6R:ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200)
概要
前述の通りワンターンのダート1200m競走。
良馬場時の傾向としては、砂の粗さからキックバック(砂の跳ね返り)が多く、差し、追い込み勢は前進気勢が削がれやすいことから基本的には先行有利なレースである。
一方で短距離戦の方がハイペースとなりやすく、ワンターン+バンク傾斜もあることからドバイWCよりは差し追込みが決まりやすい。また、2022年、2023年と続けてスイッツァランド、シベリウスの差し勝利となっている。
過去傾向
某サイトから拝借。
①記述の通りアメリカ、UAEが好走しやすい
②リピーターが好走しやすい傾向にあるレース
○凡走⇒好走の例
マテラスカイ(JP) 2018:5着 ⇒ 2019:2着
スイッツァランド(UAE) 2019:8着 ⇒ 2021:7着 ⇒ 2022:1着 ⇒ 2023:2着
ワイルドデュード(UAE) 2017:13着 ⇒ 2018:4着
本年は以下が該当(ゲート/馬番)
2/14 タズ (2023:7着)
6/13 シベリウス(2023:1着)
8/11 リメイク(2023:5着)
9/5 ホプキンズ(2023:4着)
13/9 ムーヒーブ(2023:13着)
③前走が「マハーブアルシマール(G3)」にて掲示板内である馬が好走している傾向がある
本競走はメイダン競馬場ダート1200mのレースであり、同一の舞台であることから親和性が高いとみられる。
本年は以下が該当(ゲート/馬番)
11/8 リーディングスピリット 1着
12/4 フリーダムファイター 2着
各馬寸評
11.リメイク(国内想定1人気)JP
前走リヤドダートスプリントの覇者。
前走のリヤドダートスプリントでは道中内ラチ沿いを走っていた差し馬リメイクとボールドジャーニーが1,3着、逃げていた前3頭が2,4,5着とイン前傾向が目立つレースだった。これは後述のサウジカップでも同様で、ハイペースとなるも道中内ラチ沿いに逃げていたサウジクラウンは僅差の3着に残している。前走は川田Jの巧みな誘導が光ったと言える。
また国内戦では1/2着争いを繰り返し続けているが、良くも悪くもTBに左右されやすく、勝利している時は逃げが潰れているor日を通して好位~後方有利である印象が強い。強いて言うならばJBCスプリントは前半が緩やかになってしまっていた中での外回し2着のため、イグナイター > リメイク とはなり切らない印象がある。
ペースに応じて位置取りを変えるタイプではあるが、総じて後方に構えることが多く、川田Jが騎乗する際は好位に取りつくことが少ないことからも、今回の馬場で差し切れるほどの脚があるかは疑問符が付く。過小評価しすぎるべきではないが、実績通りに受け取るのは難しい印象。
3.ドンフランキー(国内想定2人気) JP
600kg近い巨体で激走する池添Jとの組み合わせも人気な大型逃げ馬。
前走はフェブラリーステークスに出走するも9着。1200-1400を生業として活動してきたことからも、チャレンジ目的であり度外視で問題ないか。
リメイクとは直近2戦しており1勝1敗。クラスターCではインを通っていた馬が3,4,5着を占める中、4コーナーで膨れたところをリメイクにインに飛び込まれ2着。プロキオンSでは逃げ粘り1着を果たしているが、先行勢、内ラチ沿いに走っていた人気薄馬達が着差少なく残しているなどイン前有利気味なTBであったことは否めない。そのため、リメイクとの実力差はあまり無いと考えている。
また前述のクラスターCや東京盃では重/不良馬場で止まらず好走できていることからも重馬場適性は信頼を置ける。
鞍上はCデムーロで、逃げの経験も多く、各地を飛び回っていて経験が豊富なことや、3歳時に2戦ほど騎乗経験があるのはプラスか。
初の海外輸送が懸念点ではあるが、大井/盛岡でのナイター経験がある他、体重増していることや、映像からも落ち着きが見られているため、そこまで気にしなくても良さそうな印象を受ける。
1/2ゲートのイグナイター/タズとの兼ね合いになるが、好位には取りつける可能性が高いが、両馬が譲らなかった場合、外3となるため少し厳しい展開もあり得るか。
6.イグナイター(国内想定4人気) JP
地方に移籍してから凄まじい快進撃を見せ、NARグランプリ年度代表馬に2年連続で選ばれた筆者お気に入りの馬。22年頃まではJBCスプリントでも5着など、中央馬との差があると感じられていたが、さきたま杯での勝利をきっかけに大きく伸びていきている。
前走はフェブラリーステークスに出走するも11着。これも1200-1400を中心に活動しているイグナイターに関しては、ドンフランキー同様にチャレンジ目的と見て良い。
