【神経疾患論文紹介】フレマネズマブの長期有用性
以前CGRP関連抗体製剤についてまとめたのですが(片頭痛の新しい薬:CGRP関連抗体製剤って何?|Dr. タワマン (note.com))、その一つであるフレマネズマブ(アジョビ🄬)についての最新論文となります。
The Journal of Headache and Pain
Piero B, et al. J Headache Pain. 2023 Mar 3; 24(1): 30.
イタリア10州の頭痛センター28施設でフレマネズマブを用いて24週間治療を受けた148人が対象となっております。このうち月8回以上頭痛発作のある高頻度の反復性片頭痛(HFEM)52人と月15日以上頭痛発作のある慢性片頭痛(CM)96人が含まれます。
21-24週の1か月あたりの片頭痛日数・頭痛日数、反応率(頭痛日数や重症度がどれくらい減少したか)、インパクトスコア等を評価項目としています。
結果ですが12週・24週時点でのそれぞれの評価項目を用いています。HIT-6はHeadache Impact Tests-6の略で、6問で構成された頭痛インパクトスコアとして世界中で用いられております。MIDASはMigraine Disability Assessmentの略で3か月に何日間支障をきたすか5問で構成されております。
それぞれは下記pdfをご参照ください。
tokyoheadachemonshin2.pdf
次に50%・75%反応率をみています。
それぞれ75%、40%と高い奏効率を得ています。
また、慢性片頭痛・薬物乱用頭痛の改善率を示しています。
CGRP関連抗体製剤は治療が難渋する慢性片頭痛・薬物乱用頭痛にも効果が高いことが言われていますが、それに矛盾しない結果です。
副作用は2.4%程度であり、高い安全性があります。
フレマネズマブそのものが即効性があり、高い奏効率であることから、初回投与で奏効すれば、以後も維持できる可能性が示唆されています。
投与レジメンが統一されていないことや、月8日未満の片頭痛については本研究は当てはまらいものの、広いイタリアを掌握できるデータなので、信頼性が高い可能性を述べています。
【私見】
頭痛日数の多い慢性片頭痛・薬物乱用頭痛の改善効果に期待しています。1年以上のデータについても待ちたいところです。
最後に英文(抄読会で使用してください)・日本語でのまとめを載せます。
ご覧いただき、誠にありがとうございました。
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