9R:ドバイワールドカップ(ダート2000m)
概要
ダート2000mの1周競馬。
ツーターン(コーナー4回)のレースであることに加えて、キックバック(砂の跳ね返り)が多いことで後方待機勢の立ち回りが難しく、GSで記載の通り先行有利となりやすい。
非常に速い流れとなった2023年のドバイWCではウシュバテソーロが最後方から見事に追い込みを決めたが、2022年のカントリーグラマー、2021年のミスティックガイド、そして2018年、2019年と連覇したサンダースノー(2020年はコロナ禍で開催中止)はいずれも先行もしくは逃げての優勝。基本的には先行力とスピードの持続力が問われるコースと言えそうだ。
過去傾向
某サイトから拝借。
①記述の通りアメリカ、UAEが好走しやすい
②リピーターについてはどちらとも言えない傾向にあるレース
凡走⇒好走する例はかなり少ないが、好走していた馬は好走しやすい印象
各馬寸評
11.ウシュバテソーロ(国内1番人気) JP
前年度の本レース勝利馬。言わずと知れた日本ダート界の大将(レモンポップはエースということで…)
前年度のレースでは日本馬が大集団を形成(8/15が日本馬)し、前半59秒程度のかなり速い流れを生み出した。2022年度は62秒程度だったことからも負荷が大きく異なり、22年度覇者のカントリーグラマーも耐えられず失速、差し追込み決着となった。その中で好位から抜け出した馬が2,4着、追い込んできた馬が1,3着といった結果となったが、2~4着までは道中インで待機していたグループであり、ここでも顕著にイン有利が見られる。そんな中で追込み位置ながらも大外をぶん回して差し切ったウシュバテソーロの実力の高さは言うまでもないか。
BCクラシックでは5着となるも、先行有利なコースで同じく先行策を取る構えを見せていたが、アメリカ質のハードな砂や、コーナーのきついコースを無理に捲ったことで足があがってしまっていた。TBに反して勝ちに行く動きをしたまでなので評価を落とす必要はないと見る。
サウジカップでは2着となるも、レース中に打撲している状態での末脚不足であり、同じく度外視できる。
総じて能力だけで見ると出走馬の中ではまず間違いなく勝ち負けが想定される。一方で今回想定いる馬場に当てはめると後方待機がマイナスに働き、3~4コーナーでの捲りが通るのかどうかという疑問が残る。連覇の期待はかかるがここは抑えまでが無難か。
4.デルマソトガケ(国内2番人気) JP
BCクラシックで2着やUAEダービーで逃げ切り勝ちなど能力の高い馬。直近4戦は好走→着外を繰り返すなど買い時の難しい馬ではあるが、個人的には本馬は砂を被りにくい条件で買うのが吉だと考えている。
マインドユアビスケッツを父に持ち、産駒に共通して言えることだが、砂被りを極端に嫌うor被るとパフォーマンスが落ちる。実際、勝利したUAEダービーでは先手を取り切る形で砂被りを回避し、BCクラシックでも砂の影響を受けにくい外側先行で立ち回っており、反対に出遅れ挟まれたケンタッキーダービーや、各馬の後ろからになったサウジカップでは伸び脚を欠いていた。
では今回も似たような立ち回りができそうかどうかというと、実際できそうではある。ウィルソンテソーロの出方次第にはなるが、外の2頭が積極的に位置を取りに行くことが想定されるため、すんなりと大外先行位置に立てる見込みがある。そのため能力が発揮できる可能性が高い。
一方でこの方針で進めると前述の通り、内ラチ沿いが取れないことが確定する。内ラチ沿いを取らずに押し切れるほどの能力があるかどうか?ここが争点となるが、国際レースでの勝ち切りが少ないことから判断が難しい。
血統的には2017のゴールデンシャヒーン勝ち馬を父に持つことから最適であるし、ここで父に引き続き勝利というものもあり得そうなことから相手には抑えたい。
12.ウィルソンテソーロ(国内7番人気)JP
テソーロ派閥最大の隠し玉。地方でかきつばた、マーキュリー、白山と制覇し、チャンピオンカップにてついに頭角を現した一頭。レモンポップが悠々と逃げる中、大外からとんでもない末脚で飛び込んできた本馬に度肝を抜かれた方は多かったのではないだろうか。
続く東京大賞典では逃げる奇策を放ち、ウシュバテソーロの2着に残す。G1を2連続で2着に好走し強い印象を植え付けた。
その後のフェブラリーステークスは松山騎手の微妙な立ち回りもあり8着。様々なところで言われているが度外視で問題ない印象はある。
総じて自在性の高さは窺えるものの、能力についてはやはり少し気になる。奇策を打った東京大賞典で同レースに出走するウシュバテソーロから逃げ切れなかったことや相手レベルの低さから、勝ち切るイメージまでは沸いていない。
また原騎手は初のレースとなることはマイナスであり、奇策を打ちがちな騎手で通し切れても馬券内に食い込めるかどうかという見立てではある。期待もあるが、今回の馬場で走れるかも未知数であり、抑えても紐までとしたい。
5.ドゥラエレーデ(国内8番人気) JP
ダート芝のどちらにも出走し好走する、個人的に買い時が最もよくわからない馬。直近ではダートを3戦使用しているが、ウィルソンの3着が2回、フェブラリーでの凡走と、判断が難しい馬となっている。UAEダービーの2着もあることから本コースに適性はあると見ているが、相手レベルが格段に上昇する中でついていけるのかどうかが不明である。。