リメイクとは1戦しており、JBCスプリントでは逃げ5頭並び⇒好位下げ⇒抜け出しで勝利を果たしている。また、国内ダート最強との呼び声も高いレモンポップと南部杯で対戦しており、強烈な強さを見せつけられるも2着に残している。2秒差付けられているが、1600mがこの馬には明らかに長いことを考慮すると1200mであれば十分な能力か。
また、先述のさきたま杯では重馬場であり、力のいる馬場を好走してきたことからも今回に適している可能性はある。
懸念点は本馬、厩舎、鞍上の笹川Jは海外遠征が無いことが挙げられる。厩舎については同行した友道先生から調整法を伺っている模様で、本馬にも問題は無いように見受けられる。笹川Jの騎乗次第とはなりそうだが好枠を引けており先行しやすいこともあり、期待感はあるか。
7.ケイアイドリー(国内想定8人気) JP
前走はリヤドダートスプリント6着。挟まれてしまったこともあり後方からとなってしまったことや、外3の位置を走らされていたことからも度外視可能。むしろあの展開で6着まで来れるのはかなり健闘していると言える。
しかし、JBCスプリントでは9着、東京盃でも9着、黒船賞でも8着(イグナイター3着)とかなり能力差が感じられてしまう結果となっている。また、東京盃、黒船賞は重い馬場で行われており、重馬場適性も疑問符が付く。
能力、馬場適性と厳しい条件があるため、良馬場であれば前走のリヤドダートスプリントを評価し、紐で買いたい方向ではあったが、今回は見送るのが賢明か。
13.シベリウス(国内想定3人気) USA
前年度の本レース勝利馬。内ラチ沿いの前から2番目に構えてイン差しを決めるムーアの神騎乗が光ったレース。地味にこのレースもインを走っていたスイッツァランドが外に出して2着、前受していたガナイト、ホプキンスが3、4着、コーナーを後方内から2番手で構えていたリメイクが5着、最終コーナー~直線でひたすらにインを走り続けたレッドルゼルが6着と、やはりインが強いレースとなった。
そういったこともあり、本馬は最も恩恵を受けてレースを走っていた。その影響もあってか、以降のビングクロスビーSでは7着、オグデンフェニックスでは5着に惨敗。総じて能力に疑問符が付くようなレースが見受けられた。一方で直近ではペリカンSにてBCスプリント3着馬のナカトミに勝利。外先行から最終直線で差し切る良い競馬をしていた。ナカトミが抜け出しづらい位置であったことからもレースレベルとしては高くないが復調の気配は見える走りだった。
結局のところ能力には疑問符が付き、ムーアが昨年の再現をできるか?という点になる。本年度についてはイン2頭が先行意欲を見せており、ドンフランキーの逃げも想定されることから3番手以降の待機となることからも少し難しいと考えられる。
ただし1点だけ悩ましい点がある。それは血統面から見た判断である。本馬は初年度に不良馬場を走った以外に道悪で走った経験が無く、重馬場適性を確認する方法が無い。2017年時の傾向を見ると勝利したMYB筆頭に「Deputy minister」系が幅を利かせており(1,2,5着該当で、1着馬は3×4配合)、次いで「フォーティナイナー」系が幅を利かせている。(2,5着が該当、2着馬は道悪で有名なDistorted Humor) どちらの血統も不良に近い硬い高速馬場で好走することが認められており、本馬の父馬はGiant's Causewayで母父がフォーティナイナー系であるため、留意しておいた方が良いかもしれない。
10.ナカトミ(国内想定5人気) USA
名前で人気してるだろこれ!!と言いたいところだが、れっきとしたBCスプリント3着馬。
BCスプリントでは前4頭が前4頭で決まる意味不明なくらいの先行有利な展開。出足つかないものの、インが空いており位置取りに成功した後、エリートパワーとガナイトの強烈な捲りを受けたSpeed Boat Beachを差し切って3着という形になり、展開の向いた3着と言える。自分から動いた2頭や影響を受けた逃げ馬よりは着差以上に差があると見て良いが、上記2頭は現在のアメリカ短距離路線トップクラスのため、本馬も高い能力があると見て良い。
一方で出足の悪さが目立つ。前走のペリカンSやオグデンフェニックスなど、出が悪いか追走に困るかといった形で差しに構えることが非常に多い。今回も同様の展開になることが想定される。
また、重馬場適性という面でも難があることが想定される。特にトムフールHでは、1番人気を背負い好展開になるも、先頭と距離が縮まらない。適性や展開面、穴人気していることからも今回は見送っておきたい。
5.ホプキンズ(国内想定6人気)USA
前年度の本レース4着馬。ガナイトとの壮絶なたたき合いの末、シベリウスとスイッツァランドに差されてしまう。
ハイペース耐性が高く、たたき合いとなったガナイトは前述の通り一線級であることからも、本馬の能力の高さは窺い知れる。
前走のパロスヴァーディスSでは惜しくも差されてしまうが、序盤に読み合いの末無理して前に出ていたこともあり、逃げての強さは顕在か。
