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片頭痛が起こったときどうする?
今回は片頭痛の急性期治療についてお話します。
片頭痛の概要については下記をご覧ください。
片頭痛って何?|Dr. タワマン (note.com)
少し難しい話題もありますが、最後まで御覧ください。
片頭痛の薬には急性期治療薬と予防薬があり、今回は左側についてお話します。
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使い方についても下記に示します。
基本的には月1回程度の片頭痛であれば薬局でも売っているような頭痛薬(ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)で対処します。女性の方で生理痛で内服しているような飲み慣れている薬があるとそれを使用します。
月2回以上の頭痛や月1回でも市販薬が効かない場合に、トリプタン製剤を考慮します。併存疾患でトリプタン製剤が使えない場合や副作用が強い場合に、ジタンを用います。
今回はこのトリプタン製剤とジタンについてお話いたします。
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急性期治療に特化すると下記のように行っています。
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トリプタン製剤について説明します。
片頭痛発作時にはセロトニンという神経伝達物質が少なくなっており、血管が拡張し、頭痛を起こしています。
トリプタンはセロトニンの代わりにセロトニン受容体に作用し、血管を収縮させる作用とCGRP等の放出を抑えることで頭痛を抑えます。
CGRPについては以下を参照ください。
片頭痛の新しい薬:CGRP関連抗体製剤って何?|Dr. タワマン (note.com)
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トリプタン製剤は5種類の内服薬と点鼻薬、注射薬が1種類ずつあります。
以下に特徴を記しています。
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トリプタン製剤の禁忌事項としては血管を収縮させるため、「心血管障害、脳血管障害の既往のある方には使えない」と覚えておいてください。
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以上を踏まえてトリプタン製剤の使い分けについて意見を述べたいと思います。基本的には3種類しか使わず(イミグラン、レルパックス、アマージ)、イミグランが内服、注射、点鼻とあるので重宝してます。
早く効かせたい場合はレルパックスを、再発が多い症例では長い時間効果が期待できるアマージを考慮します。
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トリプタンを使っても難渋する例があります。
そこで登場するのが新規治療薬のジタンになります。
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ジタンはトリプタンとは違う機序でセロトニン受容体に作用する薬剤で、最大の違いは血管収縮作用がないことです。
トリプタンが禁忌である心血管障害、脳血管障害の既往のある方には使えます。
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またトリプタンは頭痛出現後1時間以内に内服しないと、効果が不十分です。ジタンは1時間以上経って内服しても、十分な効果が発揮できるため、服薬タイミングを逸してしまう方に対しても選択肢になります。
トリプタンと同様、副作用に眠気やめまいがあり、服用後8時間は運転を避けた方がいい、と指導しています。
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ジタンの使い方については神経内科専門医試験で聞かれるかもしれません。
一度勉強していただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。