10.セニョールバスカドール(国内5番人気) USA
サウジカップでウシュバテソーロを抑えて勝利した馬。本馬は後方待機も、ウシュバとは異なりインからの運び、最終直線で外に出すような立ち回りを取った。インの恩恵を受けている状態で打撲したウシュバをギリギリ差し切っており、かなり展開が向いた印象がある。
前々走のペガサスWCについては強さを見ることができたと言える。後方かつ位置取りの難しいところから好位に取りつき4角で進出、あわや差し切りまで見える展開となった。総じてタフな馬であり、良馬場でのロングスパートが得意であると見る。
また本場は重馬場適性がそれなりに見られ、シガーマイルハンデでは最終直線の泥んこな足場の中で一頭だけ大きく伸びてくる強さも見せた。
今回想定している馬場ではどうかも、それなりの差し脚には注意したい一頭である。人気を背負うことからも紐程度で抑えておきたい。
6.ニューゲート(国内6番人気) USA
米移籍後のデットーリに初G1制覇を達成させた馬。前走のサンタアニタハンデでは中団から4角に早めの進出、抜け出したサブサナドールを捉えて勝利した。
接戦気味で2:03:49ということもあり、同日ではないものの同コースのBCクラシック2:02:87と比較するとわずかに劣る。しかし、6ハロン72秒と速すぎない程度のペースだったことを考えると考慮の余地はあるか。
こちらも後方からになるため今回の想定だと届くかどうかが難しくなる。人気しているがなかなか手が出しづらい印象を受ける。
2.クルーピ(国内9番人気) USA
ペガサスWCの3着馬。バテバテになった本レースで最後の最後にちゃっかりと入ってきた馬。
重賞では本レースが最高位で、本レースに出走する2着馬とも差があり、後方待機勢であることを踏まえ、ここでは消しとしておきたい。
1.クラプトン(国内11番人気) USA
アメリカながらドバイで多く走る馬。前走のアルマクトゥームクラシックでは同コースの1900mで前を捉えきれず3着。前々走のアルマクトゥームチャレンジでも同舞台で前を捉えきれず3着となっている。いずれも3~4コーナーで大外を回す御法度ムーブをしており、相当な負荷がかかっていたことから着順通りに評価する必要はなさそう。出足は良くないものの位置取りをしようと思えば馬が応えてくれるほか、本レース唯一のフォーティナイナー系であることも踏まえ、穴として抑えておきたい。
6.カビールカーン(国内3番人気) UAE
国内馬より人気しすぎ、しすぎじゃない?
地味に一度しか負けておらず、ほぼ無敗の馬。前走はアルマクトゥームチャレンジで、スタート悪いものの位置取りが非常によく、内ラチ沿いを走り続けて最後抜け出しを図り1着。やはり本コースでは内ラチ沿いを走る先行馬は恵まれるケースが多いため、ここも着順通りには受け取りづらい。レースレベルも高いとはいえず、他が条件戦でレース映像を確認できないことからもこのオッズで買うのは憚られる。抑えるにしても紐までとしたい。
7.ローレルリバー(国内4番人気) UAE
某有名youtuberさんによりとんでもないオッズに。。。
前走はバージナハールで2ハロン目で先頭を無理やり奪い、そのまま逃げ切りの圧勝。レースで行った動きや着差等を踏まえるとかなり強い一頭と言える。先行意識や「Deputy minister」持ちなことは非常に好感が持てるが、2000mが未知数である点が難点。Into Mischief産駒は距離短縮で成績を残しやすいタイプであり、本馬が怪物である可能性はあるが、過信しすぎるのは危険と見る。相手には必ず押さえたい一頭。
9.ミリタリーロー(国内12番人気) UAE
前走のアルマクトゥームクラシックでは大逃げする馬を早めにとらえて先手を取り、そのままハナを譲らず勝利した馬。前走こそ位置取りヨシ仕掛けヨシでキッチリと勝ちを決めたものの、基本的には後方待機となるため、レースレベルの高くなさも合わせて消しとしておく。
3.ディファンデッド(国内10番人気) SAU
本レース唯一のサウジ管理馬。前走のサウジカップでは7着となるも道中で狭くなる不利があったり、5カ月ぶりのレースだったりとあまり気にしなくて良さそうな成績。前々走ではオーサムアゲインステークスでは人気のセニョールバスカドールやナショナルトレジャーを下していることからも能力は高いと見る。位置取りも先行気味に取るため、期待のかかる一頭と言える。「Deputy minister」持ちなのもプラス。
予想
これらを踏まえて以下方針で予想していく。
①逃げ/先行有利
②内枠有利
③道悪血統優遇
本命候補は
逃げが叶いそうも距離不安のある7.ローレルリバー
外回し不安も条件揃い踏みの4.デルマソトガケ
前走7着も過去実績等から期待できそうな3.ディファンデッド
相手候補は
1.クラプトン
紐候補は
11.ウシュバテソーロ、12.ウィルソンテソーロ、10.セニョールバスカドール
こっちももう少し悩んでおきます。。。
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