また、本馬は血統内に「Deputy minister」を保有することもあり適性に期待が持てる。
気になる点としてはやはり内枠のドンフランキーとの兼ね合いとなる。恐らくドンフランキーは位置を譲ってくれないので、内から2番目の位置で逃げるような形になることが想定される。負荷がかかるのがどうかだが、能力、立ち位置、適性全てが良条件でかなり推したい一頭。
1.ボールドジャーニー(国内想定7人気) USA
前走リヤドダートスプリント3着。個人的には最も判断の難しい馬。
前走は前述の通り、後方からインに構えて差しこみ3着。ロザリオ騎手の好騎乗ともいえる。
ほとんど大レースに出走していないことから能力比較がしづらく、グレーブスエンドSにて重馬場でも好走しているものの、レースレベルが察しすぎる。
ゲート位置からも前走の再現は可能そうではあるが、穴人気してしまっていることや、能力への疑問視から購入を避けたい部類。
一方で鞍上はデットーリとなっており、割とデットーリマジックで持ってくる可能性もあるので非常に頭が痛い存在。
12.ランクラシック(国内想定12人気) USA
1200-1400での連帯経験が多いが、短距離で大きい舞台に出る経験が少なく判断が難しい一頭。
前走のガルフストリームパークススプリントSが中々に優秀で、タイムが1:09.81と速く、3ハロン44.97のハイペースを先行位置から悠々と差し切っている。今回もハイペースになりそうな雰囲気もあるため、重馬場適性こそ未知数だが、再現できれば2,3着は大いにあり得ると考えられる。(何よりオッズが美味い)
14.タズ(国内想定9人気)UAE
前走リヤドダートスプリントでは10着。逃げ馬の外をぴったりくっついて走っていた結果、脚を使いすぎてしまい大失速した。最初の位置取りでも脚を使ってしまっており、そこまで気にしなくても良い印象。
傾向にあるリピーター組であり、前年度は7着に入っている。前年度は勝ち馬シベリウスの外側を走っており、最終直線でジョッキーが何か気になったのか、2度ほど足元を見ている場面があり、きちんと追うまでに時間がかかっており、影響している可能性がある。
2走前のドバウィステークスではかなり余裕をもっての1着。今回と同条件であることや、タイムも1:10.42と速いため、かなり有望視して良いと思う。
また父は「Deputy minister」系であること、ゲート2番であること、先行意欲があることなど、かなり条件の揃っており、積極的に狙っていきたい一頭。
9.ムーヒーブ(国内10番人気) UAE
前走アルシンダガスプリントにて圧勝。10ヵ月ぶりという長いブランクを経ているが、内ラチ沿い追走から抜け出して大きく差をつけての1着。タイムは1:11.31とやや遅いが休み明けでこの勝ち方は強いと言える。
こちらも前年度出走組で13着と大きく敗れてはいるものの、3-4コーナーを大外4番手でぶん回し続けるドイル騎手のえげつない負荷の騎乗が原因とみられる。
今回外ゲートのためどうなのかという問題はあるが、能力を考えると紐に加えておいても良い印象。
4.フリーダムファイター 8.リーディングスピリット 2.カラーアップ(国内12/13/14番人気) UAE
筆者が疲れてきたので合わせて記載。4.8.どちらもマハーブアルシマール組。
8.リーディングスピリットについてはタズ同様にドバウィステークスに出走し2着入線。いわゆる内ラチ沿いから差してきたパターンで良い走りであったものの、タズに大きく差をつけられている。
4.フリーダムファイターはそのリーディングスピリットに前走にて競り負けて2着。逃げていたがリーディングスピリットに最終直線で交わされ、余裕をもってゴールされている。
能力的にどちらもどうか、、といった印象だが、フリーダムファイターは父父 Medaglia d'Oro リーディングスピリットは2017年3着馬同様のExceed And Excelであるため、紐に残しておきたさもある(けど点数が。。。)
2.カラーアップについてはアルシンダガススプリントでも4着、ドバウィステークスでも3着と非常に厳しい成績。これが来たらターフ見ないで寝るっすわ。。。
予想
これらを踏まえて以下方針で予想していく。
①逃げ/先行有利
②内枠有利
③道悪血統優遇
本命候補は4頭。
イン逃げ叶いそうな3.ドンフランキー
内ラチ番手抑えられそうな6.イグナイター
血統/地元実績、オッズから14.タズ
2列目逃げとなってしまいそうだがそれ以外完璧な5.ホブキンズ
2列目候補としては、
12.ランクラシック
紐としては、
9.ムーヒーブ、11.リメイク、13.シベリウス(加えるなら1.8.4.の順)
もう少し悩んでおきます。。。
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