教育費と家計のバランス、計画的ですか?Part3 中学受験「合格さえすれば」に異論

 引き続き、「第一志望合格でなければ公立高校受験で『リベンジ』を図るより、合格を」の異論その2、です。今回だけ、お金と直接絡んだ「異論」ではないけど、高い学費を払ってこの対応?だったら公立中でタダなんだから、ってこと。

 まず、ご家庭も本人もが諦め掛けていた生徒様、志望校全落ちし、結局3月末近くに「補欠合格」の知らせが入り、第5志望の中高一貫校に、遠距離通学し始めた例から。背も低めで、痩せ型で、遠距離通勤が親子で辛かったので体力もなく、補欠なので、同級生が優秀に見えてしまう、と(実際、入学後の試験は毎回下から2桁目、3桁いるんですよ、生徒数は)。

 本人が野球が好きで、部活に入ったら、酷い虐めに!英語は小さい頃から私が指導していたので、中学入学後すぐ英検準1級に合格。それを部活仲間は面白くなく、「K(彼の名)が受かるなら、全員受かるよなぁ!」と吐き捨て、球拾いしかさせて貰えなかった。まあ、部活仲間から見れば、小さい時から受験一筋で、筋力を鍛える時間が無かった彼をスタメンにすると負けてしまう、のは事実だったのでしょうが。

 ここで重要なことは、彼の同級生は殆ど彼より(正規合格でなくても)優秀で、本当の志望校では無かった、ということ。つまり彼らも、第一志望どころか、こんな中学で、というストレスが凄まじかったのです。だから、以前特集した私の研究の「いじめ」のメカニズムが生起し、どんどん悲惨に。

 これは、「志望校ではないけど、甘んじて滑り止め校でも行くか」、という集団が共通して持つもの。自分のプライドを傷付けられ、歪んだ精神構造が共鳴し合い、より弱い方へ攻撃を向けることで、ストレス発散に起因する「いじめ」なのです。

 この春も、K大系列校の小3の少年は、系列校の中でも最も偏差値が低い学校で母親がおらず、父親の依頼で指導している中、彼の話を熱心に聞く私にとても懐いてくれた可愛い子でした。また、小さいのに小5,6年を差し置いて、次の土曜に大事なサッカーの試合の選手に選ばれて、喜んでいたら。

 私の授業がある木曜、彼は何とギプスで脚が包帯でグルグル巻き。「どうしたの !?」と聞くと、別のサッカークラブの同級生の背の高い少年達が、頭の上に彼を持ち上げて、思い切り、教室の床に叩き落とした、と!彼の膝の半月板は骨折、サッカー選手どころか成長期なので障害が残るかも。しかも、主犯格の少年らとその親は「先生には謝ったけど、ボクには謝らなかった」と。学校はひた隠し。

 以前、公立小・中学校がいかに人材不足かを述べましたが、わざわざ高い学費を払って、成人なら立派な「傷害罪」で刑法に抵触。なのに私立のK大ブランドに傷がつくのを恐れて、その学校は何の対応もしなかったのです。

 レベルを下げれば、「合格」した中学へ行けばいいか、は大変危険だ、ということ。歪んだ少年達の心の闇ほど、怖いものはないのです。

 

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