
治らない肌荒れ・・・酒皺(しゅさ)の可能性もあります
酒皺とは
主に中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患。
症状によって以下のタイプに分類できます。
①紅斑毛細血管拡張型
②丘疹膿疱型
③瘤腫型、鼻瘤
④眼型
毛細血管拡張による持続性・一過性の紅斑、丘疹・膿疱、などが特徴的な症状で、温熱刺激や紫外線などの外部刺激で悪化しやすい。
鑑別診断
湿疹と間違われ、長期間ステロイドを処方されているケースや、痤瘡(ニキビ)と間違われ、ニキビ治療薬を処方されているケースが散見されます。その他、化粧品などによる接触皮膚炎や、脂漏性皮膚炎、膠原病による皮膚症状、などとの鑑別も重要です。
どの化粧品を使っても合わない、、という悩みも、実は背景に酒皺があるケースがあります。
悪化因子
多い順に、
・日光暴露(紫外線を浴びる)
・心理的ストレス
・高気温の天候
・風(Wind)
・激しい運動
・飲酒
・熱い風呂
・低気温の気候
・香辛料のきいた食物
・湿気
・暖かい室内
・特定のスキンケア用品、化粧品
・熱い飲み物
など
自分の症状が何で悪化するかがわかったら、それを避けることは重要です。
紫外線対策は、日焼け止めを塗るだけでは不十分で、そもそも紫外線の当たる環境を避ける、物理的に当たらないように工夫する、などの対策が必要です。
治療
適切な保湿は、何よりも大切です。重要な点は、以下の通り
・アルコール分など刺激性の成分を含まない低刺激のものを使用する
・コットンを使わない
・パッティング(手で叩く)をしない
・拭き取りをしない
適切な保湿がしっかりできるようになれば、日焼け止めも使用できる肌状態になってきますので、日焼け止めも大切です。
①紅斑毛細血管拡張型
赤みに対して、IPL(光治療)やレーザー(赤みに効くタイプのもの)が有効です。
②丘疹膿疱型
塗り薬:メトロニダゾール、アゼライン酸 による治療がメインで、内服薬としてテトラサイクリン系の抗生物質が併用されることがあります。抗生物質は、漫然と長期で飲まないように注意が必要です。
※出典
日本美容皮膚科学会雑誌 Vol.34 No.1 March 2024