Guillain-Barré症候群って?
第3回内科専門医試験でも登場したGuillain-Barré症候群の概要について説明します。
非常に診断が難しく、いつも疑心暗鬼になりながら診療しています。
ガイドライン2013による臨床像は下記のとおりです。
左右対称性に運動障害・感覚障害を起こすとなっておりますが、非対称性であることも少なくありません。試験では原則左右対称性でよいと思います。
病態ですが病原微生物との交差抗原によって産生された抗体が末梢神経の髄鞘や軸索に作用することで、末梢神経障害を起こすとされています。
神経内科専門医レベルでは脱髄・軸索型両方の特徴を知っておきましょう(電気診断については別稿で述べます)
自己抗体の種類によって原因微生物・病型がある程度決まっています。
Guillain-Barré症候群の亜型は様々あり、臨床経過もバラバラです。もっとも認識されているのはFisher症候群です(第4回内科専門医試験で聞かれるかもしれません)。
診断の留意点です。病歴と神経診察が有用なのは言うまでもありませんが、亜型も多く、時期によっては髄液異常や抗ガングリオシド抗体も検出されないこともあるので、診断は非常に難しいです。検査ではやはり神経伝導検査が有用となります。量が多いので詳しくは別稿で述べます。
COVID-19に罹患した後からGuillain-Barré症候群・Fisher症候群を経験しました。一時期のパンデミックは終焉となっていますが、今後神経合併症が多くなると思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。