教育費と家計のバランス、計画的ですか?Part4 「所得」が今の時代、不安定なのに
Part1では「専業主婦がレジ打ちをして家計を助ける時代は終わった」と
専業主婦の方が不快に思われたら申し訳ないので、社会学者として、定義で言えば「配偶者の扶養で働いている主婦」は専業主婦ではないのです。更に言えば、「配偶者」であるサラリーマンが、年功序列で所得が増える、日本的経営は1980年代にとっくに終わっています。
AIがもてはやされていますが、技術革新が進めば進む程、労働が人間である必要が無くなることを意味します。皆さま、自分は大丈夫だと思っていても、政府の言う「成長分野への労働人口の移動」というのは、言葉は綺麗ですが、「サラリーマン大量解雇の時代」が来るかもしれない、もし、時代にあった「リスキリング」が出来ていなければ・・・。
その上で、我が国の格差社会はどんどん進み、「子どもの貧困」は大きな社会問題です。その一方で、留まる所を知らないお受験の低年齢化。S塾に入るために、小3では難しそうだから、小1から、という方もいます。しかし、現在、必ずしも富裕層だけが中学受験をするのではなく、寧ろ親はおにぎり1つで我慢しても私立を受験させたい、というご家庭が増えています。
だから、当研究所への問合せの中で「何とか主人を説得します!」というお母様方の気持ちも判るのです。が、受験前に私どもに払える受講料の捻出に四苦八苦していらっしゃる状況で、「税金でタダで行ける公立もあるのに敢えてお金の掛かる私立に入学させ、大学受験まで私立で・・・って、大丈夫ですか?」と問いかけたら、「今回は諦めました」という回答が。
つまり、もっと長期的視野から教育費という投資が、ご家庭の家計と照らし合わせた時、大丈夫でなくても、中学受験人口は増えています。昨年、1昨年の出生数は80万人を切っているのに(因みに、所謂「団塊の世代」は今年後期高齢者(75歳)になり約250万人ずつ、今後3年間で750万人が後期高齢者になるのに、ですよ)。年金も、現役世代がいくら貰えるか。
だって、昔は(今も過疎地域に行けば)駅員さんが改札で切符を切ってくれていたけど、首都圏ではスイカやPASMO等電子化された結果、駅員さんは改札にいませんよね?高速道路のICでの料金所にも高齢男性はいない所が増えましたよね?
要は、こんな一寸先は闇の激動の時代に、そんなに無理して、長期的視野から、お子様の教育を考えていらっしゃいますか?ってことなのです。ね、重要な問題なのに、余り指摘されていませんよね?
それは、巷の受験のプロは、儲けることしか、考えていないから。