パーキンソン病の概要
先日第3回内科専門医試験が行われ、神経領域が難しく感じたようです。
私は昨年の第2回を受験しておりますが、試験となると必ずしも実臨床とは異なるセッティングにならざるを得ません。
内科専門医試験対策にもなるような話題を提供できればと思います。
神経内科専門医を受験する先生にも有益な情報になるように心がけたいと思います。
パーキンソン病はアルツハイマー型認知症に次いで多い神経変性疾患であり、中脳黒質の神経細胞脱落(神経内科専門医試験では橋青斑核・延髄迷走神経背側とその脱落の順番も出ます)とα-シヌクレイン凝集によるレビー小体形成により、パーキンソニズムを呈します。
なかなか覚えるのが困難な大脳基底核の解剖と生理です。
神経内科専門医試験では毎年のように出題されます。
パーキンソニズムの定義は運動緩慢(動きがゆっくりとなる)+筋強剛 or 静止時振戦となります。
パーキンソン病はこの運動症状に加えて自律神経障害や精神症状といった非運動症状も呈します。
パーキンソン病は(神経疾患全般に言えることですが)病歴と神経所見が最も大事です。ここに病歴聴取と神経所見の取り方のポイントを列挙します。
私が重要視しているのは手が硬くて力が入りづらい、歩いていると周りに抜かされるようになった、です。
診察所見でMyerson徴候を取ると思いますが、一定のリズムで眉間をたたくのではなく、徐々にスピードを上げることが大事です。
下記に診断基準を載せます。全部覚えるというよりはエッセンスを抽出して覚えるのがいいと思います。
最後に診断に際して私見を述べます。
パーキンソニズムがあるかどうかは比較的難しくないと思うのですが、目の前の患者さんがパーキンソン病かどうかは経過や治療反応性を見ないと難しい側面があります。
ボリュームの多い内容ですが、最後までご覧いただきありがとうございました。