酒皺(しゅさ)の最新治療について
↑の記事で酒皺(しゅさ)の基本的な説明をしていますが、今回はその最新治療についての情報です。
酒皺の原因・遺伝的背景
酒皺の原因は不明ですが、遺伝的な背景も関与していると考えられています。酒皺が日本の皮膚科診療においてあまりしっかり診断されにくい理由のひとつに、基本的に肌の白い欧米人に多い疾患だからということがあります。メラニン合成に関する遺伝子、炎症に関する遺伝子、アトピー素因、などの関連性が示唆されています。
酒皺皮膚では活性酸素の活性が高い
酒皺皮膚では、活性酸素種の活性が高いことがわかっています。紫外線でも活性酸素が産生され、原因として紫外線を含む環境因子が示唆されていることとも関連します。またそれは炎症性物質との関連もあります。
ステロイド、毛包虫で悪化することも、分子細胞学的に示されています。
酒皺の最新治療
活性酸素に対抗できる作用のある、メトロニダゾール(ロゼックスゲル)という外用薬が2022年5月に保険適用となりました。ロゼックスゲルは、ガン性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減を目的とする使用では、2014年12月から販売承認が得られていました。
これまで、口囲皮膚炎などと誤診されステロイドを処方され、それにより症状が悪化していたケースも多かった酒皺ですが、新しく治療薬としてメトロニダゾール外用薬が増え、今後の適切な診療があらためて望まれています。
ちなみに、欧米では1980年代から酒皺の標準治療薬としてメトロにダゾールは使用されています。
※出典
日本皮膚科学会雑誌 Vol.134, No.2, 2024
新・皮膚科セミナリウム「痤瘡・酒皺の病態と治療の最前線」