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和歌山県の地震 1/14/2025更新

こんにちは。10月23日に10回、25日に3回和歌山県北部に地震が1日で起きましたので加筆しました。目次から✅和歌山県北部の地震、✅ 和歌山県とミニプレート理論、および地震回数がこれまでになく多いので✅和歌山県のハザードマップもご覧ください

和歌山県 最新30日間 の震央分布図

はじめに、政府地震本部の情報から

和歌山県に被害を及ぼす地震は、主に太平洋側沖合で発生する地震と、陸域の浅いところで発生する地震です 

和歌山県の地震活動の特徴 政府地震本部

ソースリンク

上記の中で、和歌山県の特徴は ↓ 

和歌山県周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震 政府地震本部

ソース

和歌山県と南海トラフ地震の想定震源域


和歌山県の50%以上が公開されている南海トラフ地震の想定震源域に含まれています

 大阪管区気象台 南海トラフ地震特設ページ

平成25 年度の南海トラフ想定震源域の図です。黒枠の強震断層域が、現在広く使われている南海トラフ地震の想定震源域に一致します

この資料の管轄は文部科学省でした

80年前、1944年の昭和東南海地震 M8.1 

沈み込み帯に沿った大きな逆断層地震は、人口密度の高い沿岸都市に地震と津波の脅威をもたらします。地震はプレート境界面の特定の部分で繰り返し発生する可能性があり、この部分は地震発生帯と呼ばれます
地震発生帯の海側の上昇限界は津波の大きさを決定するのに役立ち、陸側の下降限界は強い地動の強さを決定するのに役立ちます
沈み込み帯の深部から上方に分岐する逆断層型は、「分岐断層」と呼ばれることが多いです。分岐断層は物理的強度の弱い断層帯なので、地震の破壊伝播の経路として、主沈み込み帯よりも容易な経路として繰り返し選択される可能性が高いです

2002年に、紀伊半島沖の熊野灘をマルチチャンネル地震 (MCS) 反射プロファイルを用いた調査が行われ、1944 年東南海地震の破壊域に分岐断層があることが明らかにされました

図1Aは、調査した場所を含む日本南西部沖の南海トラフ縁辺部における水深図です。図の緑の線は、多チャンネル地震探査(MCS)反射線の位置です
ここでフィリピン海プレート(PSP)はユーラシアプレートの下に北西方向に沈み込み、収束速度は約 4cm/年です
色付きの細い線で囲まれた小さな長方形と青い点線で囲まれた等高線は、それぞれ津波と地震の逆解析から推定された地震時の滑り量を示しています
分岐断層の最初の分岐部分は星印で示されています

使用された水深データは海上保安庁水路部が編集したもの
Jin-Oh Park. Science 2002

図1Aのライン 5 の MCS プロファイル (図 2A) は、深さ約 10 km のプレート境界面から上方に分岐し、前弧盆地の変形前線 (トラフ軸) から約 55 km 陸側に伸びる、独特の陸側傾斜の約 30 km の長さの逆断層を明らかにしています
この逆断層は、以下の2点から沈み込み帯プレート境界から上方に分岐する分岐断層に相当すると考えられました
🔵 外海嶺のすぐ海側の海底に近づくにつれて急勾配 (8 ~ 20 度の傾斜) になり、上部地殻プレートを突き破っていること。
🔵 ほぼ海底に達しており、1944年東南海地震の破壊域内にあること。

この分岐断層は1944年東南海地震の際に滑りを経験した可能性があります

図2A. ライン 5 の MCS プロファイル。横軸は南海トラフ軸からの距離
下方のグレーの範囲が沈み込むフィリピンプレート (PSP) で、上方の白色部は沈み込む PSPが大陸側プレートに押し付けられてはぎ取られた巨大な堆積物(付加体)です。冷湧水の位置はアスタリスクで示されています。分岐断層の最初の分岐と海洋基盤上部へのデコルマン ステップダウンの位置は、赤い点線の円で示されています。緑と黒の矢印は、それぞれ分岐断層のすべりとデコルマンまたは正断層の動きを示しています
よく成層した陸側傾斜被覆層を切断する活正断層 (インセット B)
ショット ポイント (SP) 2365 周辺の深さ約 7 km にある分岐断層の逆極性反射 (インセット C)
図2D. ライン 4 の MCS プロファイル。横軸は南海トラフ軸からの距離

