第一回腎臓内科勉強会スペース(メモ)
・漫然としたループ利尿薬の使用は、ステロイドを単独長期で使用する事に似ている。➡ステロイドを免疫抑制薬やbioで置換するように、ループ利尿薬もMRAやSGLT2iで置換して、なるべくループ利尿薬を減らす努力が必要。
・利尿薬の静注と持続の使い分け方➡閉塞予防の生食投与でinが入るとか、閉塞時にピーピーなってうるさい(せん妄惹起、移送に邪魔)とかもあり、持続は使わない。
・溢水症例でフロセミド 20mg/day静注を10日間続けるのは何故駄目なのか?➡ループ利尿薬はday3ぐらいまでが一番効いて、その後は効きにくくなる(RAS亢進により)。そのため、day4以降のフロセミドIVは効果が得られにくいし、先述の漫然投与にも繋がる。➡やるなら、day3までにフロセミド 20mg×1日2-3Aとかで集中的にぶち込んで、さっさと至適体重にもっていき内服に切り替える。内服切り替えは静注量の1.5-2倍程度にすることが多い。
・ループ利尿薬の閾値の見極め方(感覚的な話だが)見慣れるとどれぐらいの用量で出そうか、なんとなく分かるが、それでもある程度の幅が出てしまう(例:フロセミド 60mgか80mgで出そうだけど、どっちか分からない)➡おすすめ処方:フロセミド 20mg×1日3回定期投与+1日尿量に応じたボーラス投与の追加(20mg)この処方のメリット
・60mgで目標尿量を達成できた場合は、無駄なフロセミド投与を避けられる。
・足りない場合は同日中に追加投与が入るため、早めに腎代替療法への切り替えを判断できる。
・指示がシンプルなので、看護師さん的にも分かりやすい
・フロセミド、アゾセミド、トラセミドの使い分け➡アゾセミドしか使わない。
・その結果出てきた疑問の共有(+SGLT2阻害やトルバプタン系の疑問、ネフローゼでの利尿剤での疑問があれば) (7) 次回告知(利尿剤2)
➡①:MRAがバチっとはまる症例、SGLT2iがハマる症例が各々存在するが、その見極め方があるのか知りたい。
②:五苓散ってどうなんでしょう?
※先日外来で見た興味深い症例
心不全+DKDでFantascti fourの殆どが入った状態で、内科外来へ逆紹介。SGLT2i入れたら、initial dipでCre上がり続けた(1カ月半でベースラインの20-30%程度)。
臨床上、溢水兆候が無かったため、元々入っていたフロセミド 20mgをoffしてSGLT2iは継続とした。
➡その1か月後、Creはベースラインに下がっていただけでなく、BNPも1/3程度に低下していた。
↑SGLT2iでループ利尿薬を適切にspareできた+フロセミドoff後にも関わらずBNPが有意に低下した点が面白い。
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