなくとも前優勢として判断すべきではない。

11/2 21:00時点のオッズ

 肝になるのはレベルスロマンスの取捨。ドバイシーマクラシックを筆頭に近走充実が見られ、2022のBCターフを勝利していることからも1番人気が想定される馬。実績から考えても最上位であることは想像に難くないが、隣枠のゴールドフェニックスやウイングスパンが先行し、後方もしくは外側の配置となる可能性が高いため、1倍台で買うほどではないと見る。

予想

 ◎ 2.エミリーアップジョン
 ○ 4.ルクセンブルク
 ☆ 12.ゴールドフェニックス
 △ 3.シャフリヤール、5.ジェイアービー、6.ファーブリッジ、7.グランドソナタ、11.レベルスロマンス

 それなりに先行馬が多いことからイン差し狙いを中心に予想を作成。安定志向で買うならルクセンブルクの方が評価が高いか。筆者はエミリーアップジョンが好きなだけなので無難に行くならルクセンブルク。

 2.エミリーアップジョンは5歳牝馬のダンジグ×サドラーの構成。枠が良くどの位置を取るにしてもインになると見ている。先行も可能で自在性があり、長く脚を使えるタイプであることや、鞍上がデットーリに戻ることもあり、陣営の期待度の高さが伺える。
 4.ルクセンブルクはサドラー×デインヒルの構成。こちらはより出脚が良く、同じくイン待機に期待できる一頭。ここ2走は同厩舎のラビット役に徹していたため度外視が可能。ドバイターフこそ敗れているものの、少し特殊な条件だったためこちらも見過ごせる。肝心なのは2023の香港カップでロマンチックウォリアーの頭差2着に善戦し、堅い馬場でも好走できるかつ実力があることを示すことができた。今回は鞍上をムーアに戻していることもあり、こちらも期待度の高さが伺える。
 12.ゴールドフェニックスはStorm cat系×Cozzeneの構成。デルマーの芝2200mコースで重賞を何度か制しており、デルマー巧者の1頭。前走のジョンヘンリーターフは極端なスローペースだったので度外視するとしても、昨年のBCターフは4着とそれなりの成績を残している。鞍上もデルマーで共に勝利を収めているフレイ騎手が継続しており、3着以内に残せる可能性はあり得ると考える。

以下、所感+情報
1.ローシャムパークは長く脚を使えて適性は高そうだがイン枠なので捲りが難しい。かつルメールが2,3着なら良いなといった少し弱気の発言。レース前に弱気なコメントを出さないルメールにしては珍しいケース。
3.シャフリヤールは操縦性の高さ含め期待できるとは思う、が少し人気しすぎか。ドバイ→札幌記念(不可解な負け方)→BCターフ というローテは陣営側も昨年の実績を過信しすぎている器用にも見える。ドバイは明らかに展開が向いていたので2着は素直に受け取りづらい。
5.ジェイアービーは恐らく人気する一頭。愛チャンピオンSで勝利したエコノミクスの2着になったこともある実力のある3歳馬。もし人気が無ければ抑えた方が良いが、この2着は大逃げラビットから離れた2番手という恵まれた位置での2着だったことや、欧州の芝でしか走った経験がないなど、期待を込めるにはオッズが厳しすぎる可能性があるので抑えまで。
6.ファーブリッジはアメリカの逃げ馬で、アメリカ陣営では筆頭扱いになりそうか。実力はあるものの今回の予想では逃げ/先行馬が多い読みなので、ここでは抑えまでとしたい。

買い目

 単勝 ◎ or ○
 馬連ワイド ◎- ○
 (三連複 ◎ - ○☆ - 手広く)

8R:ブリーダーズカップクラシック(ダート2000m)

コース図

特徴

 2ターンのダート2000m競走。コースの特徴が如実に結果に表れるレースで、2017年開催では1~3着が道中1,2,4番手、2021年開催では1着が逃げ馬、2着は先行馬、3着はイン待機の差し馬というわかりやすい結果を残している。他場と比較しても最終直線の短いコースになるので、タフな先行馬に期待したい。
 血統的にはStorm CatやAP Indy絡みなど王道の米国血統が多め。スピードを問われながらも2000mのタフな展開というなかなか実力の出るレースか。

11/3 3:00時点

 揉まれ弱めかつ砂被りを気にするフォーエバーヤングが最内、芝路線筆頭のはずがダートに参戦させられたシティオブトロイと非常に難解すぎるレース。また、逃げたいor外2番目の位置が欲しい馬があまりにも多く、想定以上にハイペースとなる可能性が高いが、コースの特徴からもあくまで前有利の考え方は崩し切らずに予想を組んでいきたい。

予想

 ○4.ミクスト
 ☆12.アーサーズライド、13.ニューゲート
 △ 2,6,10

ビックリするほど難解。たぶん買わない方が良い。。。
4.ミクストはCurlin×Danzigの構成。前走は外並走2番手から逃げを捉えてのビリ人気勝利というどんでん返し。出脚は速く、内側から逃げられることもなさそうで、この馬が逃げることになりそうなので本命視した。デルマー巧者という話もあったが、前走のタイムも2分台で早く、少なくとも好位置が取れそうなことからももう一発は期待してみても良い。
12.アーサーズライドは意地でも前を取りに行くタイプ。砂被りなければ粘り強さで展開が向く可能性がある。13.ニューゲートは差し寄りの馬。11.12が逃げることからも上手く位置が取れる可能性があるので期待したい。

買い目

 馬連ワイド 4,12 - 2,4,6,12
 (馬連ワイド 13 - 2,10)

9R:ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(芝2200m)

コース図

特徴

 コースを約1.5周する芝2200m競走。ターフとコースが似ているが特徴的なのは最初の入り。スタートしてからすぐに3コーナーに差し掛かるため位置取り争いが激しくなり、それなりに速いペースで入っていくことが多い。とはいえ6つのコーナーを回ることには変わりはないので道中の位置取りには気を遣っておきたいか。
 また、毎年距離が変わるのも頭を悩ませる要因である。前回の2021年開催ではデルマー2200mではあったものの、その前の2017年では1800mであり全くアテにならない。

11/3 4:00時点

 木村騎手の大逃げの奇策を打って出たフルカウントフェリシアが鞍上を変更して2番という判断に困る枠。無難に出ていくのはウォーライクゴッデスか。もしフルカウントフェリシアが大逃げを決めるのであればウォーライクゴッデスに展開が向いても良さそうだが、鞍上次第となってしまうので過信はできない。普通に逃げるのであれば競り合いが起きることが見込まれる。

予想

 ◎ 4.ウォーライクゴッデス
 ○ 7.コンテント
 ▲ 8.ハングザムーン
 ☆ 1.ビューティフルラブ、13.サンセットグローリー
 
時間の都合上、短めの記載。
ウォーライクゴッデスは2021当時の同レースでハードな展開ながらも3着に残した実績を評価。大逃げの2番手ならすんなりあり。
コンテントはアメリカ馬を軽視するならこの馬から。エミリーアップジョンを下したヨークシャーオークスを踏まえると7Rの結果次第ではすんなり本命視も。
ハングザムーンは米国馬の中では有力か。捲り競馬で距離も有利に働きそう。
ビューティフルラブ、サンセットグローリー共に長い距離を使っている差し馬。前者は同コースを走っており、枠の良さからも一発期待。後者はキックバック×で、前走は最終直線で挟まれるアクシデントがあったが最後は伸びていたことを評価。レース度外視なら3連勝の上がり馬であり期待しても良い。

買い目

 馬連ワイド ◎ or ○ - ◎○▲☆
 馬連ワイド 13 - 印全部

11R:ブリーダーズカップマイル(芝1600m)

コース図

特徴

 素直な1ターンコースの芝1600m。この競馬場の中では競馬場自体の特徴に最も左右されにくいコース。展開によって大きく結果が異なる難しいレースでもある。各馬の様子を見て展開+強さで適切な予想を組んでいきたい。

11/3 4:30時点

 比較的後方脚質の馬が多い構成となった。意地でも逃げるゴリアド、逃げ位置のカールスバクラー、好位を固めるのはジオグリフ、ヨハネスの2頭で、残りは差し/追い込みで結果を挙げてきた馬ばかりである。ゴリアドについては外枠を引き続けて無理やり前に出す形で逃げていたので、5枠というイン寄りな枠を引いたことで早すぎない流れになる可能性が高いか。

予想

 ◎12.カールスバクラー
 ○ 3.ジオグリフ
 ▲ 5.ゴリアド、9.ヨハネス

時間が無いので短めに。
ゴリアドが早い逃げを打つと想定されていそうだが、内からの競り合いが考えにくいのでペースが早すぎないと想定。その場合はそれなりの位置を取れそうなカールスバクラーに期待する。ここまで3連勝だが逃げてよし、好位でよしの前方脚質の中でも融通の利く一頭。出脚も速くすんなり2番手を取れそうなので期待したい。
ジオグリフは枠や出脚を含めると良い位置を取れる可能性が高い。不安材料は経験の薄い鞍上だが、日本馬は連系が売れづらいので抑えておきたい。
ゴリアドは早い逃げ想定を覆す読み。遅ければ粘り強さはそれなりにあるのでもしかしたら勝ってしまうかもしれない可能性は想定しておきたい。
ヨハネスも好位で立ち回れるタイプ。差し脚はそれなりにあるので展開次第では出番があると見る。

買い目

 馬連ワイド 5,12 - 3,5,9,12

最後に(11/3 4:44記載)

 ね、ねむい、、、執筆は計画的に。。。
日本馬で一番期待できそうなのは意外にもBCクラシックかなという予感。とりあえずみんなファイト。


 

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