見出し画像

いい先生の見つけ方(かかりつけ医 編)その1


医者の選び方はシチュエーションにより異なるべき


前回、
医者の考える"いい先生"と
患者の考える"いい先生"は
食い違うことがままある

というお話をしました。

今回は、
じゃあどうやって見つけるのがいいのか?

という問題を
自分がもし患者だったら?
という視点で考えてみたいと思います。
(これもすべての方に当てはまるわけではないので
その点はご了承ください)

皆さんは「病院にかかる時」って
どんな時でしょうか?

・どこか具体的に調子がおかしいと思った時
・持病で薬をもらいに行く時
・風邪や胃腸炎など急性感染症にかかった時
・検診を受ける時
・検診で異常と指摘された時
・予防接種を受ける時

こんな感じでしょうか?
では、このすべてに場合において
自分の思う"いい先生"の元に
行くのがいいのでしょうか?

僕はそうは思いません。

病院選び、医者選びというのは
目的によって使い分けるべきだと
僕は考えています。

これは飲食店に例えると
わかりやすいかもしれません。

普段みなさんは外食をする時、
そのシチュエーションによって
お店を使い分けているはずです。

「お腹減った。とりあえずパパッと食べられるものにしよう」

「今日はパスタが食べたい!」

「子供の誕生日だからお店でパーティーを開こう」

「結婚記念日だがらたまにはおしゃれなお店でディナーを楽しもう」

このすべての場面で
思い浮かぶお店は違うと思います。

病院でも同様で、

風邪をひいた時や
予防接種を受ける時、
いつもの薬をもらいに行く時


原因不明の体の不調で専門的に調べてもらいたい時
〇〇病と診断されて、どうしたらよいかわからない時

では
訪ねたほうが良い医療機関は
大きく異なるはずです。

それなのに
かかりつけ医を持たずに
ぼくの専門科外来に来られている
多くの患者さんにこの話をすると、
「私は〇〇病院に長年かかっているから大丈夫」
「あの病院ならなんとかしてくれる」
「総合病院はすべての専門家がそろっていて安心」

と言われます(^^;)

前回の記事にも少し書きましたが、
どちらかというと
先に挙げたシチュエーションの中でも
前者の場合は
患者さんの考える"いい先生"が最適である

場合が多いと感じますし、
後者の場合には
医師の考える"いい先生"が最適である

場合が多いのではないかと考えています。

いい先生の選び方(かかりつけ医の場合)

そこで今回は
もし僕が
かかりつけ医を持つなら
どんな先生をどうやって探すか?

"具体的に"
考えてみようと思います。

ここから先は
主観が強く入ることや、
意にそぐわず否定されたと考える医療関係の方も
いるかもしれませんので、
有料記事とさせていただきます。
もしご興味があれば見ていただけると大変うれしいです。

しばらくこのブログを運用して、特に問題なかったので
オープンにしてみます。
あくまで僕個人の意見を言っているだけなので、
気分を害された方がいらっしゃたらそっと閉じるように
お願いいたします(^^;)

なお、今回の検索方法は
多くの範囲をカバーできる、
"内科のかかりつけ医"を探すことを
想定してみます。

まずは"ネットで検索"だがコツがある

もし僕が患者側になった場合は
インターネットで当然検索はするでしょう。
ただし、
この方法には少しコツがあると思いますので
ご紹介しますね。

まずは
google mapなどで
自宅の近くのかかりつけ医になりそうな
クリニックの候補を4−5カ所

挙げていきますが、

その際は標榜科に
注目してください。


これは自身(多くはクリニックの院長)の
専門領域を示す
ものですが、
"内科","外科","胃腸科","肛門科",
"呼吸器内科","循環器内科","総合診療科"
など
様々な標榜が書いてあると思います。

この標榜科をじっくり見ることで
「ああ、この先生はもともと〇〇科の先生なんだな」
と大まかにわかるし、強みを知れます。

逆に、この標榜科の中で
・自身のサイトを持っていないところ
・あまりにもたくさんの標榜科を提示しているところ
・外科や耳鼻科、が1番が来ているクリニック

は少し敬遠してしまいます。

その理由はいくつかありますが、

・自身のサイトを持っていないところ
開業歴が長い所が多く、
すでにかかりつけの患者が多く手一杯だったり
院長自身が高齢化していたりして
新規の患者に対し手厚いかは
なんとも言えない可能性が高い。

・あまりにもたくさんの標榜科を提示しているところ
標榜をするのは自由
特に免許も不要なので仕方がないが、
誇大広告に近いものと思われ、
(実際に幅広い診療科をまたげるスーパードクターはほぼいない)
そのようなことをするクリニックは
少しな。。。と感じるから。

・外科や耳鼻科、が1番が来ているクリニック
→内科がもともと専門ではない可能性が高い

(手術ができなくなった外科医などが、外科だけでは
患者を集めるのが難しく内科も標榜していることは珍しくない)

などです😅

逆に
"総合内科","総合診療科"
を掲げている先生はかなりプラス評価です。

なぜなから、この領域は近年になってようやく専門科として
確立された科で、標榜している多くの先生は
"クオリティの高いかかりつけ医になるための修練"
を一定期間積んだ先生が多いからです。

僕自身、後期研修までは
総合診療科の強い病院に勤めていたので、
その領域の先生方は
ワクチン接種から生活習慣指導まで
幅広い知識をもっていて
適切に判断し速やかに専門医療機関に紹介する能力が高い

ことも知っています。

なので"かかりつけ医"にするには
ぴったりなのです。

ネット検索時にやってはいけないこと

それは
口コミを見ること
です。

残念ながら、
僕からみると
googleや病院検索サイトの
医療機関に対する口コミというのは、
一部の方の
"過剰なまでの不当評価"や
サクラによる
"妙によい評価"
が溢れていて、
何を信用していいか
わからなくなるからです。

病院、クリニックというのは
何かしら不具合が起き、
マイナス感情で溢れた場所です。

藁にもすがる思いで駆け込んだ医療機関で
思ったような成果が得られなかった時
その負の感情が爆発してしまうことは
当然あります。

みなを助ける方法(魔法)があれば
僕たち医者だって使ったあげたいんですが
残念ながらそうではありません。

治療がうまくいかなかった時、
満足のいくサービスを受けられなかった時の
やり場のない怒りを
口コミで爆発させている方は
時々みかけます。

逆に、
とても質の高い医療やサービスを受けたと感じ
医療者に対し感謝している方は
口コミサイトにではなく
直接患者の言葉をかけてくださいます。

特に高齢の方などは
インターネットなど普段使うこともありません。

つまりインターネットの口コミは
こと医療機関については
悪い評価のみが強く残りやすいのです。

だいぶ長くなったので、
今回はここまでにさせていただきます。

次回は、
かかりつけ医を探すための
ネット検索のコツの続編

実際にかかった際に見ておくべき点

をご紹介したいと思います。

ただ、何度もいいますが
これは
「もし、僕がかかりつけ医を探すんだったら?」
という視点での話なので、
皆さんにそのまま当てはまるかはわからないことを
ご了承いただければと思います。

それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?