その他の所見
同様の構造的特徴を持つ分岐断層は、1944年東南海地震の破壊域内のライン4、6、7の他のMCSプロファイルでも特定されましたが、分岐断層からの強い反射は深さ約5kmより浅いところでは観測されません
ライン4(図2D)では、断層はトラフ軸から約50km陸側のプレート境界面から上方に分岐しています
前弧海盆の海側先端の最上部地殻シーケンスは、陸側傾斜の明らかな層理面 (図 2、B ) を示しています
隆起した地殻層を切断するいくつかの活正断層 (図 2、B および D) も観察されました
分岐断層の滑りにより、前弧海盆の海側先端が上方に持ち上げられ、顕著な海底断層崖とそれに続く外海嶺が形成される可能性があります


紀伊半島沖の浅部超低周波地震


F-netの広帯域地震計記録を利用し、3次元不均質地下構造を用いたスーパーコンピュータによる地震波伝播シミュレーションに基づいて震源の特徴を推定するTakemura et al. (2018)の手法を適用した研究です 
Structural Characteristics of the Nankai Trough Shallow Plate Boundary Inferred From Shallow Very Low Frequency Earthquakes. Takemura S, et al. 2019.

2003年6月から2018年5月までに発生した浅部超低周波地震のメカニズム解の分布を下図a に示す。プレート境界での断層運動を示唆する低角逆断層のメカニズム解が多く推定され、浅部超低周波地震はプレート境界のすべりの状態をモニタリングする上で重要な現象であることがわかった。
規模も正確に推定し、浅部超低周波数地震の活動度の定量的な評価を下図b に示す。まとめると、スロー地震(浅部超低周波地震)はフィリピン海プレート上面のすべり欠損速度が大きい領域の周囲、かつ地震波速度が遅い領域で活発に発生している

図a. 浅部超低周波地震の震源メカニズム解の空間分布の時間変化。浅部超低周波地震の震源球の色と活動度の時間変化のシンボルと線色を対応させてある。
図b. 浅部超低周波地震の震源メカニズム解の活動度の時間変化。浅部超低周波地震の震源球の色と活動度の時間変化のシンボルと線色を対応させてある。

✅ 和歌山県北部の地震 (1/14/2025 更新)


和歌山市付近では定常的に地震活動が活発です。ほとんどがM5程度以下の中小規模の地震ですが、和歌山市における有感地震回数は、最近の10年間では年平均19回程度にのぼり、日本で最も有感地震回数の多い地域の一つです。特に1920年以降報告回数が増えたことが知られています。近年この地域に大規模な地震の発生は知られていないので、この地震活動は特定の大地震の余震ではありません。その規模は最大でもM5程度ですが、震源がごく浅いために、局所的に被害が生じたこともあります。この付近の東側と西側では、フィリピン海プレートの沈み込む角度が違い、この付近の地下構造は複雑になっていますまた、この付近の深さ数kmまでの浅いところは、堅いけれども脆い性質を持つ古い時代の岩石が分布していますこれらのことが、和歌山市付近の定常的な地震活動の原因と考えられています

和歌山県北部を震源とする地震をリストアップしました。最終更新日は1月14日2025年です。
震源住所は速報値をもとにしているため正確ではありません。また、和歌山県北部の地震は、東日本大震災以降に活発になったように見えますが、まだ古い記録にアクセスできていないので正確なことは不明です

2011年7月5日(火)午後7時18分頃、和歌山県北部で発生した地震の震源域周辺の電子基準点で観測されたデータを解析した結果(7月7日午前9時までのデータを使用)、データのばらつきに具合に比べ、現時点ではこの地震に伴う有意な地殻変動は検出されていません (ソース)

✅ 和歌山県とミニプレート理論

近畿地方はミニプレート①、②、③、④、⑤で構成されています。このミニプレート上に、2011年以降に発生した、最大震度5弱以上の地震の位置を示したものが下の図です

ミニプレートと、最近の最大震度5弱以上の地震

東日本大震災(2011年3月)以降、和歌山県で発生した最大震度5弱以上の大きな地震は一つ。2011年7月5日に発生した和歌山県北部地震(M5.5、最大震度5強)です。和歌山県北部地震はミニプレート①と②の境界で発生しました

続いて、和歌山県にエリアを絞り、高さ方向の変動を見てみましょう。2010年1月から2018年12月までの変動を表したものが下の図です

和歌山県の高さ方向の変動(2010年〜2018年)

ミニプレート①、②、③がそれぞれ異なる動きをしています。地表の変動は、隆起よりも沈降に注意が必要です。ですから今後、ミニプレート③(串本)の沈降が大きく進行した際には、注意が必要です。(ミニプレート理論ここまでのソース by 村井俊治先生 2020/2/7)

1か月前 (2024/8/14から2024/8/28 と2024/9/14から2024/9/28)または1年前と比較して地殻変動ベクトルで表したのが下の図です。ミニプレート③(串本)の沈降は去年と比較すると沈降していますが、1か月前と比較すると沈降は認められません

1年前との比較
1か月前との比較


1年前との比較
1か月前との比較

和歌山県の活断層@中央構造線断層帯

中央構造線断層帯は、近畿地方の金剛山地の東縁から、和泉山脈の南縁、淡路島南部の海域を経て、四国北部を東西に横断し、伊予灘、別府湾を経て由布院に達する長大な断層帯です

中央構造線断層帯は、奈良県香芝(かしば)市から五條市、和歌山県和歌山市、淡路島の兵庫県南あわじ市の南方海域を経て、徳島県鳴門市から愛媛県伊予市まで四国北部をほぼ東西に横断し、伊予灘に達しています。過去の活動時期や断層の形状等の違い、平均的なずれの速度などから、全体が10の区間に分けられます。

根来活動セグメント:和歌山県北部,紀ノ川に沿って東北東-西南西方向に延びる右横ずれ断層。データベース

① 金剛山地東縁
北端:北緯 34°32.2′東経 135°41.1′
南端:北緯 34°23.4′東経 135°41.7′

② 五条谷
東端:北緯 34°23.4′東経 135°41.7′ 
西端:北緯 34°17.9′東経 135°24.0′

③ 根来
東端:北緯 34°17.9′東経 135°24.0′ 
西端:北緯 34°14.9′東経 135°6.9′

④ 紀淡海峡-鳴門海峡
東端:北緯 34°14.8′東経 135°5.9′
西端:北緯 34°10.2′東経 134°38.9′

🟡 地震の規模とずれの量
① 金剛山地東縁 地震規模:マグニチュード 6.8 程度  ずれの量:2m 程度
② 五条谷 地震規模:マグニチュード 7.3 程度   ずれの量:3m 程度
③ 根来 地震規模:マグニチュード 7.2 程度   ずれの量:3m 程度
④ 紀淡海峡-鳴門海峡 地震規模:マグニチュード 7.5 程度  ずれの量:4m 程度

中央構造線断層帯(金剛山地東縁-由布院)の長期評価(第二版)平成29年12月19日


✅ 和歌山県のハザードマップ


防災ハザードマップ の下層は ↓

上から5項目のザードマップは市町村ごとにpdfとなっています

重ねるハザードマップ > 調べる市町村名を入力してリターンをおす
例:和歌山市を検索する
下図が出てくるので、ポップアップを2つ消し、左の災害種別で選択から津波をクリックする
次に右下の避難所をクリックしてから、同意する

すると、下図を得られます
* 和歌山県には津波用の避難所マークは出ません
* 震度分布マップはpdf版のみです (8/29/2024アクセス